■ 3位決定戦アジアカップの3位決定戦は韓国とウズベキスタンの対戦。韓国は準決勝で日本にPK戦の末に敗退し、51年ぶりのアジア制覇はならなかった。一方のウズベキスタンはオーストラリアに0対6で大敗し、3位決定戦に回った。
韓国は<4-3-2-1>。GKチョン・ソンリョン。DFチャ・ドゥリ、ファン・ジェウォン、イ・ジョンス、イ・ヨンピョ。MFホン・ジョンホ、キ・ソンヨン、イ・ヨンレ、イ・チョンヨン、ク・ジャチョル。FWチ・ドンウォン。DFイ・ジョンスがスタメンに復帰。MFク・ジャチョルはここまで4ゴールを挙げており得点ランキングトップタイ。MFパク・チソンはベンチ入りもしなかった。
対するウズベキスタンはオーストラリア戦で出場できなかったFWゲインリッヒがスタメンに復帰してきた。
■ 韓国が逃げ切る試合の序盤はウズベキスタンがボールを支配して攻め込んだが、前半17分に韓国が先制。ウズベキスタンが攻め込んでからカウンターで、MFイ・ヨンレがドリブルで運んで左足でラストパス。MFク・ジャチョルが裏のスペースに抜け出すとGKとの1対1を確実に決めて先制する。さらに前半28分と前半33分にFWチ・ドンウォンが決めて3対0とリードを広げる。ウズベキスタンは前半終了間際にFWゲインリッヒのPKで1点を返し、3対1の韓国リードで前半を終了する。
後半は一転してウズベキスタンのペース。FWゲインリッヒを中心に仕掛けると、後半8分にそのFWゲインリッヒが個人技からシュートを決めて1点差に迫る。その後、韓国はDFカク・テヒを投入し、5バック気味の布陣で対応。なんとか逃げ切って3対2で勝利。3位となって2014年大会のアジアカップの出場権を獲得した。一方のウズベキスタンは過去成功の4位という結果でアジアカップを終えることになった。
■ 韓国が3位アジアカップ出場権がかかる3位決定戦を制した韓国が3位になった。これで韓国は2大会連続で3位となった。
前半の途中で3点リードを奪った時は「韓国が圧勝する。」と誰もが思ったことだろうが、その後、ウズベキスタンが2点を返し、思わぬ接戦となった。延長戦となった日本戦から中2日の韓国は、後半になると完全に足が止まってしまい、防戦一方。5バックあるいは6バックのような超守備的な陣形になりながらも、何とかリードを守った。
先日の日韓戦の日本は、延長戦の前半にPKで勝ち越すと、最後の15分間はDF伊野波を投入し5バック気味の布陣に変更して対応しようとしたが、この日の韓国はもっと長くて、後半15分過ぎからディフェンシブに戦わざる得ない展開となった。
MFク・ジャチョルとMFイ・チョンヨンという中盤の選手を早い時間に交代させていたこともあって、後半の途中から中盤から前線にかけて運動量がなくなってしまった。当然、ディフェンスの枚数を多くしてところでリードを守り切れるわけでもなく、結果として成功するときも、失敗するときもある。この日の韓国は追いつかれなかったので成功したといえるが、紙一重の危ない戦い方だった。
■ ウズべクは4位一方、自分たちのサッカーが出来ていた時間は韓国よりも長かったウズベキスタンであるが、前半の3失点が響いてウズベキスタンは4位に終わった。
準決勝のオーストラリア戦でも連続失点を喫してしまったが、ウズベキスタンのサッカーは波があって、自分たちのペースで試合を進めることが出来れば見事なサッカーを見せるが、少しペースが狂うと途端に相手に攻め込まれて失点を喫してしまう。失点することでDFラインの選手が積極的に攻撃に参加するようになるので、さらに失点を重ねるという悪循環が生まれている。結果、取り返しのつかない点差になってしまうという試合が2つ続いてしまった。
メンタル的にも、それほど強い選手がいないのようで、失点すると、ガクッと来る選手も多いように感じる。志向するサッカーは面白いだけに、もう少し、リアリスティックな部分を注入できると、今後、日本や韓国、オーストラリアにとっても、嫌な相手となるのではないだろうか。
■ ゲインリッヒが2ゴールウズベキスタンで奮闘したのがFWゲインリッヒ。前半にPKを決めると、後半8分にはドリブルから左足でシュートを決めて2ゴール。一人で韓国ゴールをこじ開ける見事なゴールであった。FWゲインリッヒは準々決勝のヨルダン戦で負傷してオーストラリア戦は出場できなかったが、FWゲインリッヒが出場していれば、もっとオーストラリアを苦しめることが出来ただろう。
今大会で過去最高の4位に入ったウズベキスタンであるが、期待されたベテランのFWシャルキフが不振。オーストラリア戦では先発したが見せ場無く交代し、韓国戦では出番がなかった。一時代を築いたFWシャツキフであるが、パスを回して攻め込むウズベキスタンのサッカーにマッチしておらず、ピッチをさまよう姿が多く見られた。FWバカーエフがヨルダン戦で2ゴールを決めてヒーローになったが、FWゲインリッヒと組んで相手に脅威を与えられるストライカーの出現が待たれるところである。
■ パク・チソンは代表引退大会前から報道されていたように韓国のMFパク・チソンはこの試合をもって代表を引退し、クラブでのプレーに専念することが明らかになった。2002年、2006年、2010年と3つの大会で主力としてプレーし、イングランドのマンチェスター・ユナイテッドでプレーする軸がいなくなることで、韓国代表は一時代が終了したといえる。
ちょうど代表では100試合となったのが先日の日韓戦だったことも何かの縁だろうか。Jリーグの京都サンガでプレーし、世界レベルの選手に育っていったMFパク・チソンは流暢な日本語も話し、韓国人でありながら日本のサッカーファンにも愛された特別な存在である。
MFク・ジャチョル、FWチ・ドンウォンといった選手が台頭してきたが、Mfパク・チソンの存在間は別格であり、韓国はその穴を埋めようとするだろうが、それは簡単なことではない。日本は幸いにして、MF本田圭、MF香川といった次の世代の選手が育ってきてチームの軸になってきたが、韓国は北京世代に著しく人材を欠いていることもあって、「2002年W杯を経験している選手(MFパク・チソンとDFイ・ヨンピョとDFチャ・ドゥリ)と20歳前後の若手」というメンバー構成になっており、かなりいびつである。
MFパク・チソン不在の韓国は果たしてどうなるのだろうか?未来の代表復帰の可能性については強く否定することはなかったようであるが・・・。
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