■ 合宿を行うのは適切か?日本代表メンバーが発表された。
召集されたメンバーについて議論する前に、まず、この時期(Jリーグの合間)に合宿を行うのが適切かどうか、という議論をしなければならない。これについては、「適切である。」ともいえるし、「適切でない。」ともいえる、難しい問題である。
「試合が無いのにが合宿を行う意味があるのか?」という疑問も出てくると思うが、これについては、おそらく、試合予定日の2・3日前に集まって行う合宿よりも、ずっと、効果が得られるだろう。試合直前の練習は、コンディショニング調整を行うことが主となりがちで、細かい戦術についての練習は、ほとんど出来ないだろうから。
http://hochi.yomiuri.co.jp/soccer/japan/news/20070407-OHT1T00040.htm こういう
プアな記事を読むと、オシム監督が無茶なことを言っているように思えるが、代表監督が自分の主張をするのは当然だし、Jリーグの各チームが主張することも、もっともである。
代表優先なのか、Jリーグ優先なのか、どちらなのか。これは、どちらも大切であり、そのときどきで、臨機応変に対応しなければならない。日本サッカー協会のバランス感覚が、大切になる。
■ 初選出は6人!!!さて、厳密に言うと、代表合宿だけなので、肩書きは代表候補止まりとなるが、いずれにしろ、GK西部、DF内田、MF森、MF柏木、MF太田、FW近藤の6人が初めて代表に選出された。
それでは、各選手について。
◆ ようやく選ばれた太田(磐田)6人の中で、Jリーグでの実績が1番なのは、MF太田。昨シーズンの後半からのパフォーマンスを見ていれば、もっと早く代表に呼ばれてもおかしくなかった。
もともとのポジションは、右ウイングバックだが、アジウソン監督になって、FWに近い位置でプレーするようになって、格段にレベルアップし、潜在能力を完全に開花させた。昨シーズンのJ1での成績は、9得点11アシスト。立派な成績である。
「走れる選手」であることは間違いないが、考えていないようで、意外としっかりとした考えを持つ選手なので、オシム監督好みの選手であるように思う。オシム監督が、図抜けた突破力と運動量を持つ太田を、どのポジションで起用するのかは、大変興味深い。意外にも、世代別の代表にも呼ばれた経験が一度も無いので、日の丸は初体験となる。
◆ 苦難の末の代表選出となった森(川崎)能力は高く評価されていたものの、試合中での素行の悪さ(イエローやレッドの多さ)から、回り道をしてきた森も、初めて代表に選出された。昨シーズン、躍進した川崎のレギュラーを獲得し、ACLを戦うチームをサイドから支える。
圧倒的なスピードと左右両サイドをこなせる起用さは、ネガティブな要素を消し去るだけの魅力を持つ。国際舞台でも通用しそうなスピードは、代表の新たな武器になるかもしれない。
◆ GK西部も初選出清水のGK西部も初選出となった。昨シーズン、清水のレギュラーポジションを獲得し、リーグ屈指の安定感を誇るディフェンスの構築に大きく貢献したJ屈指のキーパーの1人である。
派手さはないものの、Jリーグでの実績を考えると、全く不思議な選考ではないだろう。川口の存在は大きいので、まずは、山岸や川島、西川らと、第二GKの枠を争うものと思われるが、高さや安定感といった、川口とは違った魅力もあるので、重宝されるかもしれない。
◆ 大抜擢となった近藤(神戸)6人の中では、FW近藤の選出が、一番の驚きとなった。おそらく、全国的には、一番無名の選手であるが、高い潜在能力をもった可能性のある選手であることに疑いの余地は無い。
昨シーズン、FC東京からレンタルでヴィッセル神戸に移籍してブレークしたセンターフォワードで、重戦車のようなパワフルなドリブル突破を武器にした、日本にはなかなかいないタイプの選手である。J1では、すでに3得点を奪っており、かなり旬な選手である。
ふてぶてしい態度と立派な体格は、国際舞台でも活躍できるタフなストライカーに化けられるだけの逸材であると思われる。
◆ ユース世代からの抜擢となった内田(鹿島)と柏木(広島)カナダで行われるワールドユースを戦うU20の中心選手で、所属チームで完全にレギュラーポジションを獲得している内田と柏木も、代表初選出となった。
右サイドの内田は、トータルバランスに優れた右サイドバックで、久々に現れたサイドバックの大器である。Jリーグでは、2年目ながら、J1有数の右サイドバックになっており、実力と将来性を考えると、おかしな選考ではない。
ユース代表の核であるMF柏木については、調子自体が良くないようで、かつ、非常に層の厚いポジションなのでやや意外な感じもするが、「走ること」と、「魅せること」を高次元で体現する、有望な選手であるは間違いない。
ユース世代の2人に関しては、”即戦力”というわけではないかもしれないが、世界大会に向けて、刺激を与えるには、非常に意義のある選考と思う。
いずれにしても、新しく選ばれた選手に関しては、自分の持ち味を存分にアピールして、新しい刺激を与えて欲しいと思う。
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