■ 鹿島アントラーズが力の差を見せつける。2月11日(土)に行われた「いばらきサッカーフェスティバル2017」の水戸ホーリーホック vs 鹿島アントラーズの試合は3対0でアウェイの鹿島が勝利した。前半34分にMF遠藤康のゴールで鹿島が先制に成功する。後半28分にはキーパーのGK笠原のキックミスから途中出場のFW鈴木優が決めて2点目を挙げると後半39分には途中出場したDF伊東幸のクロスから同じく途中出場のMFレアンドロが決めて3点目を奪った。
シュート数は鹿島が13本、水戸は4本だけ。鹿島が力の差を見せつけたと言える。後半に水戸が押し込んだ時間帯もあったがイージーなミスから喫した後半28分の2失点目で水戸の選手のモチベーションや集中力はガクッと下がった。鹿島は1週間後にゼロックス・スーパーカップの浦和戦を控えているが仕上がり自体はまずまず良さそう。新戦力のGKクォン・スンテやMFレオ・シルバやMFレアンドロなども存在感を示した。
一方の水戸は2週間後にJ2の開幕戦を控えている段階。鹿島と比べると最初の公式戦まで時間があるので仕上がり自体はやや遅くなる。1週間の差は小さくないので地力に勝る鹿島が優勢で試合を進めることは十分に予想できたが思うような戦いは出来なかった。唯一、新加入のFW林陵平が最前線で奮闘したのが収穫と言える。得点源になることが期待されているがDF昌子とDF植田直との勝負はFW林陵平が優勢だった。
■ ゲスト解説を務めた現役プレーヤーのDF岩政大樹この試合は例年通りでスカパーで生中継されたが解説は元日本代表の中田浩二さんで、ゲスト解説は鹿島OBで同じく元日本代表のDF岩政大樹だった。現役プレーヤーであるDF岩政は昨シーズンまではJ2のファジアーノ岡山でプレー。今シーズンは関東1部リーグに所属する東京ユナイテッドFCでプレーすることが決まっているが解説者としてのDF岩政に対しては好印象を持った人が多かったようだ。
水戸とは岡山時代に年間に2回ずつ対戦しているのでチーム事情や選手のことは良く分かっており、J2全体のことも良く分かっている。水戸に加入した新戦力のことも良く分かっており、当然のことながら、2013年まで所属した鹿島のことも良く知っていて一緒にプレーした選手はたくさんいる。現役プレーヤーあるいは現役を引退して数年しか経過していない人にしかできないような踏み込んだ解説ができていた。
DF岩政というと一部のファンから「岩政先生」と呼ばれるほどの頭脳派のCBとして知られている。分析力が高く評価されてきたが現役引退後は間違いなく解説者としても活躍できるだろう。解説者という立場になると話術やユーモアなども必要になって来るがその部分でも問題はなかった。まだ数年は現役プレーヤーとして活躍すると思うが第2の人生でもサッカー界に大きく貢献してくれるのではないか?と考えられる。
■ 良い解説者になりそうな選手を挙げていくと・・・。今シーズンのJリーグの登録メンバーをまとめてみたところ、アトランタ世代(1973年-1976年)の現役JリーガーはDF土屋(甲府)、MF伊東輝(沼津)、GK川口(SC相模原)、GK楢崎(名古屋)、FW盛田(群馬)の5人だけ。その前のバルセロナ世代(1969年-1972年)の選手はMF永井秀(東京V)が現役を引退したためついにゼロになった。(※ もう1つ前の世代(1965年-1968年)はFW三浦知(横浜FC)とFW中山(沼津)がいる。)
シドニー世代(1977年-1980年)でさえ現役のJリーガーは38名だけなので90年代の日本サッカー界の中心だった選手の多くがすでに現役を退いているが逆に言うと日本サッカー界にとって濃密だった90年代に主役を張っていた選手が続々と第2の人生を歩み始めているということなので数年先のDF岩政のように解説者という立場から日本サッカー界の発展に貢献できる可能性を秘めた選手がたくさんいると考えられる。
解説者の質が上がると今以上にサッカーファンを増やすことが出来るはず。サッカーやJリーグに魅力を感じる人が多くなると想像できるが現役JリーガーではMF中村俊(磐田)やMF小野伸(札幌)やMF中村憲(川崎F)などは解説者としても有能だと考えられる。サッカーの魅力を分かりやすく伝えることが出来る選手と言える。当然、優秀な指導者になれる資質もある。現役引退後は様々な分野で活躍するだろう。
■ 良い解説者になれそうな選手が目白押しその他の選手では明るい性格で知られるMF稲本(札幌)やFW播戸(大宮)やDF茂庭(C大阪)なども解説者やコメンテーターとして重宝される可能性がある。また、MF橋本英(長野)やMF森崎和(広島)やDF山本英(甲府)やMF明神(長野)やMF羽生(千葉)などのクレバーさは放送席でも十二分に生かせるはず。MF遠藤(G大阪)に関しては抜群の実績と知名度をどのように生かして活動するのか?は興味深いところである。
49歳のFW三浦知(横浜FC)は現役を引退した後の姿がまだイメージできないので触れることはできないが、GK楢崎(名古屋)やDF中澤(横浜FM)やFW玉田(名古屋)やFW巻(熊本)やFW佐藤寿(名古屋)なども良い解説者になり得る要素をたくさん持っている。その一方でGK川口(SC相模原)やMF小笠原(鹿島)やFW前田遼(FC東京)などは饒舌なタイプとは言えないが「しゃべりが上手=いい解説者」というわけでもない。
こうして見ていくとサッカー界はこれから5年ほどの間に知名度と実績を持った名選手の多くが現役を引退して第2の人生に突入すると考えられる。「いい解説者が少ない。」と言われることは多いが劇的にレベルアップする可能性がある。この世代の選手は五輪やW杯などで結果を残してきたので旧世代の人たちと比べると説得力が全然違う。今、解説者として活躍している人たちは仕事を奪われる可能性がある。
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