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「ハピネスチャージプリキュア!」32話の山内重保演出のおさらい 

はじめに

「ハピネスチャージプリキュア!32話」の演出は山内重保さん。
演出があるアニメは面白いと思わせる内容だった。

特にいおなが相手からの告白に戸惑いながらも、
自分の気持ちを整理・確認して、相手に想いを伝える流れが良かったし、
恋愛に対するナマケルダの含蓄ある発言と態度が
ナマケルダのカッコイイ一面を描き出していたのも良かった。

山内さんは「まじかる☆タルるートくん」「花より男子」「おジャ魔女どれみ♯」
といった過去のニチアサ作品のシリーズディレクターでもあり、
他のニチアサ作品にも演出として参加された東映アニメに縁深い演出家。

そんな今回の山内重保さんの演出をおさらいしてみたい。

①フェティッシュな脚の描写

山内さんといえば脚だ。

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(ハピネスチャージプリキュア!32話)

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(「kanon(東映アニメーション製作)」8話)

ローアングル気味で脚をフェティッシュに見せる描写。
山内さんがフェティッシュな脚演出を見せるのは、
東映アニメーション版「kanon」の8話で気づいたのだが、山内さんの定番の脚描写。

②アクションシーンにおける足の踏み込み

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(ハピネスチャージプリキュア!32話)

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(夢喰いメリー1話)

足の踏み込みは「とある科学の超電磁砲」9話や「キャシャーンsins」でも見られる描写。
重心移動をキッチリ描いたアクションは映える。

③セピアな色彩-凝った美術・撮影

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(ハピネスチャージプリキュア!32話)

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(君のいる町6話)

恋という未知の世界に戸惑ういおな(キュアフォーチュン)の
不安や迷いを色彩で表現している。

こうした色彩を凝った美術と撮影で魅せる。

山内さんも自身の演出方法を以下のように語っている。
山内 あ、僕の場合は、画が描けるわけではないから、僕のできる範疇で力を入れるとなると、撮影や背景、あるいは音楽という事になるんですよね。それにどうしても2次元の世界を、3次元に持っていきたいという気持ちが強いから、そういう指向になる。

WEBアニメスタイル 「『カエル石のひみつ』の映像表現と山内節」 山内重保インタビューより


④二人の関係性を象徴するアイテムの使用ーフライングディスク

山内さんの演出は、キャラクターの同士の関係性をアイテムに託して描く。
今回は、いおなと海堂裕哉のデート中で使われた
フライングディスク(フリスビー)であるといえよう。

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二人が投げ合うフライングディスクは、お互いの気持ち・コミュニケーションでもある。

いおなが最初に海堂裕哉へ投げた時に、上手く投げられなくて、
自分の所に戻ってしまうのは、いおなが自分の気持ちを整理できていなくて
きちんと相手に意志を示すことができないことを匂わせる。

その次に海堂裕哉のアドバイスで、相手にフライングディスクが届くのは
一方ではお互いの意思疎通はできている事も感じさせる。

そしてサイアークを倒したあとで、再びフライングディスクを受け取るのは
いおなの返事(結論)はまだだとしても
海堂裕哉の気持ちをしっかり受け止めた事を意味している。

まとめ

山内重保さんの演出とは、情感が高ぶるように仕掛けられたものだと感じる。
不安も迷いも、そしてこれらを吹っ切ったあとの感情も強く描く。
キャラクターの感情がハッキリ印象づけられる演出だと感じる。

※過去に書いた山内重保さん関係の記事

翠星のガルガンティア6話とブレンパワード18話-踊る山内重保
山内・幾原派の美術背景術-君のいる町 8話と劇場版セーラームーンR
フクロウの像が象徴するもの-君のいる町 山内重保のいる町 6話
輪るピングドラム18話にみる、ワイヤー・手・赤い毛糸を用いた山内重保の象徴的演出の妙
 
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「ハピネスチャージプリキュア!」23話の板野サーカスについて 

ハピネスチャージプリキュア23話が面白かった。
物語的にもいおながメンバーに加わった点において
シリーズ前半の折り返しにあたる重要回であることがわかる。

また今回はアクション面の演出が充実。

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特に敵サイアークの卵ミサイルが板野サーカスのように描かれたのが面白かった。

追尾するミサイルをかわしながらキックをする
キュアフォーチュンをダイナミックに見せるカットで大満足。
チョイアークを配置することで空間性を表現している点も注目。
黄色とピンクの影つけ無しのエフェクトが楽しく画面を彩っているのも良かった。
色々なアニメで板野サーカスは行われているが、このサーカスはとても良かった。

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他にもミサイルの前にあったキュアフォーチュンとサイアークの殺陣も良かったし、
全体的にアクションシーンが目を見張った。

hapitya23001.jpg

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日常シーンでは上のようなコミカルな描写も多く、楽しかった。
クールさがウリだったいおなにこういう顔をさせるのは面白い。
それにしてもいおなは、ケチな庶民派だったとは。
 
演出の三塚雅人さん、作画監督上野ケンさんと原画スタッフの良仕事ぶりが光った。
 
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