「桜Trick」1話を視聴。
(キスシーンは凄かった)
OPクレジットを見たら石倉賢一さんが監督をしているのを知り
どんな画面作りをするのかを期待していたら、
石倉さんが「☆☆☆」ではシリーズディレクターも担当した
シャフト制作「ひだまりスケッチ」シリーズ的な演出をしていたのが印象的だった。
ではシャフト的、ひだまりスケッチ的な演出をしてるのかを挙げてみる。
①平面的な構図とテクスチャー処理の多用
キャラクターの後ろ髪をテクスチャー処理し
「ZZZ]や汗などの漫符を盛り込んだ平面的な構図。
「ひだまりスケッチ」でもよく見られた絵作りだ。
②イメージBG・実写的素材の使用
イメージBG(イメージで描かれる背景・キャラの感情を表現の為に使われる)を多用した背景。
こちらも背景はイメージBGだが、
イメージBGにプラスして実写的な素材を当て込むのもシャフト作品らしい。
③明度の高い色づかい
「ひだまりスケッチ」で使われても違和感を感じさせない色使いと平面的構図。
「ぱにぽにだっしゅ」以来のシャフト作品で使われる色使い。
④カットの繋ぎで入る極度に記号的な描写
キャラクターのやり取り中のシーンでは、キャラとキャラを映すカットつなぎに
極度に記号化されたカットが挿入されている演出が多かった。
こうした演出もシャフト的であるといえよう。
優のムっとした表情を記号化した口元で表現する。
二人が移動している、教室に入ろうとしている描写を足の形で表現。
作画枚数を使うより、カット数を増やし記号的表現を盛り込むことでリズム感を与え、
わかりやすくテンポよく、物語を展開させるシャフト的・ひだまりスケッチ感な表現。
⑥要所で入る、アイキャッチ
「ひだまりスケッチ」でも、1話の中に様々なアイキャッチがお目見えしていたが
「桜Trick」も同様に、様々なアイキャッチが見られそうだ。
まとめ
以上「桜Trick」はシャフト的演出、
その中でも「ひだまりスケッチ」感溢れる仕上がりになっていた。
こう見ると監督の石倉賢一さんが「ひだまりスケッチ」の演出を買われて、
本作に参加したのかと推測してしまう。
放送時間帯的にもTBS木曜であり、
芳文社原作という意味で「ひだまりスケッチ」とは製作的に共通点が多い。
「ひだまりスケッチ」と違うのは「桜Trick」の製作がポニーキャニオンという点。
そして一ついえるのが、今回の石倉さんも、もしくは例えば大沼心さんも含めて
シャフト制作作品で演出をされた方が、他社制作の作品で監督をされる時、
シャフト的な演出がその作品で生きてくるということ。
またシャフト制作ではなく、
スタジオディーンの「桜Trick」でシャフト的演出が見られる意味でも、
シャフト演出はもしくはシャフトで仕事をした演出家さんが、
他社制作の作品でも使える汎用性がある手法だと再確認できた。
シャフト演出の影響は、アニメ界においてより広範囲に及ぶのかもしれない。
そして日本のアニメはこうした各制作会社の演出の色が、
人の行き来を通して、外部にも様々に影響し合っていくことで発展してるのだろう。
おまけ
それにしてもこのキスを求める百合路線な作風は
キャラクターデザインの坂井久太さんのスタイルと完璧にハマりすぎている。
それは、かつて坂井さんは自身の画集や、かつて参加したぴたテンの百合同人を描くなど
百合志向なアニメーターさんであることからもわかる。