感想ユーの苦悩・受け止める歩
言葉そのものが呪文になるユーの力。
「死んで」と発するたびに、殺される京子。
これらの描写の連続は京子の魔法を平然と耐え抜く描写とともに
ユーの圧倒的な力を見せつけてくれました。
ただ「ことばは言霊」というように、言葉には力が宿る。
つまりユーの言葉は相手を殺すとともに、自分も殺している事でもある。
その力が強すぎるので、言葉を発せないわけです。
そして言葉を発せられない事以上に、彼女は自分の精神を切り刻まれているわけです。
そんな彼女の支えは歩です。今回の「帰ってご飯を食べよう」という言葉が
彼女にとって暖かみのあるものであります。
生殺与奪の力を持つユーは歩をゾンビにして生き返らせましたが、
歩のユーに対する姿勢は、不幸せそうに見えるユーに
一人の少女としての生き方を与えているのかもしれませんね。
ユーは歩に命を与え、
歩はユーの少女としての
歩み方を与えているのでしょう。
可愛いキャラでグロを行う
この作品、毎度毎度言ってますがグロいですね。
生命力を魔力に変換して使う事で京子の腕が溶けていく描写、
京子にメッタ刺しにされる歩。
そして、歩が京子をチェーンソーで何度も斬っていた描写見られました。
特に最後の京子をチェーンソーで斬る部分は映像として
具体的に描写がは無く、ほのめかされていた感じでした。
(空を赤、大地を黒にする事で、猟奇的である事をイメージさせています)
特に今回の(ほのめかされた部分も含め)グロ描写は凄かった。
今までのグロ描写は作品世界とのバランスの許容範囲だった印象ですが
今回みたいにバトル描写が多いと、グロ度も上がってしまうことがわかります。
まして敵の京子は人の形をしていますから。
ここで思うのは、ビジュアル(絵)とグロのギャップですね。
「まどか★マギカ」でも同様ですが、絵と描写にギャップを感じさせます。
グロい作品なら絵柄も萌え系ではなくシリアスでやるのがセオリーですが
最近は「まどか★マギカ」も含め絵と描写のギャップを恐れません。
「まどか★マギカ」は虚淵シナリオという事で、覚悟はできていましたが
情報を仕入れてなかった「これゾン」では、ちょっと意外でしたね。
こうした絵と描写(グロ)のギャップ性を恐れないのは、
キャラクターを完全に記号として配置してるからでしょうね。
要するに何でもアリな感じになっているのだと思います。
最後は日常に帰る
京子を倒して、夜の王が彼女を連れ帰り、今回の戦いが終わります。
そして家に帰り、歩とユー達はベランダでコンビニのおにぎりを食べます。
今回の日常シーンはベランダがメインで進行しました。
毎回、家の中の様々な所で日常シーンを描こうとしているのが
私としてはこの作品の面白いポイントだと思っています。
最初はちゃぶ台がメインでしたが、段々と家の様々な場所を描こうとしています。
こうして歩の家の様々な場所で進む日常シーンを描く事で
歩が思っている「日常の尊さ・大切さ」を雄弁に語っています。
丹下桜さんだ!
今回の妄想ユーの声は丹下桜。
声優業をやめて、再度復帰して、という方ですが声を聞くのは久しぶり。
声を聞いて「ちゃんと丹下桜してるなぁ」と感じました。
まとめ
物語的には歩を殺した真犯人も判明し、その決着もひとまずついた。
京子をあやつる夜の王とユーの因縁も語られ、新たなる局面を迎えた。
そして今回が6話と考えると、シリーズが半分終わった事を感じさせる内容でした。
上記でも書きましたが、この作品の魅力はどんなにバトルがあっても
最後に日常に帰って来るのが素晴らしいですね。