■ 新天地を求めた日本人選手今夏はたくさんの日本人選手がJリーグを飛び出して欧州に渡った。MF中村敬(FCトゥウェンテ)やDF菅原(AZ)などは早くも新天地でゴールを決めるなど順調なスタートを切っている。また、すでに欧州でプレーしていた日本人選手の移籍も多かったがMF香川(Rソシエダ)は2試合目にしてリーガ初ゴールをゲット。MF鎌田(フランクフルト)は開幕スタメンを獲得するなどこちらも悪くないスタートを切った。
逆にMF宇佐美(G大阪)やMF井手口(G大阪)やMF酒井高(神戸)やMF関根貴(浦和)など今夏の移籍市場でJリーグに戻って来た選手も何人かいるがトータルでの欧州組の数は激増した。週末に行われる日本人選手の出場試合の結果をチェックするだけでも大変な状況になっているが欧州の各クラブのスカウトの間での日本人選手、特に若い選手に対する評価が上昇しているのは間違いなさそうな状況である。
東京五輪まであと1年を切ったので「東京五輪世代の欧州組」に対する注目度はさらに高まると思われるが「東京世代の旗手」と言えるMF堂安は噂通りで名門のPSVへの移籍が確定した。オランダに渡って3年目。そろそろステップアップしたいタイミングだったが強豪クラブへの移籍を実現させた。PSVというと元・韓国代表のMF朴智星が活躍したことで知られているが「PSVでプレーする初めての日本人」になる。
■ PSVへの移籍が確定したMF堂安PSVのみならず、オランダリーグは若手の登竜門になっているので、ほとんどの選手にとって「PSVですら通過点」に過ぎない。MF堂安も「PSVで活躍してさらに大きなクラブに移籍する。」という明確な目標を掲げていると思うが、フローニンゲンの時以上にMF堂安の攻撃的な良さは発揮されるだろう。もちろん、ポジション争いははるかに厳しくなると思うが、出場機会を確保できれば「凄い成績」も期待できる。
欧州に渡って2年ちょっとでPSVに到達できたというのは「極めて順調」と言える。日本代表での活躍も期待されるがMF堂安を含めて「欧州のトップ・オブ・トップのクラブで活躍する日本人選手」は、残念ながら、今の時点ではいない。少し前はインテルにDF長友がいて、シャルケにDF内田篤がいて、ドルトムントにMF香川がいて、ACミランにMF本田圭がいたが、そのレベルのクラブに在籍している選手はいない。
MF安部裕とFW食野亮は今夏に欧州のメガクラブへの移籍を実現させたが、MF安部裕はバルセロナのBチームが主戦場になっており、FW食野亮も「ハート・オブ・ミドロシアンへのレンタル移籍が決定的」と報じられている。バルセロナやマンチェスターCのトップチームでプレーする可能性はほぼゼロであることを考えると「メガクラブで活躍している(or 活躍することが期待される)日本人選手」とはカウントしにくい。
■ CLに出場できる日本人選手は少ない。実際に今シーズンのCLに出場できそうな日本人選手はガラタサライのDF長友、ゲンクのMF伊東純、ザルツブルクのMF南野とMF奥川の4人くらいである。MF堂安が移籍するPSV、MF中島翔が移籍したポルトはどちらも予選を通過できずに本戦までたどり着くことはできなかった。ガラタサライも、ゲンクも、ザルツブルクも、GL突破が目標になるチームであることを考えるとトップ・オブ・トップのクラブではない。
大ベテランの域に入っているMF長谷部(フランクフルト)は「さらに上」を目指す段階ではないがほとんどの日本人選手は「さらに上」を目指しているはず。今シーズンのリーグ戦で印象的な活躍を見せてさらに上のクラブからオファーが届く選手がたくさん出てくることを期待したいが、「今、メガクラブに最も近い日本人選手」というとDF冨安(ボローニャ)だろう。今夏にセリエAに移ったが上々のデビューを飾った。
右SBで開幕スタメンとなったのは驚きだったが随所に光るプレーを見せた。188センチと高さがあって技術も高くて身体的な能力も非常に高い。CBに必要とされる能力のほとんどをこれほど高いレベルで有している若手というのは欧州中を探したとしてもなかなか見つからないだろう。福岡のときはボランチでもプレーしているが今後も右SBで起用されて新境地を開拓するようだと価値はさらに高まるだろう。
■ マジョルカに移籍したMF久保建リーガデビューはお預けとなったがマジョルカに電撃移籍したMF久保建も早い段階でのメガクラブでの活躍が期待される選手になる。スーパースター軍団のレアル・マドリーで安定して出場機会を得るのはMF久保建と言えども相当に難しい話なので「レアル・マドリーにこだわる必要性」は全くないと思うがとりあえずとしてマジョルカで結果を残していろいろなクラブから興味を示される選手になってほしい。
もちろん、ポルトに移籍したMF中島翔、PSVに移籍したMF堂安にも「早期のメガクラブ行き」の期待が集まる。ポルトとPSVはそれぞれの国の中ではビッグクラブであり、欧州全体で考えても中堅クラブになる。CLやELでも存在感を発揮できるクラブなので「さらに上を目指す段階でプレーするクラブ」としては理想的なクラブである。MF中島翔はまだ十分な出場機会を得られていないが今後の爆発に期待したい。
新・ビッグ3の1人であるMF南野が所属するザルツブルクも悪くないクラブであるがCLに出場できる今シーズンは彼にとってステップアップの大きなチャンスと言える。ザルツブルクでのプレーが長くなっているのでそろそろ「もうワンランク上のクラブ」に羽ばたきたい。このあたりの選手には「早期のメガクラブ行き」を期待したいがDF菅原(AZ)やMF中村敬(FCトゥウェンテ)なども将来的にはチャンスがありそうだ。
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