■ アジアカップ予選アジアカップ予選の香港戦。キリンカップチャレンジのスコットランド戦、トーゴ戦と続く3連戦のスタートとなる。会場は清水エスパルスのホームスタジアムである日本平となった。台風の影響が心配されたが、無事、予定通りの開催となった。
日本は<4-2-2-2>。GK西川。DF駒野、闘莉王、中澤、長友。MF遠藤、長谷部、中村俊、大久保。FW玉田、岡崎。大分トリニータのGK西川が日本代表デビュー。MF松井、DF徳永、FW佐藤寿、GK川島、DF今野、MF稲本、MF本田圭がベンチ入り。
10月7日にJリーグの試合を戦ったばかりのDF内田とMF中村憲はベンチ外。注目の新戦力として期待されるFW森本、MF石川もベンチ外となった。
■ 怒涛の6ゴール 試合は中盤のポゼッション力で優る日本が圧倒する。
立ち上がりから何度も香港ゴールを脅かすと、前半18分にMF長谷部のスルーパスからFW岡崎が決めて先制。FW岡崎はAマッチ通算で9ゴール目。さらに、前半29分にも左サイドのDF長友がカットインから強烈なミドルシュートを突き刺して2点目。前半は2点リードを奪った。
勢いの止まらない日本は、後半6分にショートコーナーからMF大久保のクロスをDF中澤がヘディングで決めて3点目。さらに、後半22分にもDF闘莉王がコーナーキックから追加点を挙げる。その後も、後半30分と後半32分にFW岡崎が加点。FW岡崎はハットトリックの活躍。
結局、6対0で日本が勝利し、アジアカップ本大会に近づいた。
■ 対香港の意味アジアカップ予選で格下の香港相手とはいえ大事な公式戦。ということもあってか、岡田監督はいつものメンバーをスタメンで起用してきた。事前の合宿中から、FW森本やMF石川といった新戦力が注目されたため、やや拍子抜けのスタメンとベンチメンバーとなったが、いつものメンバーが力を発揮した。
決して守備の弱いチームではないはずの香港を相手に6ゴールを記録。MF長谷部とMF遠藤のダブルボランチからバイタルエリアに生きたパスが供給され続けて、日本代表戦としては久々のゴールラッシュで香港代表を一掃した。
欧州遠征では課題として浮き彫りになった相手のカウンターへの対応等の守備陣のチェックという部分では、相手チームがほとんど攻めることができなかったのでよく分からなかったが、攻撃では、ゴール前のアイディアが豊富でいい形で崩す場面が多かった。
国際Aマッチで、強豪国との対戦が続くことも経験値を積むためには貴重であるが、この日のように、適度な相手と戦うと、攻撃のイメージトレーニングが出来るという点で利点がある。ワールドカップの本番では香港レベルの相手との対戦はないが、たまに、こういう相手と戦う舞台が用意されると、それはそれでいい経験となる。
■ 地元でハットトリックの岡崎慎司地元の日本平でハットトリックを記録したFW岡崎慎司。これで日本代表として18試合で11ゴール。抜群の勝負強さを見せている。
ハードワークをこなしつつも、得点力を維持できている点が魅力で、決定的なチャンスの全てを決めているわけではないが、とにかく動き回って、ゴール前でいいタイミングでボールを受けることが出来るので、たくさんのチャンスが巡ってくる。
エースストライカーに恥じない結果を残したFW岡崎は、地元での代表戦という最高のステージで最高の結果を記録。クラブでは輝きを見せるものの代表戦になると今一つになる、というのが多くの選手に見られる傾向であるが、FW岡崎の場合は違う。
■ 久々の中村俊輔欧州遠征ではMF本田圭佑とのポジション争いが注目されたMF中村俊輔。
2002年秋のジーコジャパン結成当時から不動の10番であり、彼のスタメンの座が脅かされることはなかったが、ここに来て、最大のピンチを迎えている。スペインリーグに移籍したものの、まだチームにフィットしきれておらず、目立った活躍はない。
オランダリーグで5得点を挙げているMF本田の起用を推す声は日に日に高まっているが、先の欧州遠征のガーナ戦から明らかにプレーが積極的になっていて、この日は相手のマークが緩かったとはいえ、多くのチャンスに絡んだ。
口には出さないものの、MF本田の存在が相当の刺激になっているのだろう。チームバランスを考えると、MF中村俊とMF本田の共存は難しく、2者択一になる可能性が高いが、大きなアピールとなった。もちろん、香港レベルの相手であればこのくらい出来るのは分かり切ったことであるが、ここ最近のプレーぶりは彼独特の感覚が錆びついていたような感じもあったので、久々にらしいプレーが多かった。
■ 久々の松井大輔コンディションが万全ではないという理由もあって、移籍先のグルノーブルでも出場機会は増えていないMF松井は久々に代表でプレー。岡田ジャパン発足当時から主力の一員としてプレーしているが、MF本田らの登場で立場は厳しくなってきている。
この日はFW玉田の怪我で前半途中からピッチに登場。悪い出来ではなかったが、他の選手の出来が良かっただけに埋没した形になった。後半早々のゴール前のドフリーのチャンスを逃したのも彼らしくはなかった。
とにかくポジション争いは激化していて、スタメンの座はもちろん、サブとしても危ない位置にいるのは誰もが感じているところ。今後の親善試合の数は限られていて、多くのチャンスは与えられないだろうから、この3連戦は、ラストチャンスのつもりで戦っていかないとワールドカップ出場は苦しくなる。
■ 左サイドを制圧する長友2点目のゴールを叩き込んだDF長友のパフォーマンスはこの試合も突き抜けていた。FC東京でのプレーもそうであるが、ここ3ヶ月ほどのDF長友のプレーは驚異的なほど高いレベルで安定している。
この日は縦への突破は少なかったが、得意の形になりつつあるカットインからのミドルシュートでゴール。かつては課題とされたビルドアップでも全くミスはなく、この日も最後まで運動量は落ちなかった。
右サイドはDF内田、DF駒野に加えて、DF徳永が代表デビュー。にわかに激戦区となって来たが、「左サイドバックはDF長友で2014年までは安泰ではないか。」と思わせる充実ぶり。逆に、同レベルのバックアッパーを探す作業がとてつもなく困難なものに感じられるようになった。
■ 代表デビューの徳永そのDF長友のチームメイトであるDF徳永がA代表デビュー。後半15分から30分間プレーし、4点目のDF闘莉王のゴールに絡んで、さらには5点目のFW岡崎のゴールをアシストした。代表デビューとしては十分過ぎるほどの試合となった。
以前から、岡田監督の評価が非常に高かったDF徳永だが、DF内田が使えないということもあってベンチ入りを果たし、先発したDF駒野のプレーも悪くはなかったが、最後のクロスが合わない場面が目立ち始めていた。3点リードという楽な展開もあって、DF徳永が登場。代表デビューのシチュエーションも幸運だった。
5点目のアシストが綺麗な弾道で見事だったのは間違いないが、それよりもDF闘莉王のゴールにつながった4点目のシーンを高評価したい。一度は守備のためコーナーキックには参加せずに自軍に戻ろうとしたが、戻らずにMF中村俊輔のキックに飛びこんで見事につぶれた。
DF内田にしても、DF加地にしても、DF駒野にしても空中戦は強くないため、セットプレーではバックすることが多いが、179cmで屈強なDF徳永はリーグでセットプレーからゴールを挙げている訳ではないが、小さい選手の多い岡田ジャパンの中では、貴重な空中戦の駒となる。
■ アピール出来なかった西川周作同じく代表デビュー戦となったGK西川だが、相手の枠内シュートもなく、全く見せ場はなかったのでアピールすることは出来なかった。ゴールキーパーの場合、相手があまり強くない場合はアピールするのは非常に難しいので仕方がない。
日本代表のGKのポジションはケガ人が続出しておりチャンスであるが、GK西川の場合は、アンラッキーだったともいえる。地道にクラブでアピールしていくのが道である。能力が高いのは明らかであるので、チャンスはまだまだあるだろう。
■ 久々の佐藤寿人待望論の出ていたFW佐藤寿人も約1年ぶりの代表戦となった。後半30分にMF大久保に代わって登場。何度かゴール前でチャンスをつかみ、絶妙のタイミングでボールを受けてネットを揺らすシーンもあったがオフサイド判定でノーゴール。切望していたゴールはならなかった。
比較的、似たタイプでゴール前で仕事をするストライカーのFW森本の代表入りで、こちらもポジション争いは激しい。1人でゴールを奪うタイプではなく、味方のパスを受けてゴールにねじ込むタイプのストライカーなので、コンビネーションが合わないと難しい面もあるが、少ないチャンスをものにしていかないと、立場は苦しくなる。
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