波打際のむろみさん3話が抜群に面白かった。
その抑えておきたい面白かったポイントを3点挙げてみたいと思う。
① つかみが上手かった
つかみという言葉がある。gooの辞書にも
相手の気持ちを引きつけること。また、その事柄。お笑い芸人が観客を引きつけるために最初に放つ独創のギャグ。また、講演や説明会の最初に聴衆の関心興味を高めるために話す事柄。「―のうまい芸人」
と書いてあるように、笑いを行う上で、つかみはとても重要である。
ではむろみさん3話のつかみとは何か。
まずアバンで、ひぃちゃんの自身のイルカ好きを説明していたシーン。
ここで何種類かのイルカが次々に紹介される。ここまでは普通の展開だ。
しかし、
「ムテキーーーング!!」いきなり1980年代のアニメ「とんでも戦士ムテキング」のムテキングが脈絡なしに現れる。
この飛躍性と意外性。ムテキングの登場の瞬間に、つかみはOKなのである。
さらにこのつかみはOKのまま、OPに突入するところも素晴らしい。
ちなみにムテキングが登場できたのは、むろみさんの制作元がタツノコプロだからである。
セルフパロディに関しては、タツノコプロは寛容であり、他のタツノコ作品でも
多々見られるが、まさかむろみさんでムテキングは予想できなかった。
② 広がる舞台性~狭い空間からの開放
作品の舞台が広がっていく感じも面白かった。
「波打際のむろみさん」というタイトルだけあって、
1話は波打際が舞台で話が進み、
2話も、むろみさんがモルジブに行った場面もあったが、ほぼ波打際がメイン。
対して3話は一気に舞台が広がった。
水族館のイルカにいちゃもんをつけるむろみさん。
昔付き合っていた彼氏の回想シーン。(2億年前)
浅瀬
海底
以上のように物語の舞台が次々に変わっていったのが3話の大きな特徴。
波打際という狭い舞台から徐々に広がっていく世界への展開。
世界が広がれば、それだけ語り方やギャグにも広がりが出てくる。
1話2話の波打際という狭い空間で延々やり続けてきたタメが生きてくる瞬間でもある。
③ 絵づらが面白い
単純に絵を見ていても面白いのがポイント。
波打際を俯瞰しているシーンだが、
たっくんをひいちゃんとイルカが囲んでいる。
状況的にも変な点と、俯瞰している分画面から妙な達観性と客観性が伝わり
おかしみのある絵づらになっていると思う。
むろみさんとひぃちゃんが喧嘩し組合っているシーン。
周りにイルカがいて、視聴者を置いてきぼりにしないよう、
画面手前にたっくんを配置して、ツッコミ役として機能させたシーンだ。
どちらにしてもイルカが良い味を出している。
他にはむろみさんのこの表情。
出崎さん的なハーモニー的処理と、
大張正巳さんの必殺技の光る赤い目という掛合わせ技。
ちなみに大張さんの光る赤い目は下記画像を参照。
(参考:スーパーロボット大戦OG2より、監督:大張正巳)
アニメ表現的にも面白い所が散見されるのも楽しめる。
まとめ
以上のように、むろみさん3話は面白かったポイントがあった。
他にも
むろみさんがひぃちゃんにオキザヨアタックをかける時も
わざわざ、オキザヨリの絵を一つ挟み込む点も、テンション高くて面白かった。
全体的に、ギャグ寄りな作品にいえる傾向だと思うが、
キャラクターが出揃い、キャラが立ち始めてからが
作品の面白さが出てくると思うので、4話以降でどう展開されるかを期待したい。