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2019-06-18(Tue)

病気のお話

記憶に新しい先月の5月の終わりごろ、猛烈に熱くなった日が数日ありました

その時の週の平日は、田植えの仕事に行ってて、我が家の烏骨鶏たちとは朝晩の食事の時にしか会えませんでした

外気温は35度位、最高最低気温が記録できる温度計を鶏小屋に設置しているのですが、記録で41度にもなっていました

烏骨鶏たちの体温が大体40度、体温より気温の方が高く、しかも羽毛をまとっていながら汗をかいて身体を冷やせない構造なので、かなりきつい状態だったに違いありません

何となく具合が悪そうな様子は、朝晩の一瞬だけ会える時にわかったが、仕事を休むわけにもいかない

いや、休めばよかったと今では思っているが、その時はさらに具合が悪くなるとは思ってもいなかった

一週間の田植え仕事が終わり、ゆっくり烏骨鶏たちの様子が見られるようになった時には、18羽いるうちの2羽がかなり衰弱してしまった

暑さで体力が落ちた拍子に、おそらくコクシジウムに感染したのだろう(寄生虫病だが人間にはうつらない病気)、血便まで出ていた

養鶏場なら、全ての鶏を殺処分にするような病気だ

でも自然養鶏なら治せる、と言うのも雛の時に同じ病気になった事があり、ミミズとバッタとヨーグルトの納豆和えと醗酵飼料を食べさせたら、あっという間に治ってくれた

今回もそうしようと思った矢先、衰弱した2羽(シモサカとヘタちゃん)のうちの1羽(ヘタちゃん)が雄どもに集団リンチを食らって、トサカから大量の出血と左目が完全に見えなくなるほど目をつつかれ顔もいびつになってしまった

とにかくその一羽(ヘタちゃん)を隔離し、他の雄にいじめられない様にした

隔離はしても、餌を食べようともしなくて、二日ほどほとんど飲まず食わずで身体も小さくなっていった

そしてもう1羽の雄(シモサカ)も食欲も無く、止まり木に止まったまま目も開けられなくなってしまい、その翌日の朝には地べたに落ちてしまい他の雄につつかれるも逃げる事も出来なくなってしまった

その時は、もうダメかと思った

隔離した一羽の方(ヘタちゃん)は、自力でだんだん食べられるようになり、視力も二日ほどで戻ってくれ、一週間もすると以前のように元気になってくれた(顔は歪んだままだったし、トサカは今でも傷が残ってる)

地べたに落ちて動けなくなった方(シモサカ)は、その時は目も開けられず、身体を叩いてもすぐに眠ってしまい身体に力が全く入りもしなかった

その後は猛烈な暑さの日は無く最高でも22度位、これだと体力が落ちた鶏には気温が低すぎるので、仕事部屋に連れて来て37度位の保温マットの上にダンボール箱を置き、その中にシモサカを入れた

最初はピクリともしなくて、本当にダメかと思っていた

強制的に水を飲ませ(くちばしに水を伝わらせる程度)、半日もすると少しだけ目を開けられるようになった

体温も上がって身体が少し楽になったのか、顔を上げる事も少しできるようになった

「何か食べさせたい」そうは思っても、嘴を食べ物のある所に上手に運ぶ事も出来ないし、力が入らないために米粒や菜っ葉をくわえてもすぐに落としてしまう

こうなったら強制的に食べさせるしかないと思い、ミミズを十匹ほどつかまえて来て、嘴を無理やり開けてミミズを一匹ずつ押し込んだ

モグモグ、ごっくん!

一匹、そしてまた一匹と、ゆっくりだが全部のミミズを飲み込んでくれた

食べるのに疲れたのか、箱の中に入れるとすぐに眠ってしまった

一度食べると3時間ほど眠り、そしてまた食べては眠るを繰り返す

食事にはミミズ、そして二か月以上熟成させたヨーグルトを与えた

日に日に元気になっては行くけれど、食べるとすぐに眠ってしまう

病気になるとよく眠るのは、人間も烏骨鶏も同じだった

そしてシモサカが仕事部屋で過ごし始めて一週間ほど経った朝の4時頃、ゴソゴソっと箱の中で動く音がしたと思ったら、「コケ~コ~」と、元気な時に上げる雄たけびを披露してくれた!!!

その日は3回位鳴いたかな、その頃には小麦も食べられるようになっていたので、小麦とヨーグルトをあげて、もうひと眠りさせてあげた



現在、ヘタちゃんは隔離しなくてもイジメられそうな時には逃げられる様になり、顔のいびつなのも治って、かなり元気になりました。

シモサカも、普通に鶏小屋には入っていますが、完全に調子は戻って無くて、今まで喧嘩で負けなかった相手にも追い回されてます。

なので自分が畑仕事する時は、一緒に畑に出て仕事(草取りや虫取り)を手伝ってもらってます。

コクシジウムと思われる症状は一切再発して無くて、他の鶏にもうつっていません



今回、病気のヘタちゃんとシモサカを見て来て、いろんな事を思い考えました

何の為に働いているのか

家族って何

住環境

食事の事、食べ物の事

烏骨鶏との過ごし方

大切なものって、何だろうとか



人間やっぱりね、自分が食べるものは自分で育てたり、狩りをしたりしないといけないんじゃないかと

お金で済ませるなんて、無責任かもって思うのです

お金で得るも捨てるも出来ると、食べ物を粗末に出来ちゃうじゃないですか

自分で育てたら、大事に食べたいって思うんですよ

それに大事に食べてくれない人になんて、いくらお金を積まれても絶対譲るものかとも思うんです

烏骨鶏たちが苦しみながら卵を産む姿を見ると、卵一つも無駄にはしないって思うんですよ

産む所を見た事が無い人が、一個十円の卵を買ってきたとしたら、落として割れちゃっても「床が汚れちゃったよ」程度にしか思わないかもしれない

でも卵を産む姿を見ていると、絶対に卵を床に落とさないぞって、慎重に扱うようになるんです、命だから




今回働きに行って、烏骨鶏二羽が死ぬかもしれない状態になって、これじゃいけないって思いました

家族が生きる為に働いているのに、今は家族の一員のヘタちゃんとシモサカが死にそうになってるのに仕事に行ってしまうって、何か違う

お金を稼ぐ為に生きる、・・・いやいや違うよ

生きる為に必要なだけお金を稼ぐのであって、必要以上に稼がなくたっていい

お金はあればあっただけ良い、そんな事は無い

必要な分だけでいい



経済的発展が、この国の目標みたいになってるけど、経済はこれ以上発展しなくて良い

お金持ってると、くだらない不要なものまで買いあさって、ゴミだらけ

それをお金払って捨てて、また買っては捨てる

経済的に豊かになると、人間がダメになる

自分で出来るはずの事を、他の人にやらせたり、道具にやらせたりする

そして自分じゃ何もしなくなり、何も出来なくなる

人にやらせるも道具にやらせるも、お金が必要になるから、必死にお金を稼ぐようになる

お金を稼ぐようになって、他人に仕事をさせると、お金貰える人からペコペコされるもんだから偉くなったように錯覚する

ちっとも偉くないのに威張り腐ってお腹も出て来る

負の連鎖が始まる

地球温暖化も、食糧問題も、果ては戦争も



自分で食べるものくらい、自分で何とかする、それが人間の基本の様な気がしてならない

略奪とか、お金で解決じゃなく、自分で育てたり狩りをしたり・・・

五感をフルに使って、地球の資源を循環させる

その循環に、自分の人生も組み込めるように

自然と一体になり、最後は地球の一部になる

地球や他者の破壊者ではなく、地球と言う自然の一部として生きる

そして死んで行く

発展じゃなくて、豊かな自然環境・生活環境を、後世に残す

それこそが大事なはず

みんなぶっ壊して、コンクリートとプラスチックで埋め尽くされた世界なんて、後世に残しちゃいけないと思うんです

核なんて以ての外

そろそろ皆で豊かな暮らしを、し始めても良い時代になったと思うのですけどね
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プロフィール

豊瀬 恒介

Author:豊瀬 恒介
ご訪問くださり、ありがとうございます!自然写真家であり、自然循環栽培(無農薬・無化学肥料・草生栽培)で自給自足を目指しています。その他、木工品を作ったり、天然酵母のパンを焼いたり、釣った魚を卸したり、観光バスの運転もしています。人生一度切り、自分の想うがままに生き、悔いの無い人生を歩みたいです。

掲載写真・文章等の著作権・版権・使用権等作品に附随する全ての権利は豊瀬恒介にあります。無断使用・無断転載は厳禁です。

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