感想バラバラに孤独になる春香
プロデューサーの転落事故で、ますます春香の精神は追い詰められます。
自分がみんなをまとめたいのに、逆にバラバラにしてしまうなんて…。
そんな春香の悲壮感は劇の芝居に良い影響を及ぼします(運命の皮肉)。
かえって凄味のある演技を増した春香。
劇では「私一人をおきざりにしてどうしたらいいの」という台詞があるようですが
この芝居の台詞全てが春香の気持ちを代弁するかのようでした。
逆に、春香の気持ちを代言する台詞だったからこそ春香の気合が入ったのか。
春香の心が孤独になる事を無人電車に託したシーン。秀逸です。
寒そうな孤独感を感じさせる電車内の青・緑系の色味も
春香の寂しさを表現していますね。
春香は全員ライブに専念したい。全ての仕事をストップしたいと律子に言います。
律子は驚きますが、美希は主役になった芝居はどうするのって聞き返します。
また美希は春香に「何がしたいの?春香はアイドルになって楽しくないの」と言います。
美希の素朴な質問、でも本質的な質問に春香は追い詰められていきます。
美希の問いに「わからない」という春香。混乱しているようです。
自分が何をしてきたのか、何をやりたかったのか。
おそらくサブタイトルの「夢」とかぶってくる事柄。
律子の判断で、春香は仕事を休養する事になりました。
この春香の休養。他のメンバーにも知らされます。
みんなもちろん気にしているようですが、仕事が多忙で事情が分からず。
春香の件の事情がわからないことで、
あれだけ一緒にいた仲間の事情も今はわからないんだ、という悲しい事実。
みんながバラバラになりつつある事をメンバーがやっと認識しつつあるようです。
春香の再生 千早の願い
天井を見上げる春香。天井を見上げる=心はここにないという感じでしょうか。
まぁエヴァンゲリオンっぽい演出です。
それはともかく、春香のお母さんが「外で気分刷新してみては」といいます。
心は浮かないまま、外に出てみた春香。
そうしたらジュピターの面々と再会する春香。まさかジュピターが出てくるとは…。
今のジュピターは仕事の規模は下がったとはいえ、仕事内容には満足しているようです。
ここでジュピターは「仲間の絆」という言葉を春香に投げかけます。
このジュピターとの再開は良かったですね。
かつての敵ポジションだった彼らが春香の気持ちを変えるキッカケになる。
そんな事を思わせてくれます。
一方、危機に感じた千早はプロデューサーと面会します。
千早は自分の家族を引き合いに出しつつも、
「メンバーみんなが、離れ離れになってしまう状況をなんとかしたい」と言います。
Pも千早の気持ちを汲み、みんなも同じ気持ちであると諭します。
Pの言葉に励まされる千早。そして家族にちゃんと自分の気持ちを伝える必要性も教えます。
Pも成長しましたね。最初は頼りなかったですが、
怪我をしていてもアイドルをきちんと管理しているようです。
千早は社長に説得して全員練習ができる段取りを整えます。
全員集合のショットが最近では、クリスマスパーティー以来でしょうか。
みんなに話を聞いてもらいたいと言う千早。
千早は春香がみんながバラバラになってしまっている状況
でもみんなの仕事が順調であることの板挟みになっていて、
みんなと一緒にいたいということを中々切り出せなかった事を話します。
また千早は自分が歌を失いかけた時にみんなの存在が力になったと言います。
そして千早は765プロが家族みたいな存在である事を告白します。
一緒にはいられなくても、みんな同じ気持ちの765プロ。
そんな春香は自分の存在に気付いた子供たちと出会います。
歌を歌ってほしい。春香は子供達の願いを聞いてあげます。
そしてある事に気づきます。
子供の頃の春香の気持ちは、みんなで楽しく歌っていたい、
それだけが春香の想いだったようです。
子供と出会った事で、過去の自分と振り向く事ができたようです。
自分の子供の頃の春香と話す事で、自分の整理ができた春香。
過去に正しく向かい合い、春香は自分を取り戻しました。
雪歩~!!!!!また全員ライブの記者会見で、春香の帰りを待っていると伝えるメンバー。
みんなも春香の帰りを待っているようです!
電光掲示板を通して、みんなと春香がつながっていきます。
EDを挟んでの春香の移動演出が上手い!
物語ラスト、春香が左側に走っていくのをED曲を挟んで
765プロに到着した時は右側に走っていく演出は上手かったですね。
春香の移動の向きが、右→左の運動方向から、右→左の運動方向に変えることで、
映像の運動感にアクセントを与えることに成功していますね。
まとめ
アイドルマスターは家族であることがわかりました。
仲間だけれど、それ以上に家族であったわけです。
そしてみんなと楽しく歌い・踊る事。
それが春香の夢であることもわかりました。
すると全員ライブというのは春香の夢なのでしょうね。
この事を契機に春香とみんなはより強い絆で結ばれていくのでしょうね。
今回は本当に感動してしまいました。物語的には今回がクライマックスだったと思います。
だから最終回は明るい楽しい大団円になるのだろうと予想されます。
絵コンテは高雄統子さん、さすがの演出です。