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夢のその先へ! ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 13話(空の音、夢ノ彼方)の感想 

カナタリオクレハノエルフィリシア。彼女達の最後の姿。
この蒼い「ソラノオト」の中で彼女達はどう生きようとしているのでしょうか。



-あらすじ-

カナタが砦へ来て1年。カナタのトランペットの腕も上達しつつある頃
ミシオから「カナタの夢」は何と聞かれる。
「トランペットが上手になること」とカナタは答えるが
ミシオからそれは目標だといわれる。夢と目標の違い
そして自分の夢が何なのかを知りたくなったカナタは隊員や知り合いに
それぞれの夢を聞くのであった。

そんな最中、クラウスからリオにローマ皇帝の手紙を渡したいと言われ
カナタはどこかに行ってしまったリオを探しに行くのであった。

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-感想-

どこまでも限りなく広がる、世界の果て、いやその先まで蒼く続くであろう「ソラ」
そしてこの「ソラ」に人が紡ぎだする「オト」を奏でられれば、生きていける。
どんなに世界そのものが荒廃して寿命が尽きようとしても、
蒼い「ソ・ラ・ノ・オ・ト」の世界で生きていこう!!、前をそして希望を見失わずに!!
夢だって叶えたいんだ!!!というお話が「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」という作品のように思えます。

私は世界が荒廃した後のお話という設定が好きです。
(例で挙げるとするとファイナルファンタジー6やブレス・オブ・ファイア3などです)
この世界設定ではおのずとテーマが「世界が荒廃しても生きていこう」になります。
状況はアマガミSS13話のサブタイトルのように「サイアク」ですが、
人の気持ちとしては「希望に向かっていこう」に繋がっていきます。

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「ソラノヲト」はこの世界崩壊後という世界観を土台に
隊員同士の健気に生きよている生活感を重視した物語構成を中心に据え
またそれを美術背景によって、トータルにまとめあげられた作品です。
演出のトーンも抑え目でありますが、その分地に足の着いた
キャラクターの見せ方でリアリティを確保しています。


具体的な夢や目標は無いが「何」かをしたいと思っているカナタ。
「ローマを救いたい、新しい世界を発見したい」夢を持つリオ。
そんなリオの夢に「今は彼女についていきたい」と決心したカナタ。
そしてリオは「カナタの夢が何なのかがわかるまで導く」と言います。

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カナタとリオの新たな出発を示唆して結末を迎えました。
具体的な夢がまだ無いカナタはまだまだ成長途中のキャラですが、
もちろん本編を通して成長しています。そしてここで物語は終了ですが、
この後にリオと一緒にいること、一緒に経験を重ねることで「夢」をつかむのでしょう。
それは自らの持つトランペットとは無縁ではないはずです。
カナタは「世界の彼方」でソラノオトを奏でるのでしょうから。

このお話の終着点としては説得力のある結末となっていると思います。
世界を救うという「設定」を消化するのが大事なのではなく、
物語の最後でリオの「世界を救いたい」カナタの「夢を手に入れたい」という言葉を
彼女達が説得力をもって言うためにどういう経路を辿ったかが重要であると考えています。

その点でカナタの言葉もリオの言葉も説得力がありましたので
素直に良かったのではと思います。
 
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カナタが光に対して向かうショットや5人全員が左を向いて走るショットなど
希望を象徴したカットが見受けられます。確かにリオの言うとおり
いつか「世界が滅びるかもしれません」がそれまでは「彼女達の世界」
「希望溢れる世界」
だという事を見せてくれた2つのショットだと思います。



-全体の感想-

全体的には佳作でしたね。手堅い、作りこまれた作品世界には素晴らしいものがあります。
特に美術背景やキャラクターの造形といったビジュアルは個人的に好きでした。
また神戸監督の細部にまで徹底して描写しぬくというスタイルは健在でした。

ノエルは可愛いですね~♪無口キャラはたまらないです♪♪

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大島ミチルさんのどこかケルト調の楽曲は世界が滅び去る雰囲気も醸し出しつつも
その中での人間の生き様をきちんと拾っているように思われます。
音楽を聞き、キャラクター達の挙動を追っかけているだけとても幸せな感じになれます。
TV放映時から気になっていたのですが、今回で音楽のよさもやっとわかりました。

全体的に地味な作品で、大きなカタルシスや派手な展開、
キャラクターの活躍を期待すると肩透かしになる可能性がありますが、
「一つのテーマを作品世界レベルで作りこんで結論を出す作品」が好きであれば
オススメできる作品であると言えるでしょう。

神戸守監督、吉野弘幸氏、赤井俊文氏、大島ミチルさんをはじめ
スタッフの皆様ありがとうございました!!
 
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[ 2010/09/25 12:42 ] ソ・ラ・ノ・ヲ・ト | TB(6) | CM(2)

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト:第11話【感想】 

「音は響くんだよね。」
たぶんソラノヲトの根幹に触れる言葉だろう。

今回はいつにも増して、キャラ達の細かな芝居が多かった。
またレイアウト的にも充実したカットが多い印象が強く
総じて映像的に見応えがあった。

ノエルの鼻水が出る演出がコミカルで面白かった。
色々指摘できない所に己の限界を感じる。

戦端が開かれたわけで、これをどう落とすかが本作の答えなんだろう。

隊長の「おっぱい吸いたい発言」はちょっとびっくりだった。
  
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[ 2010/03/16 06:48 ] ソ・ラ・ノ・ヲ・ト | TB(28) | CM(0)

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト:第10話【感想】 

逃げてきたリオに対してキッカケを与えたおばあさんの話。

「人は想い出さえあれば生きていける」という、おばあさんの言葉に心が沁みる。
想い出が無いと人は生きていけないよ・・・少なくとも私は・・・

今後のリオの行動は追っていくのかなぁ。
でもテーマ的にはリオは今回で描き切っちゃった感もあるし・・・

相変わらず、直接的な言い回しではなく、婉曲的な言い回しで作品を語ってるのが良い味出してる。
 
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[ 2010/03/09 06:47 ] ソ・ラ・ノ・ヲ・ト | TB(46) | CM(0)

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト:第6話「彼方ノ休日・髪結イ」【感想】 

小隊が副業を手掛けていた話。
それも非合法的な副業である事から、実情は厳しいみたいだ。
こうした描写の意図にはあの世界で生きる過酷さを物語っている。

本作がけいおんと絵が似てるという指摘が最初にあったが
似てるのは絵というより、キャラクターたちに対する視線かも。
つまり、一歩引いて彼女たちの行動を観測しているような視線。

要は部室も軍隊、何かの集まり(サークル)という意味では
本質的には何も変わりがない。
そこでキャラクターが何か行う姿をみて視聴者が感じ取る
共感させるスタイルなんだろう。

給料の話題が出たがここでストパンを思い出した。
軍隊モノでは給料の話題はテンプレなのかな。
 
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[ 2010/02/10 04:50 ] ソ・ラ・ノ・ヲ・ト | TB(25) | CM(0)

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト:第5話「山踏ミ・世界ノ果テ」【感想】 

ノエルも冗談を言うのね・・・

任務遂行と見せかけた遠足回。
さらに、その実は温泉回だったという認識でイイのかな。

3人の任務遂行中の挙動(遠足)が興味深かった。
女の子が動くと、腕元や足のモモのあたりが
ブカブカしていたが、軍服が支給されない事を表現したいのか
ブカブカの服を着せた女の子を動かしたかったのか、どっちだろうかね。

前回「オト」の話をやった為か、今回は「オト」関連につながる
話は無かったように思える。今回は空を見渡す限り砂漠で、
世界の果てと呼ばれる、人が生きていけない大地の描写があった。
直接的ではないが、世界の果ての描写については、
「ソラ」に関連した話だったという認識でいいのだろうか。

今回は世界の果てもそうだが、草原やら川やらの自然の背景描写が美しかった。
ずっと自然部分をフィーチャーしたわけではなかったが
場面転換毎に、印象に残るようなカットは差しこんでいると感じた。

個人的には、世界が崩壊・瀕死になっているという世界観は好き。
最近ではキャシャーンsinsとかもあったけど。

5話まで含めて世界観の緩やかな説明。
時間というか、エピソードの構成が往年の名作劇場みたいではある。
大きな話の動きはないが、はてさてドンデン返しは起こるのか。
 
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[ 2010/02/03 02:39 ] ソ・ラ・ノ・ヲ・ト | TB(21) | CM(0)

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 第4話「梅雨ノ空・玻璃ノ虹」 【感想】 

ノエルのキャラ立て話。

ノエルは無口・無表情・セミロング・明度の低い髪色と
この手のキャラに必要な記号を全部有してますなぁ。
最後のノエルが笑うというオチも鉄板です。

今回の話で、本作が「音楽」ではなく「音」の話だと認識。
毎回色んな切り口で今後も「音」について語ってくのかなぁ。

毎回、作画監督の個性が出てて、個人的には好きです。
今回はラッパが陰影というか金属感を強調していたのと、
ガラス細工の作画が良く描き込まれてて良かった。

特に後半、職人がカナタにガラスを作るのを見せるシーン。
火に入れ溶かしたガラスが冷えて形になる一連の描写。
ガラスが自然に精製される感じが出ていて感動した。
アニメーションの魅力が存分に発揮されていたと思う。

とかく、最近は刺激性が強い作品が多い中
刺激的な話や展開ではなく、丁寧な描写を積み上げ、
作品を作ろうとしている姿勢は好感が持てる。
ただ刺激が弱い作品だから、絵柄なんかで
うまくカバーするような方向性なのかもしれない。
  
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[ 2010/01/26 21:11 ] ソ・ラ・ノ・ヲ・ト | TB(72) | CM(0)

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 第3話 「隊ノ一日・梨旺走ル」 【感想】 

カナタ発熱する。
発熱から先輩との距離が近づくエピソード。

途中で何度か挟まれる時計。一つ一つ刻む針は何を意味するのか。

気になったのは日本食・せんべい・ふとん・薬を入れていた容器
やおよろずの神、というように日本的な意匠や言葉が随所に出てきてた事。
今までにこの世界に何があったのかなと思わずにはいられない。
日本的なモノをわざと用いてミスリードを狙ってるのかな。

今回、音楽に焦点を合わせた内容。
あの有名な「アメイジングプレイス」も使われたが、
あの曲を使われると、ますますこの世界は何なのかが気になってしまう。
戦車の高性能ぶりを見ると、はるか未来の世界かなぁとは想像できるけど。

戦車だけが近未来な空気を醸し出していて、この世界に対して
アンバランスなのが逆に良かった。


わかりやすく盛り上がらず、今回も派手な展開は起こらなかった。
BGMは少なめだし、画面構成は変わらず全体的に引き気味の傾向だ。
ただ見入ってしまうのは、映像に力があるからだろうなぁ。
正直、この閑静な空気感は好きですね。落ち着く。
展開的に先が見えなくても、このままの展開でも良いんじゃないかと思うが
吉野弘幸が話に加わってるから、一筋縄ではいかなそうだがはてさて。
  
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[ 2010/01/19 06:34 ] ソ・ラ・ノ・ヲ・ト | TB(86) | CM(0)

ソラノヲト 第2話「初陣・椅子ノ話」【感想】 

軍隊の状況説明話と幽霊話。
典型的な新人と先輩の対立話から入っていく展開。
あと初陣って幽霊」退治の事なのね。

話的にはまだ日常の他愛ない心温まる話を描いていきそうだが、
描写的に、過去の文化(学校)が破壊されてたりしてたので、
後半からは凄惨な話になっていくのかも。


OP映像が曲のメロディ展開に合わさって
縦と横にPANしていたのが印象的。
上へカメラが昇るだけで妙な高揚感があって良かった。

相変わらず全体的な映像クオリティ、特に背景が素晴らしい。
その辺りには自信あるのか、引きの絵で見せるシーンが多い。
アニメってキャラを見せたい為、アップで映してしまいがちだ。
ただ本作はアップも使用するが引きの絵でも芝居をさせ、
映像で勝負したい気概を持っている印象。
作画に自信がある、もしくはそう見せたいのだろう。

デザイン的にも性格的にも各キャラが
他作品のキャラをワザと模倣している。絵柄は言わずもがな。
フィリシア、ノエル、クレハとか性格まで他作品から移入している。
この模倣の徹底が親近感を与えてくれるなぁ。
 
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[ 2010/01/12 06:40 ] ソ・ラ・ノ・ヲ・ト | TB(97) | CM(0)

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 第1話「響く音・払暁の街」【感想】悠木碧 

アニプレックス発のオリジナルアニメ。

タイトル通り、音(楽器・楽曲)を使った展開と、
所々に差し込まれる「そら」のカットが印象的だった。

水かけ祭りにおいてモブを徹底的に動かし、祭りの躍動感を存分に伝え
主役キャラも含めの一人一人に丁寧に芝居させているなど
1話といっても画面の異様な充実度(美術も含めて)は目を見張った。
特に水の描写が個人的にはツボ。描き方に田中宏紀の影響を感じた。

気になったのが、牧歌的雰囲気がある西洋的な場所なのに
通貨の単位として円が出てきたり、今っぽい腕時計が出てくるなど
世界観に統一性を(小道具のチョイスも含めて)持たせなかった事。
ここまで違和感をもたせるとなると、ワザとっぽいなぁと感じた。

演出については、町並みを丹念なカットで見せていたり
意味深な壁画に合わせて、曲を挿入するなど
演出するぞという意気込みが感じられた。

神戸監督らしく、抑え目ながらも丁寧な演出。
1話としては、大きな見所を正直作らなかったと思うが
むしろ「普通」の作品(これこそ成立させるのが困難)を目指してるのだと思った。

それにしても、売れる事を使命としている企画な印象だが
アニプレックスは結構挑戦的な事をやるもんだなぁと思った。
何にしても、個人的にはオリジナルアニメには期待したい。
 
PS 昨年から出演本数が増えた悠木碧。今年は昨年の戸松・花澤みたいに
アニプレックスの猛プッシュを受けて彼女がブレイクするのかなぁ。
 
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