■ J2の第5節J2の第5節。2勝1敗1分けで勝ち点「7」のアルビレックス新潟はホームのデンカビッグスワンスタジアムでアビスパ福岡と対戦した。ホーム開幕戦となった3節の柏戦(H)は0対1で敗れたが2節は千葉、4節は横浜FCにいずれもアウェイで勝利した。イタリア出身のペッキア監督を招聘した福岡はここまで0勝3敗1分けで勝ち点「1」のみ。22位と低迷している。22クラブの中で開幕4試合を終えて未勝利なのは千葉と福岡のみ。
ホームの新潟は「4-2-2-2」。GK大谷。DF川口尚、新井直、大武、渡邊泰。MFカウエ、加藤大、戸嶋、高木善。FWレオナルド、田中達。4節の横浜FC戦(A)はFWシルビーニョがスタメンで起用されたがこの日はベンチスタート。ベテランのFW田中達がスタメンに戻ってきた。2018年のJ3の得点王のFWレオナルドは4節の横浜FC戦(A)でPKながら移籍後初ゴールを決めている。4試合で1ゴールを挙げている。
対するアウェイの福岡は「4-1-4-1」。GKセランテス。DF實藤、篠原、三國ケネディエブス、輪湖。MF鈴木惇、田邉草、前川、松田力、石津。FWヤン・ドンヒョン。C大阪から加入した186センチのFWヤン・ドンヒョンは移籍後初出場となった4節の岡山戦(A)で初ゴールを決めている。怪我のため3節と4節は欠場した高卒ルーキーのDF三國ケネディエブスがスタメンに復帰。DF篠原とCBコンビを組むことになった。
■ 5試合目にしてようやくの初勝利試合の序盤はアウェイの福岡ペースで進んでいく。スムーズなボール回しからゴール前のシーンを作っていく。前半25分には右サイドに流れたMF前川のクロスからFWヤン・ドンヒョンがヘディングシュートを放ったが枠を捉えることは出来なかった。やや劣勢の展開になった新潟は前半29分にゴール左寄りの絶好の位置でFKを獲得するとMF高木善が右足で狙ったが壁に当たってしまう。前半は0対0で折り返した。
後半は新潟ペースとなる。後半14分にはMF戸嶋の折り返しからドフリーのFW田中達がシュートを放ったが枠を捉えることは出来ず。後半17分にはFWレオナルドのシュートのこぼれ球をFW田中達が押し込んだがオフサイドの判定でゴールは認められなかった。リプレーを見る限りでは「オフサイドではなかった。」と思うが副審はオフサイドと判断したようだ。新潟は2度の大きなチャンスを生かせなかった。
苦しい時間帯が続いた福岡だったが後半38分に左サイドでMF石津がCKを獲得する。MF石津が右足で蹴ったボールを新加入のFWヤン・ドンヒョンが頭で合わせてアウェイの福岡が先制に成功する。FWヤン・ドンヒョンは2試合連続ゴールとなった。1対0で勝利した福岡は開幕5試合目にしてようやくの初勝利を挙げた。1勝3敗1分けとなった。敗れた新潟はホームでは2連敗。2勝2敗1分けとなった。
■ FWヤン・ドンヒョンが2試合連続ゴールでヒーローになった。ペッキア監督が就任した福岡は開幕から5試合目にしてようやくの初勝利を手にした。前半は優勢。試合を優位に進めたが決められず。後半は一転して守る時間が増えたが相手のシュートミスにも助けられて0対0のスコアを維持すると後半38分にセットプレーから決勝ゴールを奪った。3月11日(月)にJ1のC大阪からの完全移籍が発表されたばかりの元韓国代表のFWヤン・ドンヒョンがヒーローになった。
C大阪では16試合で1ゴールのみ。期待に応える活躍は出来なかった。2018年のC大阪はFW杉本健がフォワードの軸だったので起用されたときはFW杉本健との2トップになることが多かったがどちらも本格派のストライカーである。タイプ的に似ているところもあってツインタワーはあまり機能しなかったが福岡では1トップで起用されている。自由にプレーできる環境が与えられているので良さは発揮しやすい。
2017年にはKリーグで19ゴールを記録。力のある選手であることは明らかである。アタッカー系の選手が多くてチャンスメーカーになれる選手がたくさんいるチームなのでFWヤン・ドンヒョンにとっては恵まれた環境と言える。FW城後やFW森本とのポジション争いになるが2試合連続ゴールを決めたことで信頼を得られたはずである。開幕から4試合勝ちなしと出遅れたがFWヤン・ドンヒョンの加入で光が差してきた。
守備陣は2節の長崎戦(H)以来で今シーズン2回目のクリーンシート達成となった。先のとおり、相手のシュートミスに助けられた場面もあったがアウェイでの完封勝利は自信になるだろう。注目が集まる高卒ルーキーのDF三國ケネディエブスは3試合ぶりのスタメンになったが随所に光るプレーを見せた。高校に進学してからCBにコンバートされた選手なので経験値は浅いがプロの世界でも堂々としたプレーを見せている。
■ 運がなかったこの日のアルビレックス新潟新潟は2勝2敗1分け。イーブンの成績に戻った。開幕からいい戦いを見せているがホームでは2戦2敗。5試合で勝ち点「7」というのはJ1昇格を狙うチームの勝ち点ペースとしてはやや控えめである。この日は最下位の福岡とのホーム戦。勝たないといけないシチュエーションだったが取りこぼした。後半14分にMF戸嶋の折り返しからFW田中達が決定機を迎えたが決められず。大きなチャンスを逃してしまった。
その後、後半17分にもFW田中達にチャンス到来。今度はしっかりと押し込んだがオフサイドの判定。2つ目の大きなチャンスも生かせなかったが「このシーンは誤審だったのでは?」と感じる。FWレオナルドがシュートを放った瞬間のFW田中達の位置はオフサイドポジションのようには見えなかった。最後の最後でFWレオナルドと動きが重なったことがバックスタンド側の副審の判断を誤らせた可能性もある。
シュートを放ったのはFWレオナルドだったので、当然、FWレオナルドが自ら押し込んでいたらオフサイドにはならない。「FWレオナルドにシュートを譲る。」という選択肢もあったとは思うがFW田中達には「自分はオフサイドポジションではない。」という確信があったはず。また、ストライカーなのでチャンスボールがこぼれてきたら貪欲にゴールを狙うのが圧倒的に正しい。FW田中達を責めることはできない。
結局、後半38分にCKから決勝ゴールを献上したが「福岡にCKが与えられた判定」も誤審に近かった。こちらは明らかにMF石津のドリブルが大きくなってゴールラインを割ってからクロスを入れているがCKの判定。当然、新潟の選手は抗議したが受け入れられなかった。新潟の選手は気持ちを切り替えて対応したがFWヤン・ドンヒョンの高さに対抗できず。この日の新潟にはいろいろと運がなかった。
重大な局面で2つも「誤審ではないか?」と思われるシーンが出て不利益を被ると勝つのは難しくなる。かなりアンラッキーだったが長丁場のリーグ戦では逆に誤審で救われる試合もいくつか出てくるはず。受け入れるしかないのが現状である。次節はアウェイの徳島戦になるが上位陣から離されずについていくためには大事な試合になる。「3連戦の初戦」になるが新潟にとっては重要な試合になるだろう。
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