■ FC対決開幕から、ホームでは3連敗中のFC東京が、最下位の横浜FCと対戦したJリーグ第7節。
FC東京は、五輪代表のFW平山、MF梶山、DF伊野波がそろってベンチ外。シリア戦から帰国してまもないというのがその理由だが、他チームの五輪代表組は、その多くがメンバー入りしている。これは、3人が、これまで、所属チームで十分なパフォーマンスが出来ていないという側面もあるだろう。FC東京の選手層が、比較的厚いというのもあるが、絶対に必要な選手であればコンディションが不良であっても、ベンチ入りくらいはしたことだろう。彼らの微妙な立場をよく表している。(※ 3人とも、五輪代表では、かなりいいプレーをしている。)
■ FC東京 勝サンドこれ↓が、am/pm味の素スタジアム店で買った「FC東京勝サンド」。
その内容は、
オリジナル照り焼きソースのミルフィーユかつとコールスローサラダをパンで挟んだかつサンド(4切れ)
これで、550円(消費税込み)。正直、そんなにおいしくなかったが・・・。
■ カズがスタメン!!!事前の予想スタメンで、ベンチ予想だったので、あんまり期待していなかったけど、カズがスタメン出場。いつもの左ではなくて、右の攻撃的MF。<4-2-3-1>で、1トップは、難波。
対するFC東京は、<4-3-3>と<4-2-3-1>の中間。1トップがワンチョぺで、その下に、石川・ルーカス・栗沢が並ぶ。4バックは、徳永・今野・藤山・金沢。ダブルボランチは、浅利と福西。
■ 値千金の今野のゴール試合は、開始4分に横浜FCが決定的なチャンスを迎える。セットプレーの流れから、DF太田のスルーパスを受けたカズが素晴らしい飛び出しからシュート。しかし、狙い済ました左足のシュートは、惜しくもゴールの枠をとらえることが出来なかった。
結果的には、このシュートミスが試合の行方を決定付けた。
やや下がり目の位置からボールを受けて展開するFWルーカスを起点に、サイドから攻撃できるようになっていく。
後半開始早々、右サイドの浅利のクロスをワンチョぺが折り返したところを、DF今野が左足でゴールに突き刺して先制点。
その後、FC東京は、ワンチョぺに代えて馬場を投入。ルーカスをトップに上げて、ルーカスのキープ力を生かして、攻め込むスタイルに変更。
横浜FCは、奥や中島を投入するも、同点のゴールは奪えず。結局、1対0でFC東京が勝利した。
■ FC東京のサッカーMF福西やFWワンチョぺを獲得し、躍進が期待されたものの下位に低迷しているFC東京。その低迷の理由を探りたかったが、残念ながら(?)、この試合で見せたサッカーはそれほど悪くなかったので、そのよくない原因は、それほど浮き彫りにはならなかった。
前述のように、前半4分のカズのシュートが入っていれば展開は大きく変わっていたと思えるが、そのピンチのあとは、比較的、落ち着いた試合運びを見せて、危ないシーンも少なかった。
後半は、ルーカスを中心に、両サイドをワイドに使った目指すサッカーが出来ており、今シーズンの中では、一番の内容だっただろう。
2点目を取れなかったことは、今後にむけた課題のひとつだが、とにかく、開幕戦の「吉本ショック」を振り払うためには、勝利が何よりも大切だった。完璧な内容ではなかったが、今後に向けて、大きな勝利となった。
■ 期待のワンチョぺ開幕前から期待されたFWワンチョぺだが、この試合で初スタメン。今野のゴールをアシストするなど、後半21分までプレーした。
この試合では、試合開始から、前線で巧みなボールさばきでチャンスを演出するなど、おそらく、来日後、ベストと思えるパフォーマンスを見せた。運動量は多くないし、プレーに関与する場面も少ないが、柔らかいタッチでボールをさばく様は、さすがに、抜きん出ている。
今のコンディションがどの程度なのか分からないが、どうしても、ドイツW杯の開幕戦で見せた独走からのゴールの再現を期待してしまうので、物足りなさも残るが、彼なりによくやっているし、シュート技術も高いので、これから、徐々にチームに慣れてくれば、それなりの働きを見せてくれるのではないだろうか。
ただ、相当にコンディションが上がってこない限り、スーパーな活躍を望むのは酷だと思われる。
■ 縦横無尽の今野CBとして無失点に貢献し、なおかつ、決勝ゴールを奪った今野が、この試合のMOMだろう。
オシムジャパンでCBをする姿は、少しずつ、違和感がなくなってきているが、FC東京でCBをする姿は、やはり、まだ違和感がある。コンビを組む藤山と同様で、絶対的に空中戦に強い選手ではないので、パートタイム的な役回りで、いずれ、ボランチに復帰するだろうが、この試合では、本職の選手と遜色のないプレーを見せた。
今野がCBでプレーすることで、今野の持つ攻撃能力が損なわれるのではないかという懸念もあったが、徳永&吉本に比べると、藤山&今野のボール回しは安定していたし、今野が攻撃参加したときに、ボランチの浅利が右サイドに移って、右サイドバックの徳永がCBにスライドしたシーンがあったように、今野の推進力を生かそうとする部分も見受けられた。CBになっても、今野の良さは、消されていなかったと思う。
■ 石川の生かし方気になるのは、右サイドの石川の生かし方。開幕から、石川がスタメン出場しているが、十分なプレーは見せていない。
石川という選手は、前方にスペースが無いと、生きないタイプである。サイドでマークマンに密着されると、なかなか局面を打開できない。だから、もっと、チーム全員で石川の特性を生かせるように、お膳立てしなければ、ならない。また、石川自身も、右サイドの奥のエリアに入りすぎている印象を受ける。
■ キング・カズ健在横浜FCのカズは、右の攻撃的MFで先発出場。前半4分の惜しいシーンと、後半のFKのシーンと、2度の大きな見せ場を作った。
後半23分に、カズがピッチから去るとき、FC東京のサポーターからも、大きな拍手が起こった。今のJリーグの中で、相手チームのサポーターからも温かい歓声が送られるのは、カズだけだろう。
カズの体のキレ自体は、20代後半の全盛期の頃と比べると落ちているのは間違いないないが、それでも、4・5年前と比べると、劣っているどころか、むしろよくなっているような印象を受ける。
■ 1トップの難しさ横浜FCのシステムは、<4-2-3-1>。FWは難波の1トップだった。難波のプレーは悪くは無かった。彼は、能力的にも、十分にJ1でやっていけるだけのものを持っている。それは、間違いない。だた、FC東京も同様の問題を抱えているが、1トップは、本当に難しい。
1トップであっても、西村時代のユース代表のように、2シャドー型であれば問題ないが、両サイドをウイング的な使い方をするときは、CFが孤立することが多い。この試合でも、横浜FCがチャンスになりかけたシーンで、中の枚数が足りないために、クロスが挙げられないといった場面が何回かあった。
そのCFが、ファン・バステンのような万能フォワードであれば何の問題もないだろうが、一般的なフォワードには、相当に厳しい役割である。
■ 試合内容は悪くない横浜FC横浜FCは、試合内容自体は、悪くなかった。特に、前半20分までは、明らかにFC東京よりもいいサッカーをしていた。
「いいサッカーをしているのに、結果につながらないこと」というのが、一番、つらい状況だということは置いといて、ボランチの山口を中心にした、ボール回しは、意図を感じるものであった。(やっぱり、山口はうまい。)
これで、5連敗となったが、FW久保が帰ってくれば、なんとかなりそうな雰囲気もある。それまでは、切れずに辛抱強く戦っていきたい。
■ 味の素スタジアムを後にする。試合前の順位でいうと、16位と18位の対戦だったが、見所も多く、面白い試合だった。FC東京としては、勝ったとはいえ、藤山&今野のCBコンビが急造であることには違いないし、五輪代表組をどうチームに還元していくかも、もう一度、考えなければならない問題ではある。以上。
気候もよくて、スタジアムに行くには、今が一番いい季節かもしれないな、という思いのなか、味の素スタジアムを後にして、甲府に向かう。
人気ブログランキングに参加しています。Jリーグを愛する、Jリーグサポーターの人は、投票してくださいね。↓
人気blogランキングへ一票124
FC東京 採点GK 塩田 6.0→ 見せ場はなし。目立つことはなかった。
DF 徳永 6.0→ 回数は多くなかったが、馬力のある突破でチャンスを作った。調子は上向き。
DF 今野 7.5→ 攻守両面で活躍。決勝ゴールで、MOM。
DF 藤山 6.5→ 軽率なパスミスもあったが、パスカットからの攻め上がりは、芸術品。
DF 金沢 5.5→ カズと対面。オーバーラップのタイミングはよかった。
MF 福西 5.5→ 相手に囲まれたときに、ひらりとかわすプレーは見事だが、攻守に仕事量が少ない印象を受ける。
MF 浅利 6.0→ 展開力はないが、気の利いたプレーを見せた。チームに安心感をもたらした。貢献度大。
MF 栗沢 5.5→ 動き回ったが、なかなか効果的な仕事は出来なかった。
FW 石川 5.5→ ここ最近では、一番良かったが、スターティングポジションは再考の余地あり。
FW ルーカス 7.0→ 決定機を逸した場面もあったが、誰よりも積極的にシュートを放って、攻撃の中心を担った。
FW ワンチョぺ 6.0→ 徐々になじんできた。テクニックはある。そろそろ初ゴールが欲しい。
監督 原 6.0→ 浅利の起用で落ち着きを取り戻した。ワンチョぺ→馬場の交代で、やや押され気味になった。
- 関連記事
-