■ 10月10日にジャマイカ戦アギーレ監督になって3戦目となるジャマイカ戦は10月10日(金)に新潟市にあるデンカビッグスワンスタジアムで行われる。その後、10月14日(火)に中立地となるシンガポールでブラジル代表と対戦するが、9月の2連戦は0勝1敗1分けに終わったアギーレジャパンとすると、まずはホームでジャマイカに勝利して落ち着きたいところである。
最初のメンバー発表の時点では9月の2連戦から8人が入れ替わった。広島のFW皆川、鳥栖DF坂井など大抜擢された選手は召集外となって、新たに川崎FのFW小林悠や広島のDF塩谷らが招集されたが、その後、サウサンプトンのDF吉田と鹿島のDF昌子が怪我で代表を辞退して名古屋のMF田口と柏のDF鈴木大が追加招集された。
もっとも注目を集めるのはブラジルW杯以来の代表復帰となるドルトムントのMF香川だと思われるが、ポジション争いで気になるのはアンカーである。アギーレ監督は「4-1-2-3」を採用しており、今回も同じシステムを用いるのではないかと考えられるが、攻守両面で中心とならなければいけないポジションなので、大事なポジションである。
■ 第一候補はFC東京の森重真人9月の2連戦(=ウルグアイ戦とベネズエラ戦)ではFC東京のMF森重がアンカーの位置で起用された。2010年にFC東京に移籍してからはCBでプレーすることがほとんどであるが、大分のときはボランチでプレーすることも多かったので、初めてのポジションというわけではなかった。それもあって2試合とも出来としてはまずまずだった。
アンカーの位置にMF森重のような高さのある選手がいると最終ラインの負担は軽減される。ザックジャパンのときは「4-2-3-1」がメインだったが、強豪国を相手にしたときはWボランチのところでフィルターがかからなくてCBのDF吉田とDF今野の2人に大きな負担がかかったが、CBの選手はちょっと楽にプレーできるようになるだろう。
当然、MF森重という選手はアンカーの適性を持った有力選手の1人だと言えるが、クラブチームではCBでプレーしている選手をコンバートすることになった事に関しては苦しさも感じる。また、MF森重はCBのレギュラー候補でもあるので、他にアンカーをこなせる選手を見出すことがアギーレジャパンの当面の大きなテーマになってくる。
■ そのほかのアンカー候補は・・・。9月の2連戦のときはボランチのポジションでは、フランクフルトのMF長谷部、鹿島のMF柴崎岳、C大阪のMF扇原、ヘルタ・ベルリンのMF細貝の4人が選ばれたが、その中で敢えてMF森重をコンバートしてアンカーで起用したということはアギーレ監督が「そういうタイプの選手をアンカーで起用したいと考えているから。」と推測できる。
もちろん、MF長谷部やMF柴崎岳の2人についてはアンカーの位置でもプレー可能と思われるが、場合によってはCBの仕事も求められることや中盤の底でバランスを取る仕事を黙々とこなすことが期待されることを考慮すると、彼らをアンカーの位置で起用するのはあまり得策とは言えない。特徴を出せるのはインサイドハーフの方である。
一方、MF扇原についてサイズがあって、展開力もあるので、今後、アンカー候補の1人としてテストされる可能性は高いと言える。また、MF細貝に関しては9月の2連戦のときはインサイドハーフとして起用されたが、所属のヘルタ・ベルリンではアンカーの位置でプレー機会が多くなっている。彼もアンカーの有力候補と言える。
MF細貝は異なるタイプと言えるが、MF森重やMF扇原のように「ある程度のサイズがあってセンターバックでもプレーできるアンカー候補」というと、他にはFC東京のMF高橋秀、湘南のMF遠藤航の2人の名前を挙げることができる。MF高橋秀はFC東京ではこのポジションでプレーすることが多いが、アンカーとして適性は高い。
MF遠藤航は9月のアジア大会のときにアンカーの位置でプレーすることが多かった。湘南では右ストッパーでプレーしているので、中盤でプレーするのは不慣れと言えるが、まずまずの出来だった。今後、五輪代表のアンカーとして実績を積み上げることができたら、フル代表でもアンカーとして試される可能性は十分に考えられる。
南アフリカW杯のときにアンカーの位置でプレーした浦和のMF阿部勇はアンカー適性の高い選手と言えるが、33歳という年齢はネックとなる。また、ザックジャパンのときはCBでプレーしたMF今野は所属のG大阪ではボランチでプレーすることが多くなっているが、今後、アンカー候補として日本代表に復帰する可能性はあるだろう。
■ 注目は初代表となる名古屋の田口泰士MF細貝のようなタイプのアンカーの候補として名前を挙げることができるのはC大阪のMF山口蛍である。8月のFC東京戦(H)で怪我をして長期離脱中。「今シーズン絶望」と報じられているのでアギーレジャパンには呼ばれていないが、怪我がなければ招集されていた可能性の高い選手で、彼もアンカーのレギュラー候補の1人と言える。
10月の2連戦でアギーレジャパンに招集された選手の中では、広島のDF塩谷もアンカーの適性を持った選手と言えるのではないかと思うが、やはり、追加招集された名古屋のMF田口である。ストイコビッチ監督が指揮していたときは「4-1-2-3」を採用することが多くて、MF田口がアンカーの位置で起用されるケースも多かった。
近年、「4-1-2-3」をメインで戦ってきたJリーグのチームは少ないので、必然的にアンカーでプレーした経験のある選手も少なくなる。MF森重タイプのアンカーでもなくて、MF細貝タイプのアンカーでもなくて、底の位置からゲームを組み立てることのできる選手なので、「新たなタイプのアンカーをアギーレ監督は召集した。」と言える。
174センチとサイズには恵まれておらず、また、MF細貝やMF山口蛍のようにハードな守備が持ち味という選手でにないが、バランス感覚に優れた選手なので、名古屋ではアンカーの位置をうまくこなしていた。初代表となるので出場機会を得るだけでも大変と言えるが、アギーレ監督にアピールしてチャンスをつかみたいところである。
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