■ 2つの面白さサッカーに限らず、どんなスポーツでも同じだと思うが、面白さには2通りある。「予想(=期待)どおりの結果が得られたとき」に感じる面白さと、「予想通りの結果が得られなかったとき」に感じる面白さの2つで、こういうとき、人は感動したり、エキサイティングする。前者の例を挙げると、例えば、全盛期のFW三浦知に対しては多くの人がゴールすることを期待したが、ゴールを決めて多くの期待に応えてきた。
後者の例の1つは、意外な人が活躍するパターンである。2011年のアジアカップの準々決勝のカタール戦は終了間際にDF伊野波が決勝ゴールを決めて、準決勝の韓国戦は延長戦でMF細貝が逆転ゴールを決めて、決勝のオーストラリア戦は延長戦でFW李忠成が決勝ゴールを決めたが、彼らの活躍を予想できた人はほとんどいなかった。予期せぬことが起こったときも、スポーツの面白さを感じることができる。
もちろん、1試合単位でなく、もっと長い目で見たときも同じである。例えば、日本サッカー史上でも最高級のエリートと言えるマンチェスターUのMF香川やシャルケのDF内田は10代の頃から注目されて、フル代表の中心になることが期待されていたが、そのとおり、ザックジャパンの主力となった。MF香川やDF内田は若い頃から期待されて、その期待どおりに成長して活躍しているパターンと言える。
今の日本代表の主力選手の中では、MF本田圭、FW大迫、FW柿谷、MF遠藤、GK川島なども、ユース年代あるいは10代の頃から「世代屈指の選手」と評価されており、(紆余曲折あった選手もいるが、)、期待どおりに今の地位を確立した選手と言える。フル代表に選ばれて、国際試合で活躍するような選手というのは、何だかんだで、エリートあるいはエリートクラスの割合が非常に高いと言える。
対して、DF長友やMF岡崎は高校時代や高校卒業時はそこまで高い評価は受けていなかった選手である。DF長友などは高校卒業時はJリーグのクラブからの誘いは無かったが、そうは言っても、DF長友は東福岡高校の中心選手で、MF岡崎は滝川第二高校の中心選手だった。有名選手ではなかったが、高校サッカー界の名門中の名門で活躍していた選手なので、「全く知られていない非エリート。」とは言い切れない。
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◆ まとめ #749 苦労人・山下達也のサッカー人生 (2014/4/6)
・2つの面白さ
・MF香川、FW柿谷、FW森島康、FW小松と同期
・転機となった札幌移籍
→ 4月7日(月)から千葉で行われる日本代表候補合宿のメンバーに選ばれたC大阪のDF山下は苦労人です。C大阪ではなかなか活躍の場が与えられなくて、戦力外に近い立場で札幌に移籍することになりました。何だかんだでフル代表まで駆け上がる選手というのは高校年代から注目されてきたエリートの割合が高くなりますが、DF山下は異質です。こういう選手が選ばれた意味は小さくないと思います。
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