■ 来春に第4回となるWBCが開幕第4回となる野球のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)は2017年3月7日~3月22日にかけてアメリカ・日本・韓国・メキシコを舞台に開催される。2006年大会(1回)と2009年大会(2回)で世界一になっている侍ジャパンは小久保監督の下、3度目の世界一を目指しているが、2013年大会(3回)もベスト4まで勝ち進んでいることを考えると野球ファンからの期待値は高くてハードル自体は相当に高いと言える。
野球の場合はペナントレースが最優先なので開幕前のオープン戦の時期か、日本シリーズの直後くらいしか、日本代表のメンバーが集まって練習を行ったり、強化試合を行うことは出来ない。現状では4年に一度のWBCがもっとも名誉のある大会で、もっと言うと、力を入れて戦うべき大会はWBCくらいしかないのが本当のところであるが、あと4か月後に大本番を迎えるチームにしてはのんびりしている印象は否めない。
今回、侍ジャパンは強化試合として初戦と2戦目はメキシコ、3戦目と4戦目はオランダと対戦するが、1戦目はメキシコに3対7で敗れた。2戦目でメキシコに11対4で勝利した後、3戦目のオランダ戦はタイブレークの末、8対7でサヨナラ勝ちを飾ったが、9回裏のツーアウトの場面で相手の信じられないようなエラーが出て同点に追いつくことが出来たことを考えると「完全な負けゲームだった。」と言わざる得ない。
■ 大きな批判を浴びている小久保監督(本番のWBCのときに派遣が認められるのか否かははっきりしないが、)ダルビッシュ有や田中将大や前田健太などMLBでプレーする選手以外にも怪我で数名の主力を欠いているとは言っても内容的にも結果的にも厳しい試合が続いていることもあって侍ジャパンに対する批判の声は高まっているが、特に侍ジャパンを率いる小久保監督は「これだけの選手がいながら使うこなせていない。」と大きな批判を浴びている。
今回は選手選考の段階から「あれっ!?」と思う選考がいくつかあったが、強化試合を観ていても「あれっ!?」と思う采配は少なくない。小久保監督の指導者としての資質に関してはクエスチョンマークを付けられても仕方がないと思うが、「それにしても批判をされ過ぎなのでは?」と思わずにはいられない。やることなすこと全てがプロ野球ファンから批判をされている状況はさすがに気の毒に感じる。
野球という競技はサッカーと比べるとはるかに結果論で話を進めやすい。サッカーの場合は試合が始まるとほとんどのケースで選手が自分の判断でプレーを行うが、野球の場合は「バントをするのか」、「盗塁をするのか」、「自由に打たせるのか」、「敬遠策を取るのか」、「前進守備をするのか」など大半のことは監督を含めた首脳陣が決めているので試合中に限定するとサッカーの監督よりも影響を及ぼしやすい。
そして、打った、打たれた、点が入った、点が入らなかったなどなど全てのことがすぐに結果として表れるので「監督の采配が正しかったのか否か?」に関しては非常に分かりやすい。当然、監督の采配や選手起用は外れることもあるが成功することも多い。トータルで考えないとフェアではないが、どうしても悪かった部分やうまくいかなかった部分をクローズアップされがち。野球の監督は批判をされやすい職業である。