境界の彼方 6話が面白かった。
この作品は、こんな遊び回もできるのかと驚いた。
その意味ではシリアスとギャグの境界の彼方ともいえる内容だったし、
けいおん(音楽)の京都アニメーションと、
ラブライブ(歌・踊り・アイドル)の花田十輝さんが交差した瞬間でもあった。
さて、今回は敵の妖夢の花粉を浴びると、とても臭いという状況下で
何度も何度も妖夢に立ち向かうも失敗する展開が微笑ましかった。
本編では名瀬美月が最初に花粉を浴びてしまい
周りはガスマスクをつけなくてはいけないほど臭い。
そして花粉の匂いの被害は拡大しつづける。
「臭い」「臭い」と各キャラクターは口を揃えて言う。
そんな展開を見ていて思ったのは、
アニメにとって匂いとは何かということだった。
映像と音響で組み合わせで成立する映像表現。
その映像表現のアニメは視聴覚を大いに刺激するが、
こと嗅覚に関しては、視聴者が状況から想像することしかできない。
今回もガスマスクをしなくてはいけないぐらいの匂いだったわけだが、
もしそれぐらい刺激的な匂い(嗅覚)を
他の視覚や聴覚に置き換えて、本編で表現されたらどうなのだろうか。
もしかすると余りにも視聴者の視覚や聴覚を刺激してしまうのではないか。
そうなると、その作品は視るのも聴くのも、大変なのかもしれない。
その意味ではアニメにおける嗅覚の表現はどんなに臭くても、
視聴者に直接的な刺激を与えない、間接的なものである点で
どこまでも誇張しても良い表現領域なのかもしれない。
むしろガスマスクを着けるビジュアルはそれだけでもギャグになるし、
臭さで顔を歪め、吐いてしまう描写もギャグに転化できる。
「臭い」「臭い」と言っても、上手い具合に視聴者が面白さに転化できる。
何より臭いのは嫌だというのは、一番わかりやすく共感を得やすいものだと思うし、
この共感が、今回の境界の彼方の物語をグッと視聴者を引きつける。
今回の境界の彼方6話は、アニメで上手く「匂い」を使うと、
こんなにも面白い話に仕立てられる事がわかった。
まとめ
他のアニメでも「匂い」を感じる瞬間はあると思う。
キャラクター、お花、から放たれる良い匂い。
またオナラの描写があれば、臭い匂いだろう。
こうした良い匂い・悪い臭いはあるにしても、
その匂いを上手く視聴者に想像させて、視聴者の嗅覚を揺さぶる。
アニメそのものからは匂いは生じないが、
アニメの表現を通して視聴者の想像の嗅覚を揺さぶる作品もまた面白い事がわかった。
アニメ作品における「匂い」「嗅覚」にも今後気をつけて見てみたくなった。