「機動戦士 ガンダム 鉄血のオルフェンズ」9話を視聴。
オルガと名瀬が盃を交わし、
鉄華団がタービンズ預かりになる話。
SFで宇宙と未来の世界を扱うガンダムで
任侠道の世界を見せてくれるのは新鮮で面白かった。
また今回は今までの「鉄血」の物語を
まとめるような、中間決算するような話だったと思う。
様々な大人達
鉄血のオルフェンズは
オルガや三日月といった子供のオルフェンズ(孤児達)が
大人達の思惑によって翻弄されつつも
それでも自分達の居場所を作り求めていく物語であった。
CGSのマルバ・アーケイ、ハエダ・グンネルのようなCGSの大人は
保身的で姑息で高圧的な気質であったが、
現実的で生きる事に切実なオルガや三日月によって倒される。
ギャラルホルンのクランク・ゼントも子供達に理解を示したように接したが
三日月との現実認識の差があり、クランクも三日月に倒される。
最初に出てきた大人達は、子供達に無理解な存在であり、
子供達の現実認識の方が過酷でリアルである事が描かれた。
次に出会った大人達は名瀬とタービンズの女性達。
最初はタービンズと交戦するも、戦いを通して名瀬は鉄華団を認める。
多くの女性を愛し子供も含めて家族を愛し、組織をまとめる
名瀬の姿はオルガに頼れる大人像を見せる。
名瀬の父のマクマード・バリストンも、クーデリアに前を進む覚悟を問いかけ
今までの大人達と違った、きちんとした大人の姿を見せる。
名瀬とマクマードを通して、まともな大人達を見せていく。
大人と子供と家族
大人とは何か。鉄血では家族を作れる・家族の主であると問いかける。
前回、名瀬はオルガの話を通して鉄華団は家族のようであると評する。
この名瀬の言葉を聞いて、オルガは家族として団を守る決心を固める。
ここで本作が家族の物語であることが鮮明になった。
今回、鉄華団のオルガがタービンズの名瀬と盃を交わす。
これは組織同士が結ぶ結婚である。
鉄華団が家族を守るために新たな家族と結ぶ選択でもある。
生きていく中で人も変われば組織も変わる。
結婚もして子供を産み、盃も交わす。
今回のオルガのように酒に酔いつぶれる。
そんな変化も全て大人になることへの道であり、
家族である鉄華団を守り、未来の道を示していくことでもある。
まとめ
盃を交わすことは、組織を通しての大人の「結婚」を比喩的に描き、
子供が大人になっていく過程を見せていくようでもあった。
任侠的世界を使ったのも、血の繋がりの無い鉄華団の家族性を
一番家族を記号的に伝わりやすく描くためなのだろう。
家族の長たるオルガもある意味結婚し、大人になったわけであり、
今後どう変化していくのが楽しみでもある。
ノルバが夜の世界に繰り出し、大人の味を覚えるのも、
別側面で大人への通過儀礼を描いたというべきか。
一方で任侠の世界の「盃」を通して、本作が描かれている事。
ギャラルホルン、引いては宇宙と世界を相手にしなければならないであろう
鉄華団の今後の運命は、やはり過酷である。
その点でも「結婚」を描いた今回は、鉄血が終わった後に振り返ったら
幸せの刻を描いた瞬間になるのかもしれない。
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