■ トーゴ戦キリンチャレンジの2試合目はアフリカのトーゴ。ドイツW杯で初出場したトーゴであるが、南アフリカ行きの切符は逃したばかり。結局、FWアデバヨールは来日せず。トーゴのコンディションとモチベーションが心配される。
日本は<4-2-2-2>。GK川島。DF徳永、闘莉王、中澤、長友。MF遠藤、長谷部、中村俊、中村憲。FW森本、岡崎。カターニャのFW森本が初スタメン。FC東京のDF徳永も初スタメン。MF大久保がスタメン落ち。
■ 岡崎がハットトリック前半5分に日本が先制。左サイドでボールを持ったMF遠藤のアーリークロスをFW森本がニアでつぶれて裏に走り込んだFW岡崎が流し込んで先制。さらに、前半8分にも右サイドのMF中村憲のグラウンダーのクロスをニアサイドに入り込んだFW岡崎が決めて2点目。
完全に試合の主導権を握った日本は、前半11分にも左サイドバックのDF長友が中央のFW森本にパスを送ると、FW森本相手DFをブロックしてシュートコースを作って右足でゲット。FW森本の代表初ゴールで3点目を挙げる。前半は3対0で終了。
後半開始からFW森本、MF遠藤、DF徳永の3人に代えて、FW大久保、MF本田、DF内田を投入。後半20分には右サイドのスローインからMF長谷部のクロスをFW岡崎が頭で決めてハットトリック達成。後半40分にもMF石川のチャンスメイクからMF本田が左足で決めて5点目。
結局、日本が5対0で勝利した。
■ 物足りないトーゴアフリカ予選敗退が決定したばかりと最悪のモチベーションだったトーゴは立ち上がりから動きが悪く、開始11分で3失点。試合が進むにつれて、形を見せるようになったが、物足りない相手であったことは間違いない。
ただ、この時期のマッチメイクは非常に難しい。モチベーションが高く、コンディションもいいチームを欧州やアフリカや南米から日本に連れてくるのは不可能に近い。となると、時差もほとんどなく、モチベーション高く日本に挑んでくる韓国や中国といった近隣国との対戦も考えられるが、これらのチームを相手にするのはいろいろな意味でリスクが大きい。
■ 2試合連続のハットトリック清水エスパルスのFW岡崎が香港戦に続いてハットトリックの活躍。同じようにゴール前で待っているはずなのに、何故か、FW岡崎のところにボールを回って、FW岡崎がきっちりとゴールを決める。FW岡崎のゴールはもう代表では見慣れたものになった。
確かに、格下相手のゴールは多いが、それでも、代表戦でこれだけの結果を残したストライカーはKAZU以来であり、これだけゴールを量産していると日本代表のエースとしての風格も出てくる。2トップの一角はFW岡崎で決まりか。
■ 森本が代表で初ゴールそのFW岡崎と2トップを組んだのがカターニャのFW森本。トーゴ代表のモチベーションが低かったため割引いて考える必要もあるが、いきなり前半11分に日本代表として初ゴールを記録。スコットランド戦でも見せたペナルティエリア内での強さを見せた。
徹底してニアサイドを狙う戦術が浸透してきた日本代表にとって、ニアサイドで勝負できるストライカーは必要不可欠であるが、FW岡崎に加えてFW森本が台頭してくると非常に面白い。前半5分のFW岡崎の先制ゴールはその典型であったが、常にゴールを意識してプレーするストライカーが2枚いると、攻撃に迫力が生まれる。
後半はFW森本に代わってFW大久保が入って、FW大久保の広範囲な動きでパスは回るようになったが、ゴール前の迫力は失われてしまった。
■ ニアサイドへの意識香港戦の前の合宿中から徹底されていたというニアサイドへのクロスから3ゴールが生まれた。アーリークロスを送ったのが、サイドバックの選手ではなく、MF遠藤とMF中村憲とMF長谷部だったこともポイントで、いいタイミングで精度の高いボールがフォワードの前に入って来た。
MF中村憲、MF中村俊、MF遠藤、MF長谷部というタレントを集めた岡田ジャパンの中盤は、ボール回しに秀でていてボールは良く回るようになったが、ゴールを奪うという目的が希薄になるシーンが多かったが、日本でもトップクラスのパスセンスを持つ彼らが、ラストパスの出せる位置に意識してポジションを取ることでゴールをお膳立てするという新たなパターンが確立されつつある。
■ 石川は切り札になるか?5点目をお膳立てしたのはFC東京のMF石川直宏。MF今野のスルーパスを受けて左サイドを駆け上がって早いクロスをゴール前に送ってFW大久保のシュートを演出し、そのこぼれ球をフリーになっていたMF本田が押し込んだ。
リーグ2位の14ゴールを挙げているMF石川がゴールにつながりそうなシュートを放つことはなかったが、1人で打開できるスピードは魅力的。ワールドカップのメンバーは23人のみのため、ポジションバランスを考えても、攻撃のジョーカー役は選ばれても1人か2人。現時点では、ライバルはFW佐藤寿やMF松井、FW大久保といった選手となるが、1つアピールに成功した。
■ 地元に凱旋した今野相手のレベルやモチベーションの問題もあるので、なかなか評価しにくい試合になってしまったが、この試合で、一番、アピール出来たのは後半24分にMF中村憲に変わってピッチに入ったMF今野ではないだろうか。試合をクローズする役割でピッチに投入されたはずであるが、次々と前線に生きたパスを供給してチャンスを演出してみせた。
MF今野は地元の仙台市出身。高校卒業後にコンサドーレ札幌に入団することになるが、札幌に入団するに当たって、Wikipediaには次のようなエピソードが書かれている。
東北高校在学時に国体、全国選手権への出場を経験。ナショナルトレセンやユース代表候補合宿への参加もあったが、プロチームの強い興味の対象とはならなかった。卒業後はソニー仙台への加入が内定していたが、当時J1だったコンサドーレ札幌の練習に参加して岡田武史監督の注目するところとなり、同クラブと契約。この練習参加の経緯として、今野の才能が埋もれる事を惜しんだソニー仙台の関係者が「1人のサッカー人として」懇意であるコンサドーレ札幌の関係者に今野を紹介した、という美談が伝えられている。札幌への入団が内定した後の三年冬の選手権ではベスト8に進出、この時の高いパフォーマンスがサッカー協会の目にも止まった。
とにかく、地元でのプレーということで、いつも以上に積極的で、いつも以上に攻撃的で、20分程度のプレーj間だったが、ハイパフォーマンスを見せた。FC東京ではMF米本が台頭してきたことで、今シーズンは、ほぼセンターバックでプレー。FC東京の城福監督は、『今の今野のCBは代表でも十分通用する』と称賛するが、やはり、本職はボランチ。チーム事情なので仕方がないが、ボランチで勝負したいという気持ちもあるのではないか。久々のボランチでのプレーで、そういった鬱憤も張らせたのではないだろうか。
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