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「ニセコイ」20話の千棘の髪のなびきと「ぱにぽにだっしゅ!」のOP-シャフトアニメの系譜 

「ニセコイ」20話(アニメ最終話)の千棘と楽の和解シーンの所の
千棘の髪のなびきが良かった。

nisekoi.gif

この作画枚数をふんだんに使った髪のなびきは、
同じシャフト制作アニメ「ぱにぽにだっしゅ」の3つめのOP「少女Q」における
ベッキーの髪のなびきを彷彿とさせる。

nisekoi20001.jpg

同じ金髪美少女という記号的特性上、
千棘の髪のなびきも「ぱにぽにだっしゅ」のOPを意識したものなのかもしれない。

何にしても、美少女の髪がなびく描写は魅力的だ。
アニメーションにおける動くことそのものの魅力を、
髪のなびきは体現しているのかもしれない。
 
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[ 2014/05/25 07:03 ] ニセコイ | TB(15) | CM(0)

「未確認で進行形」の三峰真白はなぜ可愛いのか 

「未確認で進行形」の三峰真白はなぜ可愛いのかを考えてみた。

・ロリ小姑
・丁寧な口調
・つよがりだが弱点は多い
・好奇心旺盛
・吉田有里さんの声
・萌え袖(袖部分が長過ぎて、着用者の手の甲を覆ってしまっている状態)
・リボンで一本結びにした髪

箇条書きにしてしまうと以上のような感じだが、
やはり小さい子で小姑というロリ小姑という設定には痺れた。

デザイン的にはド直球で好みで、吉田さんの声も良い感じ。
外見的にはパーフェクトで。

月姫のシエル先輩とか、丁寧な口調のキャラは好きでこの点もポイント高い。

後は本編中でよく動き感情を表現するのも、見ていて楽しい。

美味しそうに食べる様子、紅緒を嫌う様子、白夜を思いやる様子、
末続このはとの因縁をつける様子、UMAに興味を示す様子。

心身共に子供なのだが、大人っぽく振舞いたい気持ちも強く出ていて
その点も含めて、三峰真白は可愛いなぁと思った。
 
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[ 2014/03/13 21:40 ] 未確認で進行形 | TB(0) | CM(0)

見えてきた「Wake Up Girls!」の輪郭-震災からの復興の物語 

はじめに

「Wake Up Girls!」9話を視聴。
この作品が描き出す輪郭が自分の中でわかってきたのが良かった。
今回はこの作品が描くもの、輪郭について語りたいと思う。

震災と復興

まず9話で注目してしまうのは、気仙沼の描写。
今回はWUGのメンバーが気仙沼に行く話であり、
震災の被災地としての気仙沼を描いていた。

WUG9000.jpg

ちょうど3日後に震災から3年が経つ。
もしかすると放送時期を合わせてきてのこの回を用意したのかもしれない。

「Wake Up Girls!」は元々、震災の復興の一助として企画が開始されたという。
参考:山本寛監督直撃 新作は「今の思いが全部詰まった“遺言”みたいな作品」

そんな企画の発端の顔が出ていたのが、今回の気仙沼の描写だったと思う。
では被災地を通してこの作品は何を描くのか。

アイドルと人間、そしてWake Up

震災の被災地を通して描かれるのは復興であり、
その復興の姿を「Wake Up Girls!」の7人の少女に重ねて描くのだろう。

そして「Wake Up Girls!」は、
アイドルとしての成功を描く以上に、
人間として起きる物語を描く事に主眼が置かれている。

WUG9-1000.jpg

この事がわかるのは、今回語られた、真夢の過去話から。
「I-1クラブ」に所属していた頃の白木徹との顛末が描かれたが、
ここで「人間である前にアイドルである」という白木徹に対して
真夢は「いいえ、私たちはアイドルである前に人間です」だと答えるシーン。

この真夢の発言でわかるように、
アイドルである前に人間であることを選んだ真夢が「I-1クラブ」を抜け
「Wake Up Girls!」の活動を通して、人間として生きる物語なのだろう。

松田マネージャーのように有能には描かれない点。
須藤や佐藤マネージャーのような汚い大人を描く点。
他にもこの作品で描かれるキャラは、決して天才達ではなく
カリカチュアされつつも現実にいそうな人間の側面を描いている点でも、
この作品は人間を描きたいという面が見える。

その点で「Wake Up Girls!」はジャンルとしてはアイドルものであるが、
描きたいのはアイドルである前に存在する人間の姿なのだろう。

まとめ

タイトルから作品の輪郭を捉えてみると、
「Wake Up」という、起きるという言葉の意味を考えた時、
震災の復興が「Wake Up」つまり「起きる」という意味に掛かってくるのである。

7人の普通の少女達が人間として起きる、
目が覚める意味ではなく、自我と意志を持った人間として起きることを
この「Wake Up Girls!」は描きたいのだろう。

そんなアイドルユニット「Wake Up Girls!」を、
被災地の東北・仙台・気仙沼を舞台にして描きつつ、
彼女達の人間として生きる姿を通して、震災の復興の願いを託したのが
「Wake Up Girls!」という作品の輪郭なのだと思う。
 
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[ 2014/03/08 18:36 ] Wake Up Girls! | TB(9) | CM(1)

物語から解放された「てさぐれ!部活もの」の魅力 

「てさぐれ!部活もの あんこーる」が面白い。

この「てさぐれ!部活もの」シリーズの魅力は、
段取りから解放された時間、段取りに縛られない部分がある所だ。

アニメは物語に沿って、キャラクターや物事の一部始終を語る事に沿って作られ、
物語を語るために段取りが作られる。
ギャグアニメでも、オチや展開には一部始終があり、物語と段取りは存在する。

さらにアニメは脚本・絵コンテという設計図を書く。
この工程において、作品は作り込まれる為に、
物語・段取りから逸脱するアドリブ的な展開は行われにくい。

そんな物語や段取りから解放された瞬間を見せるのが
「てさぐれ!部活もの」シリーズだ。

この作品の構成は、まず台本通りに進行するが、
途中で台本に書かれた大喜利的なお題がキャラクターに振られる。
大喜利が始まってからは、声優さん達のアドリブで内容は進む。

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このアドリブが始まってからは物語も段取りからも解放された時間帯になる。
西明日香さん達、声優さんの発想に委ねられた時間。
そんな物語や段取りから解放された時間が、見ていて聴いていて心地よい時間だと思う。

また「あんこーる」ではOPの最初の歌詞が毎回変わるのもアドリブ感を与えている。
OP曲と映像という基本変わらないものに対して、変化を付けることでも
油断をさせない、つまりアドリブ感を含ませている演出といえる。

アニメには物語があり、展開があり、段取りがある。
描かなかれば何も生まれないというアニメの特性上、
仕方のないこととはいえ、頑張れば頑張るほど作り込むことに縛られてしまう。
その為に、作品からアドリブ感を求めるのが難しいのだ。

しかし「てさぐれ!部活もの」シリーズは、
作画よりも前に録音を行う「プレスコ」という手法を取ることで、
まず声優さんのアドリブを生かすことで、
作品全体にアドリブ感を与えることに成功している。

振られた大喜利のお題から、どこにいくのかわからない、予測不能な感じ。
物語とは全く無縁な、声優さん達の発想を、
その発想からキャラクターの動きや表情を見ているのが面白い。
こうした感覚を味わえるアニメは極めて貴重だと思う。

確かに声優さんの発想を聴くだけなら、
アニメでも、なくてもいいという意見もあると思うが
ここでキャラクターが存在して、面白い変な動きをつけて、
声優さんのネタを増幅させる演出があるからこそ、
「てさぐれ!部活もの」は面白いのだと思う。

まとめ

アドリブが取り入れられているのは、石ダテコー太郎さんが関わった
「gdgd妖精s」「バックステージ・アイドル・ストーリー」「直球表題ロボットアニメ」
といった作品でも同様だ。

ただ「てさぐれ!部活もの」では今までの作品を手がけた蓄積、
今まで以上に声優さんを信頼して完全任せる石ダテさんの采配もあってか、
極めてアドリブ感が高い映像を見せてくれる作品だと思う。

物語を見せるのではなく、声優さんのアドリブを通した
キャラクター達の大喜利的な発想を見せる。中々TVアニメでは見られないスタイルだ。
この大喜利的な発想をみせるという点で、
TV番組的にいえば「「てさぐれ!部活もの」」はTVドラマ志向ではなく、
バラエティ番組志向のアニメだといえる。
 
これは石ダテコー太郎さんがお笑い芸人・放送作家から
キャリアを出発させた点にあるといえよう。

TVアニメでバラエティ番組を作れるのか。
そんな試みを石ダテコー太郎さん達スタッフは、
意識しているかしてないかはさておき、実際には実践していると思うし、
この試みが物語から段取りからの開放としての
「てさぐれ!部活もの」を際立たせていると思う。
  
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[ 2014/02/16 09:12 ] てさぐれ!部活もの | TB(0) | CM(0)

ケンプファーとガトリングガンの因縁そして精算-ガンダムビルドファイターズ18話 

はじめに

「ガンダムビルドファイターズ」18話は
ユウキ・タツヤとレナート兄弟のガンプラバトルが描かれる。

「戦争」「僕らの戦争」と「機動新世紀ガンダムX」のフロスト兄弟を彷彿とさせる発言。
そしてジオン兵投入などレナート兄弟は、ガンプラバトルを「戦争」として行う。
対してメイジン、ユウキ・タツヤはガンプラバトルはガンプラバトルだと言い切る。

今回はガンプラバトルにおける両者の戦いの価値観の矜持を争った展開でもあった。

25年越しの逆襲-ケンプファーとガトリングガン

そんな今回の最大の見所は、お互いの決着がつくバトル終盤の
ケンプファーアメイジングがジムスナイパーK9に対して「ガトリングガン」を撃つシーン。

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ユウキ・タツヤの先に先を読みガトリングガンをこの場所に落とした慧眼にも痺れるが、
やはりケンプファーとガトリングガンの組み合わせに心が動かされる。
それはこの組み合わせに因縁があるからだ。


この因縁は遡ること25年前になる。
1989年の「機動戦士ガンダム0080-ポケットの中の戦争」の4話での話だ。
物語は、ジオンのサイクロプス隊が連邦の新型ガンダムのアレックスを奪取しようとし、
隊の一員であるミーシャが乗るMSケンプファーは作戦の中心的役割を果たす。

サイクロプス隊優勢の展開で進むが、次第に連邦が主導権を握る。
そして新型ガンダム-アレックスが起動しケンプファーと戦うのだが
このアレックスがケンプファーに止めを刺した武器が「ガトリングガン」なのだ。

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アレックスの左腕に仕込まれたガトリングガンは、ケンプファーの全身に撃たれる。
このガトリングガンの餌食になり朽ちていくケンプファーの描写は、
「ガンダム0080」の中でも屈指の名シーンだ。

キャプにはないが、上記のガトリングガンを被弾するケンプファーのシーンで
コクピット内部を映すのだが、パイロットのミーシャは映さずに
彼が飲んでいた酒の容器だけが揺れ酒が溢れる描写があったが、
一方的にやられる様子がこれでもかと描かれるので、強烈に覚えている。

以上がケンプファーとガトリングガンの因縁の始まりである。

この因縁を踏まえると、
「ガンダム0080」でガトリングガンにやられたケンプファーが
「ガンダムビルドファイターズ」ではケンプファーがガトリングガンを使い
ジムスナイパーK9を葬り去る。逆襲のケンプファーであり、因縁の精算でもある。
またピンチからの逆転劇という流れも、両作品は共通している。

まとめ

1989年の「ガンダム0080」から25年後の「ガンダムビルドファイターズ」で
ケンプファーがガトリングガンを使うシーンを見られたのは嬉しかった。

以前に「メタサンライズアニメとしての『ガンダムビルドファイターズ』」という、
本作はガンダムネタ・サンライズネタが多いという記事を書いたが、
今回もこの例に沿った描写といえると思う。

そしてこのシーンがなお一層感慨深いのは、
「ガンダムビルドファイターズ」のガンプラバトルの
描写・作画・演出が三位一体で素晴らしいからであろう。
 
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「ニセコイ」5話はなぜ足つくプールを深海のように描いたのか-アニメの嘘 

ニセコイ5話を視聴。

今回は、千棘が準備運動不足でプールの中で溺れてしまい、
楽が千棘を助けるためにプール内に飛び込んで助け出す
シークエンスにおけるプール内の描写が面白かった。

特に面白かったのはプール内の描き方だ。

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画面を見ると、とてもプールとは思えない深さと暗さ。
まるで深海のようであり、端的にいえば嘘な描き方をしている。

なぜこのようなプールではないような描き方をしたのか。

さらにこの千棘が溺れる直前のシーンには、るりが

nisekoi516000.jpg

るり「ここのプールは足つくんだし」

というように説明的なセリフをわざわざ入れている。
このセリフに沿って画面を作るなら、足つくようなプールを描く方が自然だろう。

しかしニセコイ5話は、この自然な流れを採用せず、深海のようなプールを描く。
なぜなのだろうか。理由を二つ考えた。


まず一つ目。実際に浅い足つくプールを描いて、
楽が千棘を助けてもドラマ的に盛り上がらない。
画面的に盛り上げるために、あえて深海のようなプールを描き
ドラマティックに描こうとしたのだろう。

そして二つ目。これがより重要だと考えるが、
足つくプールという現実を描くより
千棘と楽の主観的な心情を優先させて描く意図があったからだろう。

溺れてしまった以上、そこにプールが足がつくものなのかは関係ない
むしろ千棘は上のような深海に引きずり込まれる感覚に襲われたのだろう。

そしてこの感覚は千棘を助けようとする楽も同様である。
彼にとってプールで溺れた千棘を助けるのは、
深海で溺れた千棘を助けるのと気持ち的には同義なのだろう。

こう考えると、同じ深海のようなプール、
心情的なイメージを映した画面にいる二人は、
同じ気持ち・感覚を共有しているともいえるだろう。

それだけ千棘が溺れたのは、
千棘にも楽にも深い出来事だったという証明ともいえる。

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ニセコイの関係であり、表面上はお互いよく言い争ってもいる二人。
でも大事な所で二人は確かに繋がっている、
そんな印象を深海のようなプールは見せてくれたのかもしれない。
 
まとめ

足がつくプールを、深海のような深さで描いたのは、
楽が千棘をドラマティックに助けさせるという面と、
楽と千棘の心情を表現したいためという意図があったからだと思う。

こうした実際の設定(足がつくプール)とは違うもの、ぶっちゃけ嘘を、
いきなり主観的なイメージ(深海のようなプール)を用いて描く。
こうした大胆な嘘をつけるのがアニメの演出・表現の面白いところだと思う。
 
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[ 2014/02/09 12:09 ] ニセコイ | TB(16) | CM(0)

黒田洋介の「好き」の作劇-「ガンダムビルドファイターズ」17話と「そにアニ」5話から 

はじめに

今週の「ガンダムビルドファイターズ」17話と「そにアニ」5話を見ていたら、
それぞれ「好き」という言葉がキーワードになっていたように感じた。

そして両作品ともに黒田洋介さんが脚本である点から、
興味深いと思ったので取り上げてみたい。

ガンダムビルドファイターズの場合

今回はセイ・レイジに立ち向かうために、マオが悩む展開だったが、
師匠の珍庵と接し「好き」というキーワードからマオは成長する。

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「好きなものに理屈なんぞいるかい」
「ただ好きでおればええんや」


マオがエマ・シーンをこれこれこういう理由で好きだと言った後に、
マオが珍庵師匠に好きなガンダム女性キャラを聞き、
珍庵師匠は「ガンダムSEED」のマニュー・ラミアスと答えた後に上のように答えた。

「好き」は理屈ではない事をマオに諭しているシーンだ。

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「だって好きなんですもん」

師匠との特訓を経てマオが辿り着いた境地は、まず「好きであること」楽しむことだった。

この後、マオは楽しみながらセイ・レイジ達と壮絶なガンプラバトルを繰り広げる。

「そにアニ」の場合

「そにアニ」では、そに子を取材するさやか側の視点を中心に物語は進む。
そして夢を追い求めるそに子と、夢を捨てきれないさやかの対比で物語は描かれる。

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「結構よね。善意に囲まれて楽しそうで」
「けど、それは若いから。社会に出て否定されたことがまだ無いから」
「壁にまだぶちあたってないから言えるのよ」
「生活するだけで精一杯になって」
「色んなものがこぼれ落ちてでも諦めきれなくて」

「好きだから続けたい」
「そんなの当たり前じゃない」
「何やってんのさ。何にもしてないくせに」
「あの子に何を言えんのよ。あの子に」
「好きなら、やれよ私。何でやんないのよ。何で」


そに子にグラビアアイドルとロックバンドの今後について聞き、
さやかの発言がこれ。

社会に揉まれてしまい自分の「好き」が純粋に貫けないようでいるさやか。
大人になって自分が失っていたものを、若いそに子は持っているからこそ、
さやかは反発するような言い方もしてしまったし、涙も流す。
でも「好き」でいることの大切さを、そに子から教えられたようであり、
さやかも何かしら吹っ切れたかのように見えた。

まとめ

「ガンダムビルドファイターズ」「そにアニ」ともに
「好き」でいる事、「好き」を続ける事が大事であるというメッセージが伝わってくる。

子供のマオには「好きには理屈がいらない」と大人側から説き、
大人のさやかには「好きならやれ」と自分に言い聞かせるようにする。

脚本の黒田洋介さんが「好き」という感情について、
本音としてどういう見解を持っているかはわからない。

ただ両作品ともに「好き」というキーワードを通して、
マオとさやかというそれぞれのキャラクターを
次のステップへ進ませたかった想いを感じた。

「好きこそものの上手なれ」と。
 
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「ガンダムビルドファイターズ」17話にSガンダムが登場した意義 

ガンダムビルドファイターズ17話の見所の一つは、
前回の次回予告にも登場していたS(スペリオル)ガンダムの登場だろう。

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数秒とはいえ、まさかこのSガンダムが
アニメで登場する姿を見られたのは嬉しかった。


このSガンダムは「ガンダムセンチネル」という
模型雑誌「モデルグラフィックス」内の企画で誕生したMSだが、
この企画には様々な経緯があったようだ。

平たくいえば、「ガンダムセンチネル」によって模型製造元の「バンダイ」と
企画を主導した「モデルグラフィックス」の関係が悪化し、
「ガンダムセンチネル」はバンダイから公式として認められなかったのだ。

以下のサイトでも

「ガンダム・センチネル」という企画はMSV以来最大のヒットを巻き起こしながらガンダムの歴史から抹消されてしまうという事態になってしまったのである。ー「MSVの歴史-ガンダム・センチネルの傷跡(http://members.jcom.home.ne.jp/0911502801/msv.htm)」より

というように「ガンダムセンチネル」が歴史から抹消された(まさに黒歴史!)
と書かれている。これらが大体1990年代前に起こった話だ。

この遺恨は根深く、
例えば1995年にSFCで発売された「第4次スーパーロボット大戦」では
この「Sガンダム」そして「Ex-sガンダム」が味方のユニットとして登場したのだが、
販売元のバンプレストがバンダイに許可を求めずに登場させてしまい、
モデルグラフィックスとバンダイ、バンプレストの間にトラブルが発生したという。
その後、スパロボでは「ガンダムセンチネル」のMSは登場していない。

しかし「ガンダムセンチネル」の人気は根強く、
2001年にはバンダイの「HGUC」で「Sガンダム」とゼク・アインが発売され、
また同年に始まった「GUNDAM FIX FIGURATION」の登場によって、
「ガンダムセンチネル」のMSが続々とキット化され、
バンダイも「ガンダムセンチネル」を認めつつある空気ができあがった。

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こうした流れもあっての「ガンダムビルドファイターズ」でのSガンダム登場。
かつてはバンダイから認められなかったガンダムが、TVアニメに登場する。
これらを踏まえると、Sガンダムが登場したのが感慨深く思える。
こうした変化もガンプラの歴史の歩みの一つなのだろう。
 
それにしても、この線の多い機体を描いて動かすのは大変だと思う。
 
参考記事:ガンダム センチネルの話 センチネルの話(承前) センチネル版権の話(3)
 
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「マケン姫っ!通」は「伝説巨神イデオン」であるたった一つの理由。 

はじめに

我々は早く気づくべきだったのだ。
「マケン姫っ!通」のEDが「伝説巨神イデオン」のEDだということを。


今回は両作品のEDの比較から、何が描かれているかを検討する。
 
二つのED

さっそく「マケン姫っ!通」のEDを見てみよう。

ED前半は宇宙空間を背景にキャラクター達のおっぱいを拝む構成になっている。

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※「マケン姫っ!通」ED

ここでのポイントは、この宇宙空間を背景にしながら、
画面が斜め方向にPAN(カメラが動きながら)しつつ
次々にキャラクターが紹介されていく構成は、

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make2002.jpg
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※「伝説巨神イデオン」ED

1980年のTVアニメであり、
富野由悠季監督の「伝説巨神イデオン」のEDと同じ構成なのである。


以上、構成面では同じであるが、カメラが動く方向は違っている。

make2-2000.jpg
※「マケン姫っ!通」ED

「マケン姫っ!通」ではカメラが右下に動くのに対して

make2000.jpg
※「伝説巨神イデオン」ED

「伝説巨神イデオン」はカメラが右上に向かって動く。


この両作品におけるカメラが向かう方向性の違いの演出的意図を説明してみる。

まず「伝説巨神イデオン」のEDは、キャラクターの姿が映し出されるが
最後はキャラクター達の先にある、イデの発現を示唆する流星の描写で締めくくられる。

この点を踏まえると、EDはイデに向かっていく内容(イデの発現の暗示)であり、
イデつまり人間からは遥か高みにある神に等しい存在の
高みを表現するために、カメラは上方向(高みへの到達)へ向かうと解釈できる。


対する「マケン姫っ!通」は、まずおっぱいが本質に先立つ作品である。

本質たるキャラクター達のおっぱいは、
必ず重力に引っ張られてその形状が存在する。

つまりおっぱいあるところ、重力がある事を表現するために、
カメラが下に向かう、つまり重力に引っ張られているのである。

まとめ

イデという高み、神に等しい存在を描く「伝説巨神イデオン」。
おっぱいという地球の重力に魂を縛られたものを描く「マケン姫っ!通」。

かつてシリーズ構成の黒田洋介さんが「伝説巨神イデオン」が大好きと発言したことも含めて
「マケン姫っ!通」には「伝説巨神イデオン」の血が入っているのである。
 
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[ 2014/01/26 11:00 ] マケン姫っ!通 | TB(0) | CM(0)

未確認で進行形 3話のキンゲダンス感 

「未確認で進行形」3話の

mikaku300.jpg


三峰 真白のこのダンスが最高すぎた。
まるで「キングゲイナー」のOPようなダンス。

やばい。可愛すぎる。
そして、動きの気持ちよさに何度もリピートしてしまう。

キャラクターと動きの魅力が融合した至福の時間を味わえるシーンだ。
 
「未確認で進行形」はキャラデザがいいなぁ。
「ゆるゆり」以降の中島千明さん的・もしくは動画工房的の流れと
「あいうら」を通った菊池愛さんのハイブリッド感がある。
 
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[ 2014/01/25 01:19 ] 未確認で進行形 | TB(15) | CM(0)

破壊されたロボットが生み出すドラマ-ガンダムビルドファイターズ15話 

ガンダムビルドファイターズ15話は、
セイ・レイジとフェリーニの壮絶なガンプラバトルが最高だった。

互いが一歩も引かずに勇気も知恵も全てを出し尽くして戦う。

そんなガンプラバトルを盛り上げるのは、今回のメカ作画監督である大張正巳さん。

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赤い目
(※後述するが、ガンダムWのOPっぽくもある)

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お互いがぶつかった後に、画面手前にガンダムの顔が落ちる。
(よくあるパターンなのは顔ではなく、武器が落ちるのが多かった)

もしくは、ウイングガンダムフェ二ーチェの右脚のBL影。

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そして互いの機体のボロボロ感。

大張さんらしい要素が随所に散りばめられていた。

一方でウイングガンダムフェ二ーチェのアップのカットは
大張さんぽくもあるが、ガンダムWのOPカットぽくもあり、
それは佐野浩敏さん的ということなのだが、
大張さんと佐野さんのメカ描きとしての源流が近いことを改めて思い起こさせた。


特にボロボロ感でいえば、
「破邪大星ダンガイオー」の3話のクライマックスで
ギルバーグにズタボロにやられてしまったボロボロのダンガイオーを見て感じたのだが
大張さんはボロボロのロボットを描くのが好きなのだろうし、
破壊されたロボットが生み出すドラマを本能的に知っている方なのだろうと思う。

例えば、大張さんが関わった勇者シリーズでも、
最終話におけるマスク割れもが恒例行事となるが、
これもロボットが壊される事で生まれるドラマがパターン化したものといえる。

他にも破壊されたロボットがドラマティックに映るのは、
「機動戦士ガンダム」のラストシューティングが挙げられるだろう。

ボロボロになったロボットは、壊された理由、その過程/経緯があり
その過程/経緯がドラマであり物語になりうるものだと。

逆にいえば、どうロボットを上手くボロボロにさせるのかが
ロボットアニメのドラマを盛り上げるのにはもてこいともいえる。

ガンダムBFに関しては、フェリーニが、セイ達が、死力を尽くして戦うことで
お互いの機体・プラモがボロボロになるわけだが、
勝ちたい、全力を尽くしたいというお互いの想いが
ロボットを通して、熱いドラマになることを見せてくれた展開だった。
 
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子安武人さんのメガネキャラについて-「ニセコイ」2話より 

ニセコイ2話を視聴。面白かった。

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一条楽と桐崎千棘の嘘と、

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小野寺小咲の嘘がそれぞれ描かれたのが面白かった。

楽と千棘の嘘は、各々の取り巻く状況によって演じなければならない嘘であり
小咲の嘘は自身の奥手による嘘だった。

3人のキャラが嘘をつくことで、自身の感情とは違う行動をとってしまう。
その過程も含めて、3人の恋が「偽恋=ニセコイ」として描かれる。
そんなそれぞれの嘘が、3人の関係をどう進展していくか、期待したい。


さて、今回気になったのが、千棘側のビーハイブの幹部のクロード。

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少年ジャンプ的には「To LOVEる -とらぶる-」のザスティンの流れを汲む
ヒロイン側の親衛隊的、お守り役キャラといったところか。

そしてメガネキャラで、声もザスティンと同じ子安武人さん。
あっ、子安さんまたメガネキャラをやっているなぁと思った。
今回の記事では、簡単に子安さんのメガネキャラについて触れてみたい。

①ジェイド・カーティス(テイルズ オブ ジ アビス)

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鬼畜眼鏡大佐とも言われ、アビスの人気投票では上位に食い込むジェイド。

②クルル(ケロロ軍曹)

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ゲーム「ケロロRPG」で上のジェイドの技を使うクルル。

③アダム・ブレイド(NEEDLESS)

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メガネではなくサングラスだが、同系統の子安キャラとして紹介。

④レザード・ヴァレス(ヴァルキリープロファイル)



私の中で、子安さんのメガネキャラのイメージを確立させたのが、このレザード・ヴァレス。
ヴァルキリープロファイルアニメ化されないかなぁ。

まとめ

子安さんのメガネキャラの傾向には
鬼畜のジェイド、陰湿のクルル、変態のレザードというように
何かに長けているが、性格が大変というキャラが多いように思われる。

ただ「ニセコイ」のクロードは、ザスティンの流れもあり
ヒロインの忠実に身を案じるキャラクターであるように思われる。
 
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[ 2014/01/19 09:25 ] ニセコイ | TB(20) | CM(0)

「中二病でも恋がしたい!戀」の回転させる演出について-回転の石原立也 

「中二病でも恋がしたい!戀」 2話を視聴。

2話の最後で、昼には回らなかった風車が夕方には周るシーンを見て
本作は「回転」が重要な描写、もしくはモチーフなのではないかと思った。
今回は「回転」から「中二病でも恋がしたい!戀」を見てみたい。

回転し続けるOP

そもそもOPからして回転の描写のオンパレードだ。

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インパクトある、タイトルロゴを回転させる演出。

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魔法陣を腰を振って回転させている六花。

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魔法陣が回転するように、キャラクターも回転。

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こちらもキャラクターが移り変わっていくとともに、魔法陣が回転している。

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OP、最後のあたりで、キャラクターをグイグイ回している。

以上、OPでは特に4人の女の子が魔法陣にいる時は
ほぼ何かしら、カメラもしくはキャラクターを回転させている事がわかる。
これは映像的な見栄えを試みたものでもあるのだろうが、
タイトルロゴまで回転させたとなると、作品自体に「回転」が重要なテーマがあると勘ぐってしまう。

特に本作は「戀」という単語が付け加わっただけに、
「戀」に関することと「回転」が関係するのかもしれない。
今後の展開も踏まえて注目していきたい。

2話の回転描写

本編、2話で目立った回転の描写はこちら。

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勇太と風鈴の会話の切り返しでは、カメラがめまぐるしく回転するかのように動く。

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そして勇太は風鈴を追い掛け回す。
モリサマーさんを中心に、回転する二人。

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そして後半のクライマックスといえる風車の回転。

物語の展開を踏まえて考えてみれば、
この風車の回転は二人の恋が少し前進した事を意味するとも捉えられる。

もしくは二人の関係自体が回っている、
堂々巡りも意味も含めて、
同じことを繰り返しているのではという、見方もできるだろう。

回転の石原立也さん

さて中二恋のOP、そして2話のコンテは監督の石原立也さんだが、
石原さんは他の作品のOPでも回転を使った演出を試みている。

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けいおん!2期の1つめのOP。
このカメラの動かし方、回転は多くの人にインパクトを与えたであろう。

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日常の1つ目のOPでも3人を回している。

回転させる演出は石原さんが好きなのかもしれない。

まとめ

2期もまだ2話の段階なので、
「回転」がこの作品においてどのような意味があるかを検討つけるには
まだ材料が足りないと感じたが、今後の描写も見つつ考えていきたい。
 
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「桜Trick」のシャフト的・ひだまりスケッチ感溢れる演出について 

「桜Trick」1話を視聴。

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(キスシーンは凄かった)

OPクレジットを見たら石倉賢一さんが監督をしているのを知り
どんな画面作りをするのかを期待していたら、
石倉さんが「☆☆☆」ではシリーズディレクターも担当した
シャフト制作「ひだまりスケッチ」シリーズ的な演出をしていたのが印象的だった。

ではシャフト的、ひだまりスケッチ的な演出をしてるのかを挙げてみる。


①平面的な構図とテクスチャー処理の多用

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キャラクターの後ろ髪をテクスチャー処理し
「ZZZ]や汗などの漫符を盛り込んだ平面的な構図。
「ひだまりスケッチ」でもよく見られた絵作りだ。

②イメージBG・実写的素材の使用

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イメージBG(イメージで描かれる背景・キャラの感情を表現の為に使われる)を多用した背景。

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こちらも背景はイメージBGだが、
イメージBGにプラスして実写的な素材を当て込むのもシャフト作品らしい。

③明度の高い色づかい

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「ひだまりスケッチ」で使われても違和感を感じさせない色使いと平面的構図。

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「ぱにぽにだっしゅ」以来のシャフト作品で使われる色使い。


④カットの繋ぎで入る極度に記号的な描写

キャラクターのやり取り中のシーンでは、キャラとキャラを映すカットつなぎに
極度に記号化されたカットが挿入されている演出が多かった。
こうした演出もシャフト的であるといえよう。

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優のムっとした表情を記号化した口元で表現する。

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二人が移動している、教室に入ろうとしている描写を足の形で表現。

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作画枚数を使うより、カット数を増やし記号的表現を盛り込むことでリズム感を与え、
わかりやすくテンポよく、物語を展開させるシャフト的・ひだまりスケッチ感な表現。

⑥要所で入る、アイキャッチ

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「ひだまりスケッチ」でも、1話の中に様々なアイキャッチがお目見えしていたが
「桜Trick」も同様に、様々なアイキャッチが見られそうだ。

まとめ

以上「桜Trick」はシャフト的演出、
その中でも「ひだまりスケッチ」感溢れる仕上がりになっていた。

こう見ると監督の石倉賢一さんが「ひだまりスケッチ」の演出を買われて、
本作に参加したのかと推測してしまう。
放送時間帯的にもTBS木曜であり、
芳文社原作という意味で「ひだまりスケッチ」とは製作的に共通点が多い。
「ひだまりスケッチ」と違うのは「桜Trick」の製作がポニーキャニオンという点。

そして一ついえるのが、今回の石倉さんも、もしくは例えば大沼心さんも含めて
シャフト制作作品で演出をされた方が、他社制作の作品で監督をされる時、
シャフト的な演出がその作品で生きてくるということ。

またシャフト制作ではなく、
スタジオディーンの「桜Trick」でシャフト的演出が見られる意味でも、
シャフト演出はもしくはシャフトで仕事をした演出家さんが、
他社制作の作品でも使える汎用性がある手法だと再確認できた。

シャフト演出の影響は、アニメ界においてより広範囲に及ぶのかもしれない。
そして日本のアニメはこうした各制作会社の演出の色が、
人の行き来を通して、外部にも様々に影響し合っていくことで発展してるのだろう。

おまけ

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それにしてもこのキスを求める百合路線な作風は
キャラクターデザインの坂井久太さんのスタイルと完璧にハマりすぎている。
それは、かつて坂井さんは自身の画集や、かつて参加したぴたテンの百合同人を描くなど
百合志向なアニメーターさんであることからもわかる。
 
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[ 2014/01/11 09:33 ] 桜Trick | TB(13) | CM(6)

メタサンライズアニメとしての「ガンダムビルドファイターズ」13話 

ガンダムビルドファターズ13話を視聴。
今回も面白かった。
それは過去のサンライズアニメのネタがぎっしり詰まっていたからである。

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例えば、今回はガンダム同士が野球をする展開。
まるで「疾風アイアンリーガー」のようだ。
ガンダム作品でここまで遊べる展開を用意したのかと感心した。


(参考画像:疾風アイアンリーガー)

今までのガンダムシリーズのMSの参加のみならず、
往年のサンライズ作品の要素を拝借するような内容。
まるで今までのサンライズのネタ/ノウハウを総動員してきているかのようだ。

また他にも、

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ハンマー、背景にトンボを飛ばす演出を見ると、
アニメのシティハンターを彷彿とさせるようだ。

参考:シティーハンター3 第9話「雨のち晴の恋予報!美人キャスターに愛の傘」(Umikaze Blogさん)

特に背景にトンボを使う演出は久しぶりに見た印象。
ちなみにシティハンターのアニメも制作はサンライズ。
ロボットアニメではないサンライズ作品からも拝借してきたかのようだ。

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EDでもお馴染み、MSの顔にキャラを乗せる描写は
今川泰宏さんの「Gガンダム」的でもある。

今後もガンダムビルドファイターズは、
往年のガンダム、そしてサンライズ作品ネタを使ってくるのかもしれない。
ガンダムだけではなく、サンライズ作品をも包括するBF。
こうした過去作品のネタをみつけながら見るのも面白いと思う。
 
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「バディ・コンプレックス」の1話の見所、および期待 

サンライズ8スタ制作によるオリジナルロボットアニメ、
バディ・コンプレックス(略してBC)1話を視聴。
見終えて、BCへの期待感が膨らんだ。

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まず良かったのは、弓原雛さんが可愛かったこと。
主人公と接近すると、顔を赤らめる表情が良かった。
早見沙織さんの声も合わせて良い。

次に主人公の渡瀬青葉がバスケが得意という設定。
ロボットアニメとバスケの両方が好きな私としては、
この辺りがどう本筋と絡んでいくかが気になる。

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OPでもバスケットボールを持つ渡瀬青葉が描かれ、
OP後の最初のカットでも、バッシュ:エアジョーダン1を飾る描写を見せるなど
今後の展開にバスケがどう用いられるかを期待させてくれる感じではある。

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1話で一番良かったのは、学校・市街地で敵ロボットが生身の渡瀬青葉を追いかける展開。
学校内や街中の破壊描写も描き、さらに敵ロボットと渡瀬青葉のサイズの大小を描きながら
両者の戦い(逃走劇?)をみせなくてはいけないという
とても難しい舞台設定にも関わらず、緊張感たっぷりに見せてくれたのが良かった。

不利な状況をいかに打開していくか、その打開の仕方でカタルシスが生じるわけだが、
青葉は巨大なメカに対しても臆せずにいたのが良かったなぁと。


またロボットアニメでよく問われる
「いかに主人公を自然な形でロボットに乗せるか」という点に関しても、
渡瀬青葉に危機を与え、雛が乗るロボットに同乗し、さらに主人公が乗る展開は
結構自然な流れだったように感じたので良かったなぁと思った。
※まだ青葉が操縦していないというのがポイントかも。

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何より雛が可愛かったのが良かった。
青葉にただならない感情を抱いているのは、すぐに顔を赤らめる描写でわかるのだが
1話の段階では、雛がなぜ青羽を意識しているのかはわからなかった。

一つ言えるのは、物語上で青葉と雛が近接する状況をうまく作り上げる、
例えば消しゴムを掴み損ねてバランスを崩した雛に青葉が近づく、
もしくはロボットに同乗させて二人を隣接させるなど、
雛が青葉を意識させるような近い距離を自然に作っていたのは上手いと思った。

ただ今の段階では、雛は退場してしまいそうな感じでもありつつ
でも、もしかすると雛の再登場の可能性もありそうではある。
私としては雛さんの再登場を期待したいなぁと思う。


まとめ

サンライズは相変わらずロボットアニメを作るのが上手いと思った。
それはガンダムSEEDのOPのキャラ配置を意識したようなOPもさることながら、
本編でのロボットのアクションが、ロボットとキャラクターの対比が上手かったからだ。

サンライズのロボットアニメの蓄積は伊達ではなく
このサンライズの中でも最も瑞々しい勢いがある8スタが手がけるBC。
次回以降のロボットアクションを、物語展開を期待したい。
 
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ガンダムビルドファイターズ 2話のバトル演出の魅力-機体の位置関係からの考察 

はじめに

ガンダムビルドファイターズ 2話が面白かった。
特に面白かったのが、後半の紅の彗星ことユウキ・タツヤとイオリ・セイ/レイジの戦いだ。

面白かった理由として、ユウキ・タツヤがイオリ達を追い込み打ち勝つ
一連の流れの演出が抜群に上手かったからだ。

この演出を生み出していたのは、
ビルドストライクとザクアメイジングのめまぐるしく変わる両機の位置関係だ。
今回はこの位置関係に注目しながら語っていきたい。

ままぐるしく変わる位置関係

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まず最初の両機の位置関係だが、
上手(右側)にいるビルドストライクガンダム
下手(左側)にいるザクアメイジング
となっている。

主人公側が上手、敵側が下手に配置されるのは、基本的な配置の仕方だ。
そして両機の戦いが始まる。

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まずザクアメイジングが突進し、
待ち構えていたビルドストライクのビームサーベルの斬撃をかわし、
逆側に滑り込むように移動。

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ここで
ザクアメイジングが上手、ビルドストライクが下手となり両者の配置が逆転する。
戦いの状況が変わったと見ていいだろう。

下手のビルドストライクは風上を取ったと自分たちが有利だと思うが、
ザクアメイジングは驚きの速さで再び間合いを詰め、ヒートナタで斬撃を浴びせる。

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ここで再び、ビルどストライクがザクアメイジングの斬撃を交わすことで
ザクアメイジングが下手、ビルドストライクが上手と、両機の位置関係が、再逆転する。

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ここで下手側のユウキ・タツヤのアップが挿入。
両者の位置関係を次々にめまぐるしく変えているのは、ユウキの戦い方によるものだ。
その意味でユウキが戦いの主導権を握っている事が伝わるカットだ。

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「燃え上がれ。燃え上がれ」と
機動戦士ガンダムの主題歌「翔べガンダム」の歌詞と同じ言葉を言うユウキは、
さらにビルドストライクの斬撃を交わし、再度回り込む。

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ここで今度は上手側のユウキのアップが挿入されるが
このカットではザクアメイジングの回り込みに合わせて
コクピット内のユウキの回り込みが描かれている。

このザクアメイジングがビルドストライクを回り込み続ける描写が、
ビルドストライクを八方塞がりに追い込む効果を産む演出につながる。

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そして再び、画面の上手側に回るザクアメイジング。
上手・下手がめまぐるしく変わる展開が続く。
再び、ザクアメイジングはビルドストライクに突進。

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ダメ押しともいえる「ガンプラ」と叫ぶユウキのアップ。
このユウキのアップで完全に流れはザクアメイジング=ユウキにあるのは明らかだ。
ここでザクアメイジング=上手=強者
ビルドストライク=下手=弱者、という力関係が白日になる。

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さらにここで、ザクアメイジングはジャンプでビルドストライクの裏を取る、
ただの上手・下手の力関係をさらに超えた、位置関係の演出。

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ビルドストライクもキックを試みるが、ザクアメイジングのヒートナタにより転倒。
この転倒の決定的瞬間を俯瞰で見せたのが抜群に上手い。
今までのカットが煽り気味の構図が多かっただけに、より際立つ演出。

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そしてザクアメイジングはビルドストライクの喉元にヒートナタを突きつける。
勝負あったの瞬間だ。

まさにユウキのザクアメイジングがレイ達ビルドストライクを
操縦技術、経験、スピードで上回った事を突きつけられた展開だった。

まとめ

ユウキのザクアメイジングが下手から上手へ、上手から下手に
めまぐるしく変わる、もしくは位置関係を自由自在に操る戦い方を行うことで、
視覚的にザクアメイジングがビルドストライクを追い詰める演出が抜群に上手かった。

対するビルドストライクは斬撃やバルカンを撃つとはいえ、
自由自在に移動する相手の速さについていけず、動けていないのだ。
動くザクと動けないガンダム。両者の技量の差がこの面からでもわかる。

また戦いで流れるラテン調の音楽によって
まるでザクアメイジングがスペインの闘牛のような存在に見立てられ、、
マタドール(ビルドストライク)を追い詰めていくかのように聞こえるのだ。

こうした戦い方の見せ方一つをとっても、ガンダムビルドファイターズは上手いし
それが面白さにつながっているのではないかと思った。

ガンダムビルドファイターズには、
今後もMS同士の戦いの魅力を存分に描いてもらいたいし、
それこそLODガイキングのように
メカ作画好きなアニメーターさんが集結して暴れてほしいとも思う。
 
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こんなガンダムアニメを見たかった-ガンダムビルドファイターズ 1話 

新作ガンダムアニメ。

記事のタイトル通り、こういうガンダムが見たかった。
もしくは私が見たい映像に満ち溢れていた1話だった。

まずメカアクションが最高。

ウィングガンダムが、ギャンが、1stガンダムが、メッサーラが、ディジェが
今の絵柄・解釈でデザインされた作画でよく動く。もちろん手描き作画。
ガンダムは、手書き作画によるアクションが醍醐味だ。
何にしても、今までのMS達が登場するのがたまらないし、
今後も色々登場するのかと思うと、胸がワクワクする。

MSの動かし方も、MSが速すぎないよう目で追えるスピードにしつつ
見栄やハッタリの効いた絵を所々に入れるのが良かった。
ここら辺は、SEED→00→AGEの流れを踏襲しているのだろう。

またガンダム作品の多くは戦争が舞台である為、多勢と多勢を描くのだが、
本作は、戦いの基本である1対1がメインになっている。
この1対1こそ、1stのガンダムとグフの戦いのように、ガンダムの原点回帰なのかもしれない。
特に最後にビームサーベルを取り出し、ギャンを斬るシーンは本当にかっこよかった。

キャラクターも面白い。プラモ作りは上手いが、ガンプラバトルは不得意なセイ。
日本的な常識があんまし無いが、セイの父親にも似たガンプラの扱いをするレイジ。
二人の凸凹コンビの掛け合いは魅力的であり、かつ共感しやすいキャラのように見える。

他にも可愛いお母さんや、ラルさんが良かった。

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大張正巳さんが、セイのお父さんが操る1stガンダムを動かすシーンの原画を担当。
今までのロボットアニメを牽引した大張さんが、1stガンダムを描くことで
若手に対して次代へのロボットアニメを繋ぐ架け橋役になったとも思えた意味で
中々に感慨深いシーンであり、単純に大張さんの1stガンダムが見られたので嬉しい。
 

ガンダムはかっこよさとは何かを表現してほしいジャンルだと思っている。
それは見た目のかっこよさ、強いことでのかっこよさもあるが
何より少年達の勝ちたい、強くなりたい心の純真さをカッコよく描いて欲しい。
こうした少年達の気持ちをどうガンダムを通し発現していくのがを見てみたい。

まとめ

ガンダムビルトファイターズがどんなかっこよさを発信していくのか。
1話を見た限りこの路線が続いてほしいと思うので、
商業的にも成功して欲しいと願うのみである。
果たしてプラモは売れるのか、子供からの人気は得られるのか。
  
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「凪のあすから」1話の魅力に迫る-尻アニメに潜む世界の奥底 

はじめに

凪のあすから1話がとても面白かった。
今回は自分なりに1話の魅力について語ってみたいと思う。

①尻アニメ的要素に潜む世界の奥底

凪のあすからは、尻アニメである。

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それは上のように、ファーストカットが光の尻から始まり、

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まなかの初登場シーンでは、後ろから顔を映してからのPANで下半身・尻方向へ見せる演出。

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そして最後は後ろ姿というお尻側を見せつつ海の世界に変える光とまなか。

フェチ的にお尻を映しているわけではないが、
1話という物語の始め、ヒロイン初登場という場面、そして1話の最後という
ポイントポイントでお尻(後ろ)を見せる演出をしているのがよくわかる。

個人的には、こうした要所を尻、もしくは後ろ姿で締めてくるのは
この作品には奥があるというイメージを持ってしまう。
この奥とは物語の奥でもあるし、世界観の奥でもあるし、
キャラクターの奥でもあるし、海の世界の奥なのかもしれない。

光にもまなかにもちさきにも要にも紡にもまだ見えないキャラクターの奥。
そして彼らの奥底を描き、引いては世界の奥底を魅力を描くのが
本作なのだろうと勝手に期待している。

②細かい魅力ある演出に惹かれる

そして凪のあすからは魅力的な描写でいっぱいだ。

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アバンの光の朝食シーンから家を出るまでのシーン。
半裸から着着というふすまの開閉一つで光の着替えを見事に描写。

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夜の海岸沿い。
光の視点からはまずまなかの姿が映るが、
実はその後ろには紡がいる事が陰影を用いて見せる描写。

見せ方一つ一つが実に上手い。

何より世界の広がりを見せつつ、その世界を縦横無尽にキャラクター達が動くのが魅力だった。

③魅力的なブリキさんの原案を石井百合子さんがモノにする


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また、まなかも含めてキャラクターの絵柄の魅力がすさまじい。
線質が繊細かつ情報量も多いブリキさんのキャラクター原案を
石井百合子さんがキャラクターデザインをして果敢にブリキ絵をモノにしている。
もしくは石井さんを中心に修正を加え、絵柄の強化を図っている。

「電波女と青春男」の西田亜沙子さんのブリキ絵の解釈も良かったが、
石井百合子さんも負けてはいない。
この絵柄の魅力は作品を見続けるための大きな訴求力になると思う。

④美術の魅力-精鋭ぞろいのスタッフ

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またこの背景を見て、美術も素晴らしいなぁと思った。
今回美術はスタジオ・イースターがやっていたが、
撮影もT2studioが担当している点も含め、
凪のあすからはスタッフ的にも精鋭を集めてきているなぁと感じる。
絵コンテは篠原俊哉さんで、演出は浅井義之さんという組み合わせは強い。

まとめ

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物語的には海と陸 光と紡、というように
二項対立的なモチーフをベースに、その中の入り乱れた人間関係を描きそうだ。

本格的な恋物語を手がけるのは「true tears」以来。
水というアニメにおいて難しい表現に果敢に取り組もうとしている意味も含め
P.A.WORKSという新たなチャレンジとして「凪のあすから」に期待したい。
 
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[ 2013/10/04 21:22 ] 凪のあすから | TB(27) | CM(0)

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