■ 両チームのスタメンホームの新潟は「4-2-2-2」で、GK黒河、DF藤田、DFキム・クナン、DF大井、DF金珍洙、MF三門、MFレオ・シルバ、MF成岡、MF田中亜、FW田中達、FWブルーノ・ロペスという11人がスタメンとなった。新加入選手では、DFキム・クナンとMFレオ・シルバとMF成岡とFW田中達の4人が2試合連続スタメンで、岡山から復帰してきたFW川又はベンチスタートとなった。
一方の広島は「3-4-2-1」で、GK西川、DF塩谷、DF千葉、DF水本、MF青山敏、MF森崎和、MF山岸、MF清水、MF森崎浩、MF石原、FW佐藤寿がスタメンに入って、MF石川はベンチスタートとなった。内転筋を痛めているMF高萩はこの日もベンチ外で、MFミキッチも欠場が続いている。3バックの中央に入るDF千葉は、2005年から2011年まで新潟でプレーしたので古巣対決となる。
#15 入口付近
#16 バックスタンドから
■ 広島が初勝利を挙げる試合の立ち上がりは互角の展開となるが、前半21分に相手のカウンターの機会をファールで阻止したMF藤田が2枚目のイエローカードを受けて退場。新潟は前半の早い段階で10人となる。これで広島は数的優位となるが、攻撃のテンポは上がらず、前半はほとんど決定機を作れない。結局、どちらもあまり見せ場を作ることはできず、0対0でハーフタイムに突入する。
後半はアウェーの広島が攻め込む時間帯が続く。後半13分にMF石川を投入して、MF山岸を左ウイングバックのポジションに移すと、MF山岸のところからチャンスを作るようになる。すると、後半30分にコーナーキックからDF千葉が落としたボールをゴール前のMF石原がオーバーヘッドで決めて広島が先制に成功する。MF石原は今シーズン初ゴールとなった。
しかし、新潟も後半36分にFWブルーノ・ロペスが粘って左サイドのCKを得ると、MF田中亜が右足で蹴ったボールを新加入のDFキム・クナンが豪快にヘディングで決めて1対1の同点に追いつく。新潟はJ1の18チームの中で、唯一、開幕戦でゴールを挙げることができなかったので、遅まきながら今シーズンの初ゴールとなった。
これでスタジアムはヒートアップするが、後半39分に、再び、広島がセットプレーのチャンスを得ると、MF石原が後ろにつないだボールをゴール前でフリーとなったDF千葉が頭で合わせて2対1と勝ち越しに成功する。先制ゴールは、DF千葉→MF石原というラインだったが、今度は、その反対で、MF石原→DF千葉のラインで貴重な勝ち越しゴールを奪った。
結局、試合は2対1でアウェーの広島が勝利して、今シーズン初勝利。1勝1敗となった。一方の新潟は、数的不利になったにもかかわらず、1対1の同点に追いついたが、直後に勝ち越しゴールを許して、勝ち点を得ることはできず。開幕2連敗となった。広島は3月13日にACLの第2節の北京国安戦を控えており、新潟はJ1の第3節はアウェーで大宮と対戦する。
#17 新潟のサポーター
#18 広島のサポーター
■ 3試合ぶりの勝利広島は3試合ぶりの勝利だったが、価値ある勝ち点「3」となった。FW佐藤寿のコンディションが万全ではなくて、さらには、攻撃に変化を加えることのできるMF高萩とMFミキッチが不在ということもあって、数的優位になった後も、圧倒することはできず、2ゴールともセットプレーからのゴールだったが、ミスマッチになっているところをうまく突くことができた。
広島のセットプレーのときは、DF千葉に対してはMFレオ・シルバがマークして、MF石原に対してはDF金珍洙がマークしていたが、高さや強さという点では、広島の2人が優っていたので、ここから2ゴールが生まれた。開幕戦の浦和戦のゴールもMF森崎浩の直接FKだったので、リーグ戦で挙げた3ゴールはすべてセットプレーとなる。このあたりは気になるが、したたかに勝ち点「3」を積み上げた。
一方の新潟は、11人対11人のときは、互角の勝負ができていて、チャンスも作ったので、DF藤田の退場が悔やまれる。立ち上がりから流れの中でチャンスを作られることはなかったが、唯一、セットプレーを跳ね返した後のカウンターで広島がいい形を作っていたので、注意しなければならなかったが、MF青山敏とMF清水の飛び出しが見事で、MF藤田はファールで止めるしかなかった。
#19 柳下監督の顔
#20 1対2で敗戦・・・
■ 気になった大渋滞ということで、試合はホームの新潟にとっては、残念な結果となったが、28,118人の観衆が集まって、スタジアムは大いに盛り上がった。今回は、バックスタンドで試合を観戦することになったが、スタンドは傾斜もあるので、トラック付きであることを忘れるくらい見やすいスタジアムで、外観も、試合中の雰囲気も、スタジアムグルメも、申し分ないレベルである。
唯一、気になったのは、帰りの渋滞である。試合後にいろいろなところに寄っていたので、大急ぎでバス停に向かったわけではなかった。バス停に並んだのが、最後の方だったことも関係していると思うが、スタジアム周辺は大渋滞で、結局、新潟駅に着いたのは、16:15。4キロほどしか離れていないにもかかわらず、バス停に並んでから、1時間ほどかかった。
3万人近くの人が集まっているので、バス停で並ぶことになるのは、避けようがないが、スタジアム周辺の渋滞については、やり方次第では、減らすことができるはずで、これだけ渋滞すると、「帰り道が混むの行きたくない。」と考える人が出てきてもおかしくない。「車社会」なので、スタジアムまで自家用車で来ている人が非常に多いと思うが、自家用車の数を制限することも、必要ではないか?と思う。
#21 試合終了後
#22 スポーツ展示室
■ まとめさて、今回、新潟行きを決めた理由は、「J1に昇格してきた頃の勢いが失われている。」と言われているアルビレックス新潟の現状が、本当に巷で言われているとおりなのか、否か、自分で体験して確認したかったというのが一番だった。そのため、2007年の10月以来、5年半ぶりに新潟を訪れることになったが、ホーム開幕戦ということも関係しているのか、盛り上がりは相当なものがあった。
もちろん、28,118人というのは、4万人近くを動員するのが当たり前だった頃を比較すると、かなり減っているが、それでも大変な数字である。スタジアムの熱気に関しては、4万人を動員した前回の訪問時と比べて、遜色は無かった。サポーターの応援も大迫力で、依然として、ビッグスワンが特別な空間になっているのは、間違いないところである。
観客動員が減っているのは事実なので、何かしらの理由があると思うが、1つ言えるのは、J1に所属すること、そして、ビッグスワンという素晴らしいスタジアムで戦うということは、アルビレックスのサポーターにとっては、当たり前であり、日常的なことになっているが、決してそれは当たり前のことではなくて、傍から見ると、羨ましいくらい恵まれた状況であるということである。
新潟の場合、繋がりの深い長野県や富山県にJ1のクラブが無いため、簡単に出向くことができる近場のアウェースタジアムが存在しない。そのため、比較できる物差しを持っていない人も多いと思うので、慣れっこになっているところもあると思うが、他のクラブと比べると、アルビレックス新潟というクラブは、あらゆる面で恵まれていて、アドバンテージを持っている。
そのことに気づいていないか、忘れてしまった人が多いのではないか?という気もするが、そういう意味では、2012年の終盤に残留争いを経験して、「2013年もJ1でプレーできる喜び」を感じている人が多いと思うので、長い目で見ると良かったのではないかと思う。開幕2連敗となったが、今後の新潟の歩み方に注目したいところである。
#23 出口付近
#24 バス乗り場
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