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【Jリーグ】やや理解に苦しむGK高丘陽平(サガン鳥栖→横浜Fマリノス)の移籍 | | |　

■　正キーパーがシーズン途中に他クラブに移籍

J1は23節が終了した。残りは11節になったがACLに出場するクラブはたくさんの試合を消化しており、横浜FMと神戸は27試合、FC東京は26試合が消化済みとなる。横浜FMと神戸は残り7試合、FC東京は残り8試合なので、気が付くと残り試合は少なくなってきた。ACLは日本勢の3チームがいずれも好スタートを切ったので「アジア制覇の可能性はある。」と言える。タフな日程になるがACLでの活躍が期待される。

2019年のJ1を制覇した横浜FMは2連覇を目指すシーズンだったがすでに「2位以下」が確定している。21勝1敗2分けと驚異的なペースで勝ちまくっている川崎Fを追い抜くのはすでに不可能になっており、ルヴァン杯も準決勝で柏に敗れてベスト4止まりだった。失意のシーズンになっていることを考えると「アジアタイトル」は是が非でも獲得したい。ACLで勝ち進めないようだとポステコグルー監督の立場も危うくなる。

3位以内に入ってACLの出場権を獲得することもかなり難しくなっていることを考えると「アジアの戦い」にエネルギーを注ぎやすい状況になっているが10月23日(金)に「鳥栖のGK高丘を完全移籍で獲得したこと」を発表した。GK守田が起用された試合も少なくないがJ1で16試合に出場しているGK高丘は1番手のキーパーである。「正キーパーがシーズン途中に他クラブに移籍する。」というのはかなり珍しいと言える。

新型コロナウイルスの影響で今シーズンのJリーグは新たに「第3登録期間」が設定された。「2020年10月2日(金)～10月30日(金)」が期間になるがいくつかの移籍が実現した。最大の驚きはMF遠藤(G大阪→磐田)の移籍だったが他にはMF山岸祐(山形→福岡)の移籍も驚きだった。大型連勝を続けて上位争いに参加して来た福岡は「昇格への切り札」としてMF山岸祐を獲得したが山形で主力だった選手の引き抜きだった。

■　鳥栖にとっては悪くない移籍

「各選手がどういう契約を結んでいるのか？」は分からないが「今シーズンで契約が切れてフリーになる。」という選手を「第3登録期間」に他クラブに売却できると幾分かの移籍金を手にすることが出来る。もちろん、残りの契約期間は2か月や3か月くらいなので「大した額ではない。」と言えるがゼロ円移籍よりはマシである。獲得を画策するクラブにとっては戦力アップにつながるので「win-winの移籍」と言える。

鳥栖の正キーパーだったGK高丘の完全移籍は「MF遠藤の移籍に匹敵するサプライズ」と言えるが財政難の鳥栖にとっては悪くない決断である。キーパーとしてのタイプは大きく異なるが「キーパーとしての総合力はGK高丘よりも上ではないか？」と思われるGK守田がいるので大きな穴にはならない。直近の湘南戦(A)はGK守田がスタメン、GK高丘がベンチスタートになったが、スコアレスドロー。無失点に抑えた。

他には韓国出身で20歳のGKキム・ミノがいて、高卒1年目で19歳のGK板橋がいる。GK守田以外の2人は「経験値の乏しいキーパー」になるがフィードプレーヤーと比較すると怪我をする確率や出場停止になる確率は極めて低いので「GK守田とGKキム・ミノとGK板橋の3人で大丈夫」と言える。基本的にはGK守田がスタメンで起用されると思うが年代別の日本代表のGK板橋にチャンスが回って来る可能性もある。

むしろ、順位を気にする必要はあまりないことを考えると「GK板橋やGKキム・ミノを起用できる絶好のチャンス」と言える。GK高丘のフィード力はJ1の中でも上位クラスなので「後方から組み立てていくサッカー」はやりにくくなると思うが、「総合的に判断すると悪くない選択である。」と言える。(高額な移籍金ではないと思うが)幾分かの移籍金を獲得できているはず。財政難の鳥栖にとっては有り難い話である。

■　キーパーはオフの補強ポイントだったが・・・。

一方の横浜FMは夏に五輪代表候補のGKオビ・パウエル・オビンナをJ2の栃木SCに貸し出したので「GK朴一圭、GK梶川、GK中林の3人体制」だった。6月15日(月)にGK朴一圭が右手を骨折して全治2か月と診断されたこともあって徳島から加入したGK梶川がスタメンで起用されるケースが多くなっている。GK梶川が16試合、GK朴一圭が11試合に出場しているが、最近はGK梶川が1番手として起用されてきた。

2番手キーパーがGK朴一圭、3番手キーパーがGK中林という序列だったが、GK梶川は10月21日(水)に行われた名古屋戦(H)は欠場。「試合前のアップ中に怪我をした。」と言われている。程度などは明らかになっていないがACLの舞台では外国人扱いになるGK朴一圭をACLの試合で起用するのは難しいことを考えると「キーパーは手薄」だった。GK梶川が長期離脱するようだと使えるキーパーはGK中林のみとなる。

水曜日の夜の試合でGK梶川が怪我をした後、急速に話が進展して、金曜日の朝に「移籍をするらしい。」という情報がメディアから流れることは考えにくいので「GK梶川の怪我」に関係なくGK高丘の獲得に動いていたと思うが、本当にGK梶川が怪我をして離脱をするのであれば何ともタイムリーな補強になる。岡山で大活躍したGK中林は実績のあるキーパーになるが34歳になったので年齢的な不安を抱えている。

横浜FMは「他のJ1のクラブで正キーパーとして活躍していた選手」を獲得できた。足元の技術が高くて機動力のあるキーパーなので「横浜FMのサッカーに合った選手」と言えるが個人的な意見を述べると10月22日(木)のエントリーに記述したとおりである。GK朴一圭もGK梶川も(GK高丘も)足元の技術が高い優秀なキーパーだと思うが、やはり、他のJ1の上位クラブの正キーパーと比べると1枚 or 2枚ほど格が下になる。

「今オフの移籍市場でサイズがあって、かつ、フィードも出来るキーパーを獲得するのがベター」と思っていたがこのタイミングでGK高丘を獲得したで「オフの移籍市場でスペシャルなキーパーを獲得する可能性が極めて低くなったこと」は残念に感じる。現代サッカーにおいて足元の技術の高いキーパーや守備範囲の広いキーパーの価値は高いがある程度以上のサイズがないと大きなハンディになるのも確かである。

　→　2020/10/22 　【移籍市場】 2020年-2021年オフの補強ポイントについて考える。 (横浜Fマリノス編)

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