■ 第5節W杯4大会連続出場を目指す日本代表はここまで2勝1分け1敗でグループ2の2位。アウェーのタイ戦で勝つか引き分ければ、バーレーン対オマーンの結果次第で、最終予選進出が決まる。
日本はFW大久保が出場停止。MF香川がA代表初先発。GK楢崎正剛。DF内田篤人、中澤佑二田中マルクス闘莉王、駒野友一。MF中村俊輔、遠藤保仁、松井大輔、長谷部誠、香川真司。FW玉田圭司。
■ セットプレーから2ゴール日本は立ち上がりのすぐに、中央からドリブルで切れ込んだMF長谷部が決定的なチャンスを作るなど優勢に進める。
先制点は前半23分。左CKの流れからMF遠藤のクロスをDF闘莉王がファーサイドでヘディングで決めて先制。さらに前半39分にも、MF遠藤のキックからDF中澤がヘディングで決めて先制。センターバックコンビの2ゴールで日本が2点リードで折り返した。
後半は疲労もあってやや失速したが、後半43分にMF中村憲がダメ押しのゴール。結局、3対0で勝利した。
■ 積極的な仕掛けからのセットプレー日本は、出場停止のFW大久保の代役として19歳のMF香川を起用。1トップのFW玉田の下に、MF中村俊、MF香川、MF松井の3枚を並べて、さらにMF遠藤とMF長谷部をダブルボランチに置く攻撃的な布陣。
この布陣では、なかなか1トップのFW玉田にボールが入らずに、トップと中盤が連携して崩すシーンは少なかったが、それでもMF松井やMF香川の個人技からセットプレーのチャンスを獲得するシーンを再三、作って、そのうちの2度をゴールに結びつけた。
■ 田中マルクス闘莉王の価値日本の先制ゴールを奪ったのは、DF闘莉王。意外にもA代表では通算3ゴール目と控えめではあるが、貴重な先制ゴールを得意のヘディングシュートで奪った。フォワード陣に誤算が続く中で、このゴールは非常に大きかった。
DF闘莉王は185cmということでディフェンダーとしては並外れて大きいというわけではないが、打点の高さと当たりの強さは脅威である。本来は守備的なポジションの選手であるが、それにもかかわらず、得点感覚には並外れたものがある。
今シーズンは、序盤は怪我に苦しんだが、彼が戦列に復帰してから浦和がリーグ戦で息を吹き返し、その反面、DF闘莉王がいないナビスコカップでは6試合未勝利に終わったという結果を見ればわかるように、その存在感はチームでも絶大である。
時にプレーがダーティーになりがちということもあって、そのスタイルには賛否両論あるが、やはりクラブでも代表でも頼りになる存在である。
■ 「守」から「攻」の切り替え岡田ジャパンになってから約半年が経過したが、「攻」から「守」への切り替えの早さは、試合を重ねるごとに熟成を見せている。この試合では、MF松井やMF香川といった攻撃的なポジションの選手も全くサボることなく守備に取り組み、タイ代表に攻撃の芽を与えなかった。
課題はその反対で、今後は、「守」から「攻」への早さを向上させなければならないだろう。EURO2008を見ていればわかるように、欧州の強豪国はカウンターアタックが大きな武器になっていて、カウンターの精度が試合の行方を大きく左右する。
日本代表には、FW玉田、FW大久保、MF香川らスピードのあるアタッカーも多く、トレーニングを重ねていければ十分に日本もカウンターを武器にすることができるだろう。
◆ 日本代表:採点 GK:楢崎正剛 6.0
→ 大きなピンチはわずかだったが、安定したプレーで無失点完封。
DF:内田篤人 5.5
→ 左サイドのDF駒野の位置が高めだったため、攻撃参加は控えめ。
DF:中澤佑二 6.5
→ 貴重な追加点。ミスは一度だけ。
DF:田中マルクス闘莉王 6.5
→ 圧倒的な高さから先制ゴール。守備でも集中力を維持。
DF:駒野友一 6.0
→ ここ最近では一番、出来が良かった。
MF:遠藤保仁 6.5
→ 高精度のクロスで2アシスト。ボールタッチは少なめ。
MF:長谷部誠 6.0
→ 運動量豊富に動き回ったが、やや精度を欠いた。
MF:松井大輔 5.5
→ 前半は左サイドバックの駒野をうまく生かしたが、足を攣って交代。
MF:中村俊輔 5.5
→ 怪我の影響もあって抑え気味のプレー。
MF:香川真司 6.0
→ トップ下でプレー。攻守に貢献もシュート精度を欠いた。
FW:玉田圭司 6.0
→ 慣れない1トップでプレー。やや役割が中途半端だったがドリブルでチャンスメークも。
FW:矢野貴章 6.0
→ 思い切りのいい仕掛けもあった。
MF:中村憲剛 6.5
→ 積極的な飛び出しでチャンスメーク。3点目のゴール。
FW:今野康幸 -
→ クローザーで登場。
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