3位 : 川崎フロンターレ1勝0敗1分け 5得点/4失点→ 風間監督になって5シーズン目となる川崎Fは1勝1分け。4チームのみの「無敗」をキープしている。開幕戦で広島にアウェイで1対0で勝利した試合はインパクトが大きかったが、2節はホームで湘南を相手に4対4のドロー。「川崎Fらしい試合だった。」と言えるが、前半13分にFW大久保の「J1通算157ゴール目」というメモリアルゴールで先制したことを考えると勝ちたい試合であり勝たなければならない試合だった。
2節の湘南戦(H)は課題の多い試合になった。前半20分の1失点目は誤審だったと思うので気の毒に感じるが、2失点目以降はあっさりと失点を重ねた。アウェイで広島を相手に完封勝利した開幕戦は守備陣が頑張ったので「GKチョン・ソンリョンとDF奈良を獲得した成果が早くも表れた。」と思ったが、湘南戦(H)の戦いぶりを見るとその効果を評価するのはまだ早いと言える。失点の仕方が良くなかった。
「失点数を減らすこと」は悲願の初タイトルを目指す川崎Fにとっては長年の課題と言える。風間監督は攻撃的なスタイルなので「守備よりも攻撃」、「自分たちの目指す攻撃ができていればおのずと結果はついてくる。」というタイプの指導者だったが、今シーズンに関してはキャンプ期間中から守備のトレーニングも重ねてきたという話。フロントも含めてチーム全体が「守備のこと」にも意識が傾きつつある。
攻撃に関してはFW大久保とMF中村憲とFW小林悠とMF大島僚がいて、さらにはある程度以上のレベルで熟成されているので、放っておいてもリーグトップクラスの得点数を記録するだろう。「攻撃に重きを置きすぎなくてもある程度以上の得点力は保証されている。」と言えるので、スタメン11人の中に守備的なキャラクターの選手を増やすことで攻守のバランスが良くなって勝ち点を得やすくなる可能性がある。
具体的には「柏から獲得した186センチのDFエドゥアルドをどう使うのか?」は興味深い。川崎Fでのデビュー戦となった湘南戦(H)は1点ビハインドの終盤にパワープレー要因として投入されたが空中戦の強さはリーグ屈指。左利きでフィード力も高いので大きな戦力になる可能性がある。CB起用が続いているDF谷口彰をボランチに戻して大黒柱のMF中村憲を2列目で起用するのがベターではないか?とも考えられる。
16位 : 横浜Fマリノス 0勝1敗1分け 1得点/2失点→ モンバエルツ監督になって2年目の横浜FMは0勝1敗1分けと出だしで躓いた。開幕節はホームで仙台と対戦したが、何故か、ホームゲームでの相性が極めて悪い仙台に0対1で敗戦。2節の福岡戦(A)も前半6分にエースのFWウェリントンにゴールを許す厳しい展開になったが後半37分に大黒柱のMF中村俊が通算21点目となる直接FKを決めて1対1の同点。何とかアウェイで勝ち点「1」を獲得した。
2試合を終えた時点で1得点/2失点。伝統的に守備の堅いチームであるが、守備に関しては2015年も34試合で32失点のみ。34試合で30失点だった広島に次ぐ失点数の少なさだった。監督も同じでメンバーも(守備的なポジションに関しては)ほとんど変わっていない。一定以上の守備力をキープしているのは間違いないが2試合とも相手が作ったチャンスシーンは多くなかった。守備に関しては今シーズンも計算ができる。
問題は攻撃陣である。松本山雅から五輪代表のMF前田直を獲得したがまだフィットしていない模様。2節の福岡戦(A)では右サイドハーフの位置で先発となったが前半のみで退いた。仙台との開幕戦はインフルエンザで欠場したMF中村俊に代わって3年目のMF天野純がトップ下に抜擢されたが同様にほとんど見せ場はなかった。「やっぱり横浜FMは中村俊輔がいないと苦しい。」と誰もが感じるような試合が続いている。
怪我等がなければMF中村俊とMF齋藤学は決まり。「3人目を誰にするのか?」が焦点になるがモンバエルツ監督の悩みの種になっている。救いは大卒2年目のMF仲川が2試合連続でいいプレーを見せている点。161センチとJリーガーの中では4番目に小さいが加速力があって相手に捕まらないプレーができる。MF前田直、MF天野純、MF三門、MF兵藤あたりとの競争になるが現段階では有力候補と言えるだろう。
「MFアデミウソンの穴は埋まっていないのでは?」、「MF中村俊に負担がかかり過ぎているのでは?」という開幕前から不安視されていた部分が諸に露呈したためネガティブな雰囲気が漂うが、加入が噂されるMFカイケが加入すると昨シーズンの開幕直前にチームに加入したMFアデミウソンのときと同様に大きな変化が生まれる可能性がある。1人の選手の加入でガラッと雰囲気が変わることは良くある話である。
14位 : 湘南ベルマーレ 0勝1敗1分け 5得点/6失点→ チョウ・キジェ監督が就任して5年目となる湘南は0勝1敗1分け。まだ未勝利ではあるが戦いぶりは決して悪くない。開幕の新潟戦(H)は1対2で敗れたが試合を支配したのは湘南だった。前半の序盤にたくさん訪れた決定機をものにしていたら湘南で大差で勝利していても全く不思議はない展開だった。2015年も決定力不足に泣かされたが前線の顔ぶれはほとんど変わっていないので劇的な改善は期待しにくい。
「軸であるMF永木とDF遠藤航が抜けた穴をどう埋めるのか?」が一番の注目点となるが、ともに「違い」を出せる選手だったので穴を埋めるのは容易ではない。むしろ、代表クラスの実力を持つMF永木とDF遠藤航の穴があっさりと埋まることは考えにくい。ボランチのMF永木の後釜はMFパウリーニョとMF石川俊、右ストッパーのDF遠藤航の後釜はDF島村とDF岡本拓が有力候補となるが「まだ模索段階」と言える。
GK秋元を含めた主軸3人が抜けたので『タレント力はややダウンしている。』と言えるが、一方で攻撃においても守備においても「湘南スタイル」は2015年と比べても進化しているように感じられる。結局のところ、最後の局面では「個々のタレント力」が勝敗の行方を左右することは多い。勝ち点にはつながりにくくなっているのかもしれないが、過去4年間で培ってきたものはさらに磨きがかかっているように思われる。
2節を終えた時点で未勝利。早く初勝利が欲しいのは言うまでもないが2節の川崎F戦(A)で新加入のMFパウリーニョとDF岡本拓が重要な場面でゴールを決めたのは大きい。もちろん、この2人のメインの仕事はゴールを奪うことではないが、大事なところでゴールを決めることができると一気にチームメイトや監督の信頼を勝ち取ることができる。特にDF岡本拓のゴールは「湘南らしさ」が全開のファインゴールだった。
注目は新たに「6番」を背負うDF三竿雄。プロ3年目にしてMF永木の番号を引き継ぐことになったが2節の川崎F戦(A)では2つのゴールに絡んだ。プレイスキッカーのMF永木が抜けたこともあって今シーズンは多くの場面でプレイスキッカーを任されるはず。逆サイドのストッパーが(DF遠藤航と比べると)守備寄りのDF島村やDF岡本拓になることを考えると左サイドのDF三竿雄の攻撃参加はさらに重要になってくる。
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