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リアル「SHIROBAKO」-山ねずみロッキーチャックの現場から 

「SHIROBAKO」の宮森あおいがアニメ制作を志すキッカケの一つになったのは
劇中でもたびたび登場した「アンデスチャッキー」。

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19話のEDは特に印象的だった。

さてこの「アンデスチャッキー」の元ネタとされる
「山ねずみロッキーチャック」についての面白い記述が
富野由悠季さんの著作「だから僕は」にあった。

「山ねずみロッキー・チャック」
(※ズイヨー)後半以後、五本のコンテをきらせてもらい、監督、アニメーターとしての遠藤政治さんという怪物と出会った。そのころは氏の酒量はへっていたらしいのだが、スタジオに臆面なく一升ビンをおいて仕事をなさる方というのをはじめて目撃した。すすめられることではないが、悪いともいえない。そんな状況を呑みこんでアニメを創ってみせる、と口にした方は遠藤監督以外にはいない。剛気さと繊細さをみせてくれた方として僕には貴重だった。あたりまえなことを、感動をもって描けというビィビィッドな感性は、アーチストというにふさわしい。コンテの仕事だけだったので、傍観者として遠藤監督の自身の所在だけをみることができたのは幸いだった。

出典「だから僕は」角川スニーカー文庫より

※ズイヨー:正式名称「瑞鷹株式会社」。アニメ製作会社。「山ねずみロッキーチャック」の製作。

上記の引用は富野由悠季さんが、自称「さすらいの絵コンテマン」として
数々の作品に参加した事について、作品ごとで語っている記述の一つ。
剛気な気質の監督の遠藤政治さんに圧倒されたのを感じさせる記述が面白い。

「SHIROBAKO」の宮森あおいが憧れた「アンデスチャッキー」の
元ネタの「山ねずみロッキーチャック」は
遠藤政治監督という大胆さを備えた方が手がけていたのがわかる富野さんの記述。

リアルな世界での「SHIROBAKO」は遠藤監督みたいな方もいるのだ。

参考:アニメージュ79年1月号アニメ界SPECIAL座談会(ひびのたわごと様)

手塚治虫先生、藤岡豊さん、笹川ひろしさん、横山賢二さん、
富野喜幸(現:由悠季)さん、そして遠藤政治さんが参加された貴重な座談会。
遠藤さんの想いの一端が垣間見える。
 
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[ 2015/04/15 20:30 ] SHIROBAKO | TB(0) | CM(0)

「SHIROBAKO」12話の馬の作画について 

SHIROBAKO12話。よかったなぁ。

杉江さん(モデル杉野昭夫)を熱く語る菅野さん(モデル庵野秀明さん)。
その杉江さんの元に武蔵野アニメーションの精鋭が一致団結。
そしてえくそだすっ!の最終話が無事納品。
見事過ぎる、構成だった。

そして難題だったえくそだすっ!の馬の作画シーンも、
本編で見せてくれたわけだがちゃんと凄かった。

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馬の躍動感、馬らしいフォルム、見事な作画だった。

そしてEDのテロップを見たら、原画に井上俊之さんがクレジット。
おそらく馬の作画は井上さんだと推測。

堀川憲司さんも上手いジョーカーの使い方を使ってきたなぁと思った。
井上俊之さんはP.A.WORKS作品では「有頂天家族」3話で原画を手がけていたわけだが、
堀川さん人脈による縁が「SHIROBAKO」でも見られたわけだ。

菅野さんから、杉江さんを紹介され、
「SHIROBAKO」では杉江さんが描いたとされるシーンを
井上さんが手がけていると思うと、胸が熱い。

また物語内では杉江さんラフ原、他のスタッフが2原で作画したわけだが、
本編の作画も同じように井上さんが1原で、他の方が2原をしていたら
物語内と本編の制作がシンクロしていて、面白い試みをしているなぁと思った。
※あくまで推測です。


そして井上さんの馬といえばOVA版「ロードス島戦記」のOPだろう。

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OVA版「ロードス島戦記」のOP原画を手がけた井上さん。
作画で描くのが難しい馬をさも当然のように動かし描いてしまう点で、
業界の第一人者であることがうかがい知れる。
 
他にも井上さんの馬といえば「千年女優」の
戦国時代のシーンの馬に乗って敵陣を突き抜ける千代子のシーンも挙げられるだろう。
 
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[ 2014/12/26 21:11 ] SHIROBAKO | TB(3) | CM(0)

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