はじめに
ガンダムビルドファイターズ 2話が面白かった。
特に面白かったのが、後半の紅の彗星ことユウキ・タツヤとイオリ・セイ/レイジの戦いだ。
面白かった理由として、ユウキ・タツヤがイオリ達を追い込み打ち勝つ
一連の流れの演出が抜群に上手かったからだ。
この演出を生み出していたのは、
ビルドストライクとザクアメイジングのめまぐるしく変わる両機の位置関係だ。
今回はこの位置関係に注目しながら語っていきたい。
ままぐるしく変わる位置関係
まず最初の両機の位置関係だが、
上手(右側)にいるビルドストライクガンダム
下手(左側)にいるザクアメイジング
となっている。
主人公側が上手、敵側が下手に配置されるのは、基本的な配置の仕方だ。
そして両機の戦いが始まる。
まずザクアメイジングが突進し、
待ち構えていたビルドストライクのビームサーベルの斬撃をかわし、
逆側に滑り込むように移動。
ここで
ザクアメイジングが上手、ビルドストライクが下手となり両者の配置が逆転する。
戦いの状況が変わったと見ていいだろう。
下手のビルドストライクは風上を取ったと自分たちが有利だと思うが、
ザクアメイジングは驚きの速さで再び間合いを詰め、ヒートナタで斬撃を浴びせる。
ここで再び、ビルどストライクがザクアメイジングの斬撃を交わすことで
ザクアメイジングが下手、ビルドストライクが上手と、両機の位置関係が、再逆転する。
ここで下手側のユウキ・タツヤのアップが挿入。
両者の位置関係を次々にめまぐるしく変えているのは、ユウキの戦い方によるものだ。
その意味でユウキが戦いの主導権を握っている事が伝わるカットだ。
「燃え上がれ。燃え上がれ」と
機動戦士ガンダムの主題歌「翔べガンダム」の歌詞と同じ言葉を言うユウキは、
さらにビルドストライクの斬撃を交わし、再度回り込む。
ここで今度は上手側のユウキのアップが挿入されるが
このカットではザクアメイジングの回り込みに合わせて
コクピット内のユウキの回り込みが描かれている。
このザクアメイジングがビルドストライクを回り込み続ける描写が、
ビルドストライクを八方塞がりに追い込む効果を産む演出につながる。
そして再び、画面の上手側に回るザクアメイジング。
上手・下手がめまぐるしく変わる展開が続く。
再び、ザクアメイジングはビルドストライクに突進。
ダメ押しともいえる「ガンプラ」と叫ぶユウキのアップ。
このユウキのアップで完全に流れはザクアメイジング=ユウキにあるのは明らかだ。
ここでザクアメイジング=上手=強者
ビルドストライク=下手=弱者、という力関係が白日になる。
さらにここで、ザクアメイジングはジャンプでビルドストライクの裏を取る、
ただの上手・下手の力関係をさらに超えた、位置関係の演出。
ビルドストライクもキックを試みるが、ザクアメイジングのヒートナタにより転倒。
この転倒の決定的瞬間を俯瞰で見せたのが抜群に上手い。
今までのカットが煽り気味の構図が多かっただけに、より際立つ演出。
そしてザクアメイジングはビルドストライクの喉元にヒートナタを突きつける。
勝負あったの瞬間だ。
まさにユウキのザクアメイジングがレイ達ビルドストライクを
操縦技術、経験、スピードで上回った事を突きつけられた展開だった。
まとめ
ユウキのザクアメイジングが下手から上手へ、上手から下手に
めまぐるしく変わる、もしくは位置関係を自由自在に操る戦い方を行うことで、
視覚的にザクアメイジングがビルドストライクを追い詰める演出が抜群に上手かった。
対するビルドストライクは斬撃やバルカンを撃つとはいえ、
自由自在に移動する相手の速さについていけず、動けていないのだ。
動くザクと動けないガンダム。両者の技量の差がこの面からでもわかる。
また戦いで流れるラテン調の音楽によって
まるでザクアメイジングがスペインの闘牛のような存在に見立てられ、、
マタドール(ビルドストライク)を追い詰めていくかのように聞こえるのだ。
こうした戦い方の見せ方一つをとっても、ガンダムビルドファイターズは上手いし
それが面白さにつながっているのではないかと思った。
ガンダムビルドファイターズには、
今後もMS同士の戦いの魅力を存分に描いてもらいたいし、
それこそLODガイキングのように
メカ作画好きなアニメーターさんが集結して暴れてほしいとも思う。