感想個人的に大好きな展開だった最終回。キスをすると不完全な十兵衛が消えてしまう展開は辛かったです。「この苦しみ誰がわかってくれるのか」とイデオンのドバ総司令のような気持ちでした。
案外十兵衛の最後のキスはあっけなく、それでいて彼女の葛藤も少ないように見えました。
まぁこの後に最終決戦が待ち受けているからこそなのでしょうが。
でも、この部分は今までの積み重ねがあり彼女が可愛いキャラになっていたので十分でしょう。
そして幸村や千姫とも再度のキスという展開もまぁご都合主義的ではありますが
最終決戦に強くなる必要があるし、盛り上がり的にも必要な措置でしょうし。
ご都合主義展開は悪いわけでは無い。むしろ視聴者に面白さを提供する意味で
物語をコンパクトにまとめる意味でもご都合主義は時として燃えるものになります。
(まぁしらけさせてはダメだと思うけど)
義仙と十兵衛の対決は姉と妹、陰陽、プラスとマイナス、正負といった二極の争いでした。十兵衛が触手プレイにされているのはお約束ですが、
義仙の水原薫さんは、情に狂わされた敵役がお似合いだなと思いました。
喰霊の黄泉を思い出さずに入られません(まぁ黄泉は姉キャラでしたけど)。
最後のバトルからは画面が白黒になりましたね。このアニメは墨アニメといわれているぐらいですから
白黒で演出するのは当然の帰結かなと思うのです。
それは墨といえば水墨画であり、
水墨画といえば白黒で演出された濃淡で描かれるものですから。
こう考えると、墨アニメであった本作が最後は白黒演出をやりたかったのはアリなのかなと。
そして白黒演出のアニメの決定版といえば
「トップをねらえ!」の最終話です。
「サムライガール」も「トップをねらえ!」も最後に世界を守るために
自分が犠牲になるという展開という意味では同様に見えました。
個人的には最後の白黒演出は「トップをねらえ」のオマージュと共に
墨アニメとしては、至極まっとうな表現だったのかもしれません。一方では十兵衛と義仙が空へ飛んでいく様は
星闘士星也の紫龍とシュラの戦いで空に昇っていった展開を彷彿とさせますし
ダイの大冒険の最終話でダイが黒の結晶を地球圏外へ昇っていった展開も思い出させます。
最後の義仙の「再び私は蘇る」っていう台詞も大好きですね。
これらの少年ジャンプ的展開は良いですね。
しかも打ち切りっぽい雰囲気も含めて憎めない好きさがあります。
というわけで、十兵衛が世界を救うために空に行ってしまったオチになりました。
ある意味テンプレート的な展開、ご都合主義で上手くまとめた感じです。
でもこういう作りは嫌いではなく、むしろ好きだったりするのですよ。
表現を見せたいからこそ、話はあえてテンプレート的な感じのところがです。
まとめ墨アニメの一言で片付くのですが、
キャラクターに上手く感情移入できる作品だったと思うし、
中盤ぐらいのコメディ以降からは、作品が回転した機能したように思えます。
1クールアニメとしてやれることをキッチリやった、ある意味大人の仕事だった感じです。
十兵衛も兼継も千姫も幸村も最後はニアですら
可愛く感じられるようになったのは、上手かったですね。
あとは架空戦国学園うんたらと言っていいような
ごった煮の闇鍋みたいな世界観を全て墨や絵巻物のようなビジュアルで
表現して統一感を与えたのは良かったですね。
普通の色彩でやっていたら、普通の作品になっていたでしょうから。
個性が打ち出せたという意味では面白かったですし、
世界観を表現するにはビジュアルの構築の重要性も教えてくれました。
2期があるのかどうかわからないけど、えっちいのは売れるので期待して待ってます。
最後に悠木さんの演技が本当に良かったです!!