アルビレックス新潟 B-
→ 降格1年目の2018年は新潟にとって悪夢のようなシーズンになった。開幕前は「昇格候補の1つ」という立ち位置だったがなかなかエンジンがかからず。25節から6連敗を喫したときは残留争いに巻き込まれた。一時は19位まで順位を落としたが31節から9試合負けなし。9試合で7勝2分けと突っ走った。何とか残留争いから抜け出すことができたが最終順位は16位。大方の予想を大きく下回る成績に終わった。
巻き返しを図るシーズンになるがアルビレックス新潟Sで手腕を発揮した是永氏が新社長に就任。新しいスタートを切った。残留に導いた片渕監督は続投。「J1復帰」を目指すが心配された主力の流出が最小限にとどまったのは良かった。39試合で9ゴールを挙げたFW河田(→徳島)と五輪代表のMF原輝綺(→鳥栖)が流出したがプロ1年目から2桁ゴールを挙げたMF渡邉新などの引き止めには成功した。
今オフの補強の特徴は何と言っても外国人選手をたくさん獲得した点になる。チームに残ったのは期限付き移籍だったMFカウエのみ。GKアレックス・ムラーリャ、FWターレス、FWヘイス、DF宋株熏は退団して、FWレオナルド(鳥取)、MFシルビーニョ(CAペナポレンセ)、FWフランシス(サンベント)、DFサムエル・サントス(サンベント)、MFチョ・ヨンチョル(慶南FC)を獲得した。外国人選手は総入れ替えに近い。
注目は何と言ってもFWレオナルドである。2018年のJ3で31試合で24ゴールを記録。J3の得点王に輝いたストライカーの獲得に成功した。J3でMVP級の活躍を見せたFWレオナルドはJ2の中に混じってもトップクラスのストライカーと考えられる。シュート精度が高くてポジショニングにも優れているが、なおかつ、アシスト能力も非常に高い。点を取るだけでなくチャンスメーカーになることもできる万能型である。
期待の高かったFWターレスは34試合で4ゴールのみ。期待を大きく裏切ったが「得点源になれるストライカー」の獲得に成功した。FWフランシスも得点感覚の鋭い選手なのでFWレオナルドとFWフランシスのポジション争いになると思うが、普通に考えるとFWレオナルドをフォワードの軸として起用するだろう。J2とJ3のレベルの差は小さくはないが「15ゴール以上」は計算できる。大きな補強と言えるだろう。
また、チャンスメーカー系の選手としてMFシルビーニョとMFチョ・ヨンチョルを獲得した。彼らが2列目で存在感を発揮するようだとMF渡邉新をフォワードで起用することが可能になる。「4-2-2-2」を採用するのであればFWレオナルドが軸。パートナー候補はFW矢野貴、FW田中達、MF渡邉新など。2列目はMFシルビーニョ、MFチョ・ヨンチョル、MF戸嶋、MF高木善がいるので攻撃陣の駒はJ2でも有数と言える。
ボランチは昨夏に加入して大きな存在感を発揮したMFカウエを完全移籍で獲得できたのは大きい。10番のMF加藤大とWボランチを組む可能性が高い。ベテランのMF小川佳やレフティのMF加藤大は2列目でもボランチでもプレー可能である。心配材料は五輪世代のMF原輝綺が流出したので「守備力の高いボランチ」が不足している点。なので、CBでもプレー可能な加入2年目のDF柳あたりの台頭に期待したい。