「クロスアンジュ 天使と竜の輪舞」1話を視聴。
どういう話なのかなぁと思ってみていたが、
どうやら全てを失った姫が、戦い生き抜く話のようである。
堕ちる姫の居場所と画面効果
1話の良かった点は「堕とされた皇女」というサブタイトル通り
アンジュリーゼが、堕ちていく過程が物語だけではなく
画面効果的にも現れていたことだ。
儀式を行うアンジュリーゼは建物の頂点。一番上にいるが、
マナが使えないノーマであると、兄であるジュリオに暴露されると、
母のソフィアに連れられて、頂点から建物の下へ下へと逃げていく。
そして建物から地面へと脱出する。
ここでも待ち構えた者(兵士?警察?)が銃撃するも
ソフィアがアンジュリーゼを庇い死に、地面に落ちていく。
さらにアンジュリーゼがヘリで搬送されアルゼナルに連れてカットも
暗い僻地という点とヘリ(空)から島(地)へ落ちることを予感させる点で
アンジュリーゼをさらに突き落とす感じがよく出ている。
頂点から地面へ移動しつつも姫がノーマと晒され落ちていく。
この堕ちていく過程が、アンジュリーゼのいる場所の変遷からも
わかる展開が中々に面白かった。
尻の先にある尻アス
一方で、アンジュリーゼがアンジュになる衝撃的なラストであるが、
その予感を期待させるショットは何箇所かあった。
アバンもアンジュを映すシーンでは顔より先に尻を映し、
アバン以降の初めてのカット(サブタイトルが出るところ)でもお尻から始まる。
妙に尻が意識されたショットを何度か見せながら展開させて
事が起こる直前でアンジュリーゼの尻のアップ。
こうした積み重ねの上で、アンジュリーゼはアンジュになったのである。
こうしたハードで容赦のない展開を描けるのは、
監督で今回のコンテ担当でもある芦野芳晴さんがいるらだろう。
芦野さんといえば「魔法少女まどかマギカ」の3話のコンテ担当であり
有名な巴マミの死亡シーンを手がけた方であれば、
本作をハードに描くのも頷けるだろう。
福田己津央さんの匂い
本作は「ガンダムSEED DESTINY」以来、
福田己津央さんがクリエイティブプロデューサーとして参加しているが
アバンのドラゴンとの戦闘シーンでの、以下のようなメカの見栄の切り方
裸の男女が向き合うOP映像の絵作りも含めて、
福田さんらしい(主にSEED)色が強く出ている。
重田智さんも参加しているから、より強く出ている面もある。
今後もメカアクションの部分は、福田さんの匂いが出てきそうではある。
まとめ
芦野芳晴さんの色と福田己津央さんの色がそれぞれに出ているという
ひとつの作品に二人の監督の匂いがする1話ではあったが、
今後もこの二人がどういう色を見せていくのかに期待したい。
設定考証に野崎透さんがいる点にも期待。