■ 第14節京都サンガとFC東京の対戦。ともにJ1から降格してきたチームで、1年でのJ1復帰を目指していて、昇格レースを引っ張っていくと思われていたが、京都は1勝4敗2分けで18位。FC東京は2勝2敗3分けで12位と苦しんでいる。とくに京都は深刻で、ここ5試合で1ゴールだけ。13節ではギラヴァンツ北九州に0対1で敗れている。
ホームの京都は<3-4-3>。GK水谷。DF染谷、森下、福村。MF秋本、チョン・ウヨン、内藤、中山。FW中村充、久保、ディエゴ。MF安藤は出場停止。DF内野、MF中村太はベンチスタート。FWドゥトラはベンチスタート。17歳のFW久保はここまで2ゴールを挙げている。MF鈴木慎がベンチ入り。
アウェーのFC東京は<4-1-4-1>。GK権田。DF徳永、今野、森重、中村北。MF高橋、田邉、大竹、羽生、梶山。FWロベルト・セザー。DF徳永が右サイドバックでスタメン。MF高橋の1ボランチ気味の布陣で、その前に4人が並ぶ。1トップはFWロベルト・セザー。
■ FC東京が快勝雨の中で行われた試合は、前半14分にFC東京が先制する。左サイドのスローインからMF田邉とMF梶山の二人の連携で相手の守備陣を崩すと、最後はMF田邉のパスからフリーのMF梶山が決めて先制する。MF梶山は2ゴール目。しかし、京都も前半20分にFW中村充のパスを受けたFW久保が左足でシュート。GK権田が防いでゴール前にこぼれたボールをMF内藤が押し込んで1対1の同点に追いつく。MF内藤は開幕戦以来のゴールでプロ2ゴール目。1対1の同点に追いつく。
さらに、京都は前半27分にもカウンターからFW中村充が裏に抜け出してGKと1対1になるがGK権田がビッグセーブを見せてゴールを許さない。すると、FC東京は前半30分に右サイドからセットプレーを獲得。MF大竹が左足で蹴ったボールをドフリーになっていたMF田邉が頭で決めて2対1と勝ち越しに成功する。MF田邉は公式戦で初ゴール。
さらに、前半37分にもFC東京は、京都のDF染谷の中途半端なクリアボールを拾った大竹が左足でシュート。イージーなボールのように見せたが、ブラインドになっていたのか、GK水谷がファンブルしてゴール。FC東京が3対1とリードを広げる。前半はFC東京が2点リードして折り返す。
2点リードのFC東京は、後半13分にも、MF田邉がFWロベルト・セザーのワンツーでゴール前に入り込んでシュート。4点目を挙げる。プロ3年目のMF田邉は2ゴール1アシストの活躍。後半20分あたりからFC東京の運動量も落ちて京都が攻め込むシーンも見られるようになるが、ゴールまでは至らず。結局、FC東京は4対1で快勝し今シーズン3勝目。一方の京都は1勝5敗2分け。
■ 今季初の複数得点ここまでの8試合で5得点のみで、最高でも1ゴールで、なかなか2点目が取れずに苦しんでいたFC東京がアウェーで京都に圧勝して3勝目を挙げた。西京極というと、昨シーズンの最終節で敗れてまさかの降格が決まった場所だったが、その嫌なイメージを取り払うに十分な大勝劇となった。
京都の中盤の守備がルーズでサッパリ機能していないことも幸いしたが、MF梶山を中心にした細かいパスワークで相手を翻弄。れだけでなく、MF田邉らのドリブルも効果的で、ドリブルとパスをうまくミックスさせてチャンスを作っていった。一方の守備陣は、危ないところもあったが、最後のところは踏ん張った。前半にビッグセーブを見せたGK権田のプレーも光った。
■ MF田邉草民が2ゴール1アシスト13節の湘南ベルマーレ戦からスタメンで起用されているMF田邉が2ゴール1アシスト。ゴール前で決定的な仕事をするとともに、中盤でうまくボールを受けるプレーと、仕掛けるプレーでチャンスを作った。これまでのFC東京は、前の選手と中盤の選手をつなぐ選手が不足していて、攻撃に流動性がなかったが、MF田邉がそういった仕事をして、流れを作った。
2009年に高校からFC東京に入団して3年目。1年目から頻繁に試合で使われていたので、意外な気もするがこれがプロ初ゴール。本人にとってはうれしいゴールとなった。FC東京は、システムも、メンバーも定まっておらず、試行錯誤の段階であるが、大きなアピールとなった。
■ ボランチの弱さ京都はホームで完敗し、今シーズン5敗目を喫した。18位と低迷しているが、それも納得と思えるほどのチーム状況であり、FW久保を除くと、いいところもほとんど見られなかった。攻撃も上手く機能していないが、それ以上に守備が機能しておらず、中盤のマークがルーズ過ぎた。1点目のMF梶山のゴール、4点目のMF田邉のゴールはその典型で、これだけ簡単に崩されてしまうと、勝つことは難しい。
チームの軸となるべくボランチのところでリーダーシップを発揮できる選手がいないのが致命的で、本来であればジェフ千葉から移籍のMF工藤がいて、彼を中心にチームを作っていくはずだったが、MF工藤はシーズン前に怪我をして離脱中。開幕から、新人のMF内藤や新外国人のMFチャン・ウヨンらを起用しているが、力不足は否めない。
よくないときには悪いことが重なるもので、この試合は、MF内藤を右サイドに回して、MF秋本をボランチで起用してきたが、MF秋本が怪我のため途中交代。このポジションの弱さが目立ってしまう。
■ サイドも機能せず3バックを採用しているので、サイド攻撃をしたいところであるが、こちらも機能していない。守備重視でなく、攻撃重視で3バックを採用しているが、守備はもちろん、攻撃でも、3バックのメリットをほとんど出せておらず、デメリットばかりが出てしまっている。大木監督は今シーズンから就任したので、仕方がないところはあるが、この戦い方にはマッチしていない選手もいて、苦しい台所事情がうかがえる。
特にサイドプレーヤーについては悩んでいるのは明らかであり、右サイドにMF内藤、左サイドにMF中山を起用しているが、どちらもサイドが得意な選手ではないので、窮屈なプレーをしている。ボランチとサイドが今後の補強ポイントになるが、今の戦い方でサイドプレーヤーにどのような何を求めているのかが見えてこない。
■ 巻き返しのためには・・・J2は降格がないが、もし、降格制度があれば、昇格どころか、残留を意識した戦いをせざる得ないような状況で、厳しいチーム状況だるが、このままでは、まずいので、今後、巻き返していかないといけない。
まず、考えたいのは、FWディエゴの扱い方であり、この戦い方では、FWディエゴは生かせていないし、FWディエゴが生きるような戦いに変更するとしたら、ここまでやってきたことを、リセットしなくてはならない。使うとしたらセンターフォワードであるが、そのポジションにはFW久保がいるので、現実的ではなくて、使いどころが難しい。
サイドは適任者が見当たらないので、いろいろな選手を試しながら見つけていくしかないが、ボランチはMF中山をファーストチョイスにするのがベターな気はする。中央に入ったときのMF中山の前線への飛び出しはかなり効果的で、チャンスを作っていた。落ち着いてボールを持てる選手としてはMF安藤もいるが、MF中山を軸にして、MF安藤やMFチャン・ウヨンでダブルボランチを組むのがベターではないかと思われる。
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