■ 1991年の冬1991年の冬。卒業を2か月に控えた6年1組のクラスでは、四日市中央工高のストライカーで名古屋グランパスへの入団が決定していたFW小倉隆史の話題で持ちきりだった。まだプロリーグは無く、決してサッカーという競技はメジャーでは無かった。「サッカーを観る」という環境がほとんどなかった時代であったが、彼のダイナミックでかつ繊細なプレーは、小学生にとっても魅力的に思われた。
「高校サッカー」という存在を初めて身近に感じたこの大会で、その四中高と優勝を分け合ったのが、FW松波正信とMF阿部敏之率いる帝京高校。当時、2年生だったFW松波は決勝戦でレフティモンスターと互角に渡り合った。
■ スーパースター対決その2年後の第72回大会では、準決勝の清水商業高校と鹿児島実業高校の戦いが印象深い。ハイライトは清商のGK川口能活と鹿実のFW城彰二のスーパースター対決。2対2のままPK戦に突入した試合は、GK川口擁する清商が勝利。そのまま決勝戦も制した。
1年生GK南雄太がいた静岡学園とFW平瀬智行がエースとして君臨した鹿児島実業の両校優勝となった74回大会は、超高校級ストライカーの富山第一のFW柳沢敦の存在感が光っていた。1ゴールのみに終わったが、裏へ飛び出す技術と正確なボールコントロールは特出していた。当時、技術力のある選手はMFが多かったが、FWのポジションでも正確な技術をもつストライカーが現れてきたことに新鮮な感覚を覚えた。
■ 中村俊輔の登場市立船橋のFW北島秀朗が大会記録を更新する通算16ゴールを記録した75回大会で決勝戦に進出し市船と対戦したのが桐光学園のMF中村俊輔。すでにU-19日本代表でも主力として活躍していたMF中村俊輔はゴールこそなかったが、技術力の高さは誰が見ても明らかだった。
翌年に横浜マリノスに入団。すぐにレギュラーを確保したわけでは無かったが、MFバルディビエソのバックアップとして十分な活躍を見せた。1998年1月には当時の岡田監督によって日本代表に初召集される。横浜マリノスでポジションを確保する前のことであった。
■ 黄金世代76回大会はいわゆる黄金世代が高校3年生の年であった。その決勝戦で対戦したのが、MF本山雅志が率いる東福岡高校とMF中田浩二が中心の帝京高校。国立が雪で白いじゅうたんで覆われた大会として、多くの人々の記憶に残っている。
中でもMF本山のプレーは衝撃的であった。ドリブルの切れ味は尋常では無く、スピードに乗ったドリブルからのラストパスも正確で且つイマジネーションに溢れていた。個人的には、選手権史上最高のミッドフィールダーではないかと考える。
■ 国見の時代79回大会の主役は国見高校のFW大久保嘉人。決勝での2ゴールを含む計8ゴール。快速のFW松橋章太とのコンビは脅威で、2年生のDF徳永雄平を中心とした守備陣も鉄壁だった。
多くのスターが集まった82回大会は、国見高校のFW平山相太の大会となった。81回大会に続く2大会連続の得点王。大会通算でも17ゴール。190cmの長身と正確なシュートは高校生レベルをはるかに超越していた。MF兵藤慎剛、MF中村北斗、FW平山相太の国見高校は決勝でも福岡代表の筑陽高校を6対0で撃破し、直近の4大会中3度の優勝と黄金時代を築いた。
■ セクシーフットボール84回大会は「日本サッカーを変えたい。」と豪語した山本監督率いる野洲高校が初めての全校制覇を達成。3年生のFW青木孝太や2年生のMF乾貴士を中心とした技術力と想像力を駆使した魅惑的なサッカーは、多くの人に感動を与えた。鹿児島実業との決勝戦の延長戦で奪った決勝ゴールは、「野洲サッカー」の全てが詰まっていた。
86回大会は流通経済大学付属高校の躍進が目に付いた。万能ストライカーのFW大前元基は多彩な技術と勝負強さを見せて得点王を獲得。全日本ユース選手権、全国高校総体に続いて高校年代の主要大会すべてで得点王を獲得するという快挙を成し遂げた。
1918年(1917年度)に、「日本フートボール優勝大会」として創設された大会は、1976年度から会場を関東に移行。1983年からは原則として、1都道府県1代表制で実施されるようになった高校サッカー選手権。
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・ 長谷川健太(清水東)
・ 藤田俊哉(清水商)
・ 上野良治(武南)
・ 小倉隆史(四日市中央)
・ 城彰二(鹿児島実業)
・ 川口能活(清水商)
・ 北島秀朗(市立船橋)
・ 中村俊輔(桐光学園)
・ 本山雅志(東福岡)
・ 大久保嘉人(国見)
・ 平山相太(国見)
・ 増嶋竜也(市立船橋)
・ カレン ロバート(市立船橋)
・ 本田圭祐(星稜)
・ 大前元基(流経大柏)
・ 大迫勇也(鹿児島城西)
・ 上記以外の選手
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