■ 火曜日にウズベキスタン戦アジア三次予選の初戦で、北朝鮮に1対0で勝利した日本は、火曜日の夜にウズベキスタンと対戦する。
ウズベキスタンは、初戦はアウェーでタジキスタンと対戦し、1対0で勝利している。このグループでは「日本に次ぐ2番手」と考えられてチームで、ここに勝つと、3次予選突破の可能性は相当に高くなる。
そのウズベキスタンは、1月に行われたアジアカップ2011では、日本、オーストラリア、韓国に次ぐ4位に入っている。グループAを2勝1分けで通過すると、準々決勝はヨルダンに2対1で勝利し、準決勝進出。初のベスト4となったが、準決勝ではオーストラリアに0対6で大敗。さらに、3位決定戦では韓国と対戦し、前半39分までに0対3とリードを奪われたが、FWゲインリフの2ゴールで1点差に迫り、2対3で惜敗した。トータルの6試合で、10得点13失点という成績だった。(
中国戦、
ヨルダン戦、
オーストラリア戦、
韓国戦)
そのスタイルは、アジアカップを見ると、かなり攻撃的である。連想させるのは、少し前のサンフレッチェ広島のサッカーで、細かいパスをつなぎ、後ろのの選手も積極的に攻撃に参加してくる。ポジションは流動的で、ウズベキスタンにパスを回される展開になると日本は苦しくなるだろう。
■ 注目選手・4人注目選手は、MFジェパロフ、FWゲインリフ、FWシャツキフ、MFアフメドフの4人である。
MFジェパロフは、左利きのプレーメーカーで、2008年にはアジア最優秀選手に輝いている。この年は、ACLを初制覇したガンバ大阪のMF遠藤保仁の受賞が確実視されていたが、いろいろな事情があって、MFジェパロフが栄冠を手にした。アジアカップ2011の後、韓国のFCソウルにレンタル移籍していた時期があって、ACLのGLで名古屋グランパスとの対戦いていて、日本でもおなじみの選手といえる。
FWゲインリフは、前述のアジアカップの3位決定戦の韓国戦で2ゴールを挙げたスキンヘッドの選手である。非常に運動量が豊富で、ダイナミックなプレーをする選手である。動き出しも早くて、パワフルなシュートも備えており、このチームの中心である。
FWシャツキフは、アジア史上屈指のストライカーと言われている「レジェンド」である。タジキスタンとの試合でもスタメンで出場し、決勝ゴールを挙げているが、ウクライナのディナモ・キエフでプレーした時期が長くて、UEFA CLでも活躍した。
ただ、32歳になっており、アジアカップで見たときは、プレーヤーとしての峠を過ぎた感はあった。高さがあって、柔らかさもあるので、ゴール前では注意したい選手であるが、以前のようなインパクトはなかった。DF吉田とマッチアップすることが多くなると考えられるが、老獪さに、経験の乏しいDF吉田が振り回されないかどうかは心配される。
最後は、MFアフメドフで、中盤のプレーヤーであるが、アジアカップではCBでプレーしていた。アジカップでは、後方からの積極的な攻撃参加を見せて、快進撃の主役の一人となった。広島時代のDF槙野のプレーとかぶってくるが、彼が低い位置から攻撃に参加してくると「厚み」が加わるので、要注意である。
■ MF本田圭佑の代役は誰になるか?攻撃陣に限定すると、日韓豪のアジア3強にも匹敵する力を持つので、日本としても注意が必要である。ただ、日本は、初戦で北朝鮮に1対0で勝利しているので、このアウェーゲームは引き分けでもOKである。
当然、アウェーで、勝ち点「3」を獲れると、その後の戦い方が楽になるが、力が劣ると思われるタジキスタンが同じグループに入ってきたので、もっとも難しい試合になると思われるウズベキスタンとのアウェーゲームは、リスクを冒す必要はない。
注目は「MF本田圭佑の代役は誰になるか?」という点である。怪我等のアクシデントが無い限り、スタメンのうちの10人(GK川島、DF内田、DF吉田、DF今野、DF駒野、MF遠藤、MF長谷部、MF岡崎、MF香川、FW李忠成)は決まりで、最後の一人をどうするかである。
■ 最有力はMF柏木か?最有力は、北朝鮮戦でも先発したMF柏木である。後半15分でMF清武と交代になったが、MF柏木の出来としては、十分とは言えないが、そんなに悪いものではなかった。当然、MF本田圭のいいとき(例えば、先日の韓国戦)と比べてしまうと、大きな差を感じてしまうが、Maxに近い試合と比べると、誰が入っても物足りなく感じてしまう。 (
vs 北朝鮮 選手採点&短コメント)
スタメン抜擢のタイミングとしても、悪くはなかった。もちろん、MF本田圭とMF中村憲の離脱という理由があったにせよ、浦和レッズでは、(若干、ポジションや役割は異なるが)、継続して、優れたプレーを見せており、「いい時期に、責任のある役割を与えて、成長を促す。」というのは、選手層を厚くする必要がある事情を考慮すると、悪くない。
この試合で、もっとも良かったプレーは、前半32分にカウンターから右サイドをドリブルで運んで、裏のFW李忠成に高精度のクロスを送って決定機を作ったシーンであるが、引いて守る北朝鮮戦(H)よりも、カウンターのチャンスがありそうなウズベキスタン(A)の方が、MF柏木の持ち味は出しやすい。ザッケローニ監督は、選手起用に関して慎重で、選手を信頼して続けてチャンスを与える方なので、2試合連続でのスタメン抜擢も十分に考えられる。
■ MF清武にもチャンスありMF柏木でないとすると、MF清武になるだろう。北朝鮮戦でも途中から出場してDF吉田のゴールをアシストしているが、韓国戦に続いて2試合連続のアシストとなって、結果も残している。MF清武を先発で起用すると、MF香川がトップ下で、MF岡崎が左サイドになるが、大きな問題はない。
また、MF香川をトップ下にする場合、MF原口を左サイドで起用することも考えられる。北朝鮮戦では、1対1になたとき、ドリブルで突破する選手がおらず、攻撃が手詰まりになる時間帯があった。Aマッチでの出場経験が無いので、スタメン起用は考えにくいが、ビハインドになったときに「MF原口の投入」というのは、もっとも考えられる交代策である。
いずれにしろ、MF本田圭はしばらく起用できないので、代役を見つける必要があるが、MF本田圭と同じレベルのプレーが出来る選手は、世界中を探してもほとんどおらず、Aマッチの経験の無い選手とずっとこのチームで中心としてプレーしてきたMF本田圭を比べて、「駄目だ。使えない。」と結論付けても「建設的」とは言えない。
MF柏木になるのか、MF清武になるのか、MF原口になるのか、MF乾になるのか、MF家長になるのか、それは分からないが、ウズベキスタン戦、ベトナム戦、タジキスタン戦の3試合で、MF本田圭の代役という立場にとどまらず、彼が戻ってきても、ザッケローニ監督がスタメン起用で迷うようくらいのインパクトを残す選手が出てくることを期待したい。
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