■ オランダ戦国際親善試合のオランダ戦。6月に南アフリカワールドカップ出場を決めて、オランダ、ガーナという強国と2連戦。オランダのFIFAランクは3位。対する日本は40位。オランダ代表とA代表が戦うのは初めてである。
日本は<4-2-3-1>。GK川島。DF内田、闘莉王、中澤、長友。MF遠藤、長谷部、中村俊、中村憲、岡崎。FW玉田。怪我のGK楢崎を除くと、アジア予選で主力だったメンバーがスタメンに名を連ねた。オランダリーグで活躍中のMF本田圭はベンチスタート。
■ 後半に3失点試合の前半は日本ペースで進む。前線からの守備が効果的で、中盤で何度もボールをインターセプト。オランダの調子が上がらないうちに試合の主導権を握った。
しかし、日本は、カウンターの精度が低く、決定的なシュートには結び付けられず。シュート数で日本はオランダを上回りながら0対0で終了。オランダは前半40分過ぎから、ようやく本来のパス回しを見せ始めるが、ホームサポーターからのブーイングの中で前半を終えた。
後半も日本ペースで進むが、後半23分にセットプレーから左サイドに展開されると、折り返しを胸トラップしたFWファン・ペルシーに左足ボレーで決められて先制を許す。これで集中力の切れた日本は、さらに、後半28分にMFスナイデルに得意のコントロールミドルを決められて2失点目。
さらに後半42分にも、途中出場のFWフンテラールにも決められて3失点。結局、役者がゴールを決めたオランダが3対0で勝利を飾った。
■ 0対3という結果終わってみれば0対3というスコアに終わったが、後半半ばまではむしろ日本ペース。モチベーションに違いがあったとはいえ、世界トップクラスのオランダ相手に日本がアウェーで押し込む展開になるとは予想外であった。
ただ、やはりゴールが遠かった。前半に何度かチャンスになりかけたシーンはあったが、決定的なチャンスと呼べるようなシーンはほとんどなく、結局は、順当な結果とスコアに終わってしまった。
失点シーンまではいい戦いをしていただけに余計に、1失点目で選手たちの集中と体力が切れてしまった。これは仕方がないとはいえ、残念だった。2001年のサンドニでのフランス戦のようなショッキング療法を望むような雰囲気もあったからなのか、岡田監督は明らかに動きの落ちた中盤の選手を交代させることはなく、必死の選手交代でオランダに傾きかけた流れを引き戻そうとはしなかった。
結果的には采配ミスであるが、それも1つのやり方。もしかしたら、次のガーナ戦から劇的なメンバーチェンジやシステムチェンジがあるのかもしれない。
■ いったい誰が点を取るのか?結局のところ、世界を相手にしたときに、どのように点を取るのかという問題は解決していない。プレッシングが機能し、中盤の運動量が落ちるまではチームとして120%のモチベーションで戦っていくことが出来れば、オランダのようなチームにも対等に戦えそうだということは、新たにつかんだ大きな収穫である。が、90分間、そのサッカーを貫くことは難しく、運動量が落ちるまでに時間に先制ゴールを奪って有利な展開にしなければならないが、ゴールを奪えないということが大きな問題である。
これは、「KAZU以後」のいつの日本代表にも当てはまることであるが、誰がどのように点を取るのかは、はっきりとはしない。MF岡崎はJリーグでも好調で日本トップクラスのストライカーに成長したことは間違いないが、それがイコール世界レベルでもゴールを重ねられるかと言ったら別である。
それは、MF本田なのか、FW森本なのか、FW前田なのか、MF石川なのか、FW平山なのか、MF柏木なのか、それは分からないが、今のスタメンではなかなか点を取るのは厳しい。もし、前半のいい時間に先制ゴールが生まれていれば、試合展開は大きく違ったはずであるが、0対0で試合が進む限り、絶対的な守備力を持たない日本は厳しくなる。
■ 本田圭佑は不発先発出場も予想されていたMF本田はベンチスタート。後半開始からFW玉田に代わってピッチにはいあったが、ミスも多くて、見せ場を作ることが出来なかった。
試合前から、MF中村俊輔とピッチ上で共存出来るのかが注目されたが、二人の連携もいまひとつ。MF本田だけの責任ではないが、結果的には、MF本田が投入された後半に3失点とアピールは出来なかった。
[岡田ジャパン(観戦記)]0914 2008/01/26
【日本×チリ】 期待と不安のスタート 0919 2008/01/30
【日本×ボスニア・ヘルツェゴビナ】 山瀬功治の2ゴール0927 2008/02/06
【日本×タイ】 あぶなげないスタート 0945 2008/02/20
【日本×中国】 FAIR PLAY PLEASE !0995 2008/03/27
【バーレーン×日本】 岡田ジャパンの限界 1074 2008/05/25
【日本×コートジボワール】 存在感を示す長友佑都 1077 2008/05/28
【日本×パラグアイ】 岡田流って何なのさ? 1084 2008/06/03
【日本×オマーン】 中村俊輔の存在感 1088 2008/06/08
【オマーン×日本】 大きな進化を見せる玉田圭司 1093 2008/06/14
【日本×タイ】 田中マルクス闘莉王の価値 1106 2008/06/22
【日本×バーレーン】 浮き彫りになった課題1245 2008/11/20
【日本×カタール】 日本代表の核になりつつある長谷部誠 1314 2009/01/20
【日本×イエメン】 ボランチ青木剛の貢献度 1324 2009/02/04
【日本×フィンランド】 いぶし銀のボランチ橋本英郎 1332 2009/02/11
【日本×オーストラリア】 俊輔と決別する時 1604 2009/03/28
【日本×バーレーン】 俊輔の左足が炸裂 1668 2009/05/27
【日本×チリ】 本田圭佑が見せたパフォーマンス 1673 2009/05/31
【日本×ベルギー】 岡田ジャパンは本当に強くなったのか?1679 2009/06/07
【ウズベキスタン×日本】 日本、W杯本大会出場決定! 1687 2009/06/17
【豪州×日本】 玉田の1トップは限界ではないのか?
- 関連記事
-
続けて
コメントではないコメントをしてしまって、申し訳ありませんでした。下記のコメントは、J3さんを含めていくつかのブログやコラムを読んだ上で書いたものです。なのでJ3さんの文章に対応したコメントになりませんでした。
サッカーに関して詳しくないのですが、いろいろな意見を読んだので自分なりの考えをまとめてみたくて、一番信頼できる場で書いてみました。
これからも、更新期待しております。
・議論の出発点
今回のオランダ戦を議論するにあたって、今回の試合は勝つためのものではなく「これまでアジアで通用してきた戦い方」がどこまで通用するのかを試すための試合である、ということを確認する必要がある。
そのため交代枠6つをすべて使ってなにがなんでも勝つ必要もないし、今までの方向性を崩して(例えば本田中心のシステムなどで)戦う必要もない。
・リアクションに対する疑問
その上で、監督・選手の試合に対するリアクションに疑問を感じた。試合に対するコメントの中で「90分間走りきれなかった。これからはもっと走れるようにならなければいけない」という趣旨のコメントが多かったように思う。しかし今回の試合で分かったことは、オランダのようなレベルの高い相手に対して最初の45分間のような戦い方を90分間できない、ということではなかったのか。
・答えが示されていない以上、まだ批判できない
疑問の感じつつも、今回はこれからの試合を見る上での基準点を得たに過ぎない。
サポーターの立場としては、これからの試合の中で日本代表がどのような「答え」を用意してくれるかに期待したい。
後半20分以降の課題が全く解消されていませんでしたね。
どう考えても運動量が目に見えて落ちている選手がいたのに交代枠を使わなかったのか?
スタメンに関しては相変わらずスピードタイプの玉田を起用
ポストタイプの前田を連れてきた理由は何だったんでしょう?
岡田監督の表情を見て明らかに「どうして良いか分からない」ていう顔をしていたように思えるのは私だけでしょうか?
不満だけが残る勿体無い試合だったと思います。
前線が守備的MFの役割をしている国が点を取れるわけがなかろう。
高い位置から連動したプレスをかけてボールを奪うことと中盤でのボール回しが日本の強みだと考えられますが、そこから相手ペナルティエリアまで入り込んでシュートを打つことに繋げるためのプレーが無いですね。
ボールを持ってスピードアップしたり、前の選手を追い越すプレーが足りないと感じますが、守備が得意でない選手が多い選手構成ではそういうリスクのあるプレーは難しいのかもしれないですね。
90分続く運動量という意味では、Jで一番運動量が多い柏木陽介を呼んで欲しかった。
またもや不完全燃焼の試合を見るはめになってしまいましたね。こんな試合は見たくない、典型的な試合でした。
カウンターの精度が低い、という指摘、本当にその通りだと思います。でも、そもそも岡田監督になってからの試合でカウンターが見事に決まったことってなかったような。ジーコ時代はアジアカップとかでありましたよね。トルシエ時代にもあった。昔から指摘されていることですが、90分通してずっと同じペースで試合をしている。今日の試合で言えば、最初から100%でやってて相手もすぐにそれに慣れてしまう。ボールを奪っても前に急いで運んでしまうから逆にすぐ取られてしまう。テンポのメリハリをきかせるという長年の課題を全く解決できないのはなぜでしょうか。オランダは明らかに後半20分くらいから、これからが勝負時と見極めてそれまで一度も上がって来なかったファンブロンクホルストがサイドを上がって来たらすぐに得点。彼の上がりが得点を取るためのスイッチのようでした。中盤の運動量が落ちているのに交代させないのにも見ていて腹がたちました。ボール奪取に長けている今野か稲本を入れるべきだったと思います。中盤に守備的な選手を一人も置かない今のやりかたは絶対おかしい。
やっぱり今の代表は俊輔のチームだと思いました。ただ、俊輔自体はフリーキック以外は得点能力は無いんで、俊輔が展開したパスで強引に点が取れるFWがいれば点がとれるんじゃないかと思うんですけどね。ただ、すくなくとも今回の代表FWにそういうタイプは見当たりませんね。そういう意味では森本見てみたかったですね。水戸の荒田とかシュートレンジ広くて面白そうなんですけど、まあ、2010に選ばれることはないですかね。
| トップページ | 人気ブログランキング | Jリーグブログ村 | 全記事一覧 (2018年-2023年) | お気に入りに追加 |