サッカーコラム J3 Plus+　

J1・J2・J3・日本代表などを幅広くカバーするサッカーコラムです。基本的には毎日更新しています。よろしくお願いいたします。

最近のエントリー (20記事)

　2024/01/14 【J1：順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者：342名)
　2024/01/09 【J2：順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者：172名)
　2024/01/10 【J3：順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者：83名)

お勧めしたいエントリー (15記事)

【Jリーグ】独断と偏見で選んだ「空中戦に強い。」と思うセンターバック・10人 | | |　

■　自陣空中戦の勝率のランキング

昨今は「フィード力のあるCB」と「スピードのあるCB」の需要が高まる一方であるが、それでもCBの選手に一番求められるのは空中戦の強さである。ロングボールを蹴られたときに簡単に跳ね返すことが出来るCBがいるとチームは安定する。今後、どれだけ世界のサッカーが変わったとしてもCBの選手に真っ先に求められる能力が「空中戦の強さ」であることは変わらないだろう。CBにとっては一番の見せ場である。

表1は2015年のJ1の「自陣空中戦の勝率のランキング(ベスト30)」である。(色付きなのは攻撃的なポジションの選手である。)70％を超えている選手は全部で9名。日本代表でDF吉田(サウサンプトン)のパートナーの座を巡って激しい競争を行っているDF槙野(浦和)はリーグ4位で、DF森重(FC東京)はリーグ6位。何だかんだで日本代表のCBのレギュラーを争うような選手は空中戦の勝率が相当に高いことが分かる。

他にはDF闘莉王(当時・名古屋)が3位、DF栗原(横浜FM)が5位、DF牟田(当時・名古屋)が8位タイ、DF水本(広島)が10位、DF渡部(仙台)が12位、DF丹羽大(G大阪)が13位、DF中澤(横浜FM)が14位、DF大井(新潟)が19位タイに入っている。南アフリカW杯のときにCBコンビを組んだDF闘莉王とDF中澤の2人はベテランの域に入ったが空中戦の強さは相変わらず。こうしてランキングを見ていくとベテランが多い。

表1. 自陣空中戦の勝率のランキング (2015年)

【J1】 2015年の自陣での空中戦について(勝率)
ランク	名前	所属	総数	勝率
1	ブエノ	ヴィッセル神戸	42	78.6%
2	キム・ミンテ	ベガルタ仙台	29	75.9%
3	闘莉王	名古屋グランパス	128	71.9%
4	槙野智章	浦和レッズ	148	71.6%
5	栗原勇蔵	横浜Fマリノス	28	71.4%
6	森重真人	FC東京	103	70.9%
7	増川隆洋	ヴィッセル神戸	75	70.7%
8	カニーニ	FC東京	30	70.0%
8	牟田雄祐	名古屋グランパス	70	70.0%
10	水本裕貴	サンフレッチェ広島	103	69.9%
11	吉本一謙	FC東京	46	69.6%
12	渡部博文	ベガルタ仙台	199	69.3%
13	丹羽大輝	ガンバ大阪	130	68.5%
14	パトリック	ガンバ大阪	52	67.3%
14	鎌田次郎	ベガルタ仙台	104	67.3%
14	中澤佑二	横浜Fマリノス	113	67.3%
17	エドゥアルド	柏レイソル	128	67.2%
18	丸山祐市	FC東京	70	67.1%
19	アンドレ・バイア	湘南ベルマーレ	118	66.9%
19	大井健太郎	アルビレックス新潟	160	66.9%
21	多々良敦斗	ベガルタ仙台	30	66.7%
21	ドウグラス	サンフレッチェ広島	48	66.7%
23	ファビオ	横浜Fマリノス	159	66.0%
24	中町公祐	横浜Fマリノス	35	65.7%
25	指宿洋史	アルビレックス新潟	26	65.4%
25	アデミウソン	横浜Fマリノス	26	65.4%
27	遠藤航	湘南ベルマーレ	138	65.2%
27	矢野貴章	名古屋グランパス	66	65.2%
29	石川直樹	ベガルタ仙台	109	65.1%
30	チョン・ウヨン	ヴィッセル神戸	74	64.9%

■　リーグ上位の勝率を記録した横浜FMの3人のCB

数字にもはっきりと出ているが、DF槙野(浦和)、DF森重(FC東京)、DF渡部(仙台)、DF中澤(横浜FM)、DF栗原(横浜FM)あたりは空中戦が相当に強い。横浜FMのCBが3人とも上位に来ているが、最近の横浜FMは意外と標準的なサイズの選手が多くて「サイズのある選手」はCBの2人くらい。それでも「空中戦に強いチーム」、「セットプレーが強いチーム」という印象があるのはCBの頑張りによるところが大きい。

他にはランキングには登場しないが日本代表クラスの実力を持っているDF塩谷(広島)も空中戦に強い選手で、(現在は怪我で長期離脱中であるが)開幕から左ストッパーでスタメン起用が続いたDF佐々木翔(広島)は176センチとは思えないほど空中戦に強い。当然のことながら「背が高い=空中戦に強い。」というわけではないので、J2でいうと179センチのDF井林(東京V)も空中戦の強さには定評のある選手である。

五輪代表のDF遠藤航(浦和)も178センチの割には空中戦に強い。勝率は65.2%とかなりの高確率となっているが、DF佐々木翔やDF遠藤航のような「背はあまり高くないのに空中戦に強くて得点力が高い。」という選手は情報やデータが少ない国際試合になると威力を発揮する。背の高い選手を警戒するのが一般的。なので警戒が薄くなりやすい彼らはフリーになりやすい。サイズがないことが有利に働くこともある。

若手CBでは1月のU-23アジア選手権で大活躍したDF植田直(鹿島)とDF岩波(神戸)の2人はともに186センチとサイズがあって空中戦は強い。今後、駆け引きなどを学んで「DF植田直あるいはDF岩波が中央にいるので大丈夫」と言われるような選手になることが期待される。J2では何と言っても元日本代表のDF岩政(岡山)が目立つ。そして187センチのDF飯田(松本山雅)の空中戦もJ2の中ではトップクラスである。

空中戦に強いと思うセンターバック・10人

　DF 槙野智章 (浦和レッズ)
　DF 森重真人 (FC東京)
　DF 渡部博文 (ベガルタ仙台)
　DF 中澤佑二 (横浜Fマリノス)
　DF 栗原勇蔵 (横浜Fマリノス)
　DF 塩谷司 (サンフレッチェ広島)
　DF 植田直通 (鹿島アントラーズ)
　DF 岩波拓也 (ヴィッセル神戸)
　DF 岩政大樹 (ファジアーノ岡山)
　DF 飯田真輝 (松本山雅)