■ 「バイタルエリア」という言葉が広まったのは10数年前日本で「バイタルエリア」という言葉が広く一般的に用いられるようになったのは山本昌邦監督がアテネ五輪代表の監督を務めていた頃の話である。今では当たり前のようにサッカー中継等で使われる言葉になったが市民権を得てからまだ10数年しか経過していないので、比較的、新しい言葉である。基本的には最終ラインとボランチの間のスペースを指すが、このエリアを攻略できるとチャンスにつながりやすい。
当然、このエリアにはスペースがほとんどないことが大半。なのでここを活用しようとするときは高度な技術と状況判断が必要となる。パスの出し手となるセンターバックやボランチの選手の高度なパスや判断力がまず必要となるが、受け手となる選手にも高度な技術と状況判断が必要となる。現役の日本人の中でバイタルエリアでボールを受ける技術に優れている選手というとMF香川(ドルトムント)が代表格と言える。
浦和や広島などコンビネーションで崩すサッカーを志向しているチームにとっては「バイタルエリアをどうやって攻略するのか?」はメインテーマの1つとなるがMF武藤雄(浦和)、MF茶島(広島)あたりはバイタルエリアでボールを受ける技術が高い。MF武藤雄は仙台でプレーしていた頃は「サイドに張るアタッカー(=ドリブラー)」という印象が強かったが浦和では隙間でボールを受けてチャンスを拡大させる場面は多い。