■ ニューヒーローの誕生2000年のシドニー五輪の予選では、FW吉原宏太、FW平瀬智行といったストライカーが注目を集めた。ともに、五輪予選でゴールを量産し、トルシエ監督率いるフル代表にも召集されて、期待の若手ストライカーとして、メディアにも大きく取り上げられた。2004年のアテネ五輪の予選は、セントラル方式が採用されて、山本ジャパンは苦戦を強いられるが、日本ラウンドではチームに戻ってきたMF阿部勇樹、FW大久保嘉人が活躍して、アテネ行きの切符を獲得した。
2008年の北京五輪の予選では、MF家長昭博、MF水野晃樹、MF本田圭佑など、サイドプレーヤーに注目が集まった。FW平山相太を中心としたフォワード陣は、本来の力を出すことができず、「ピチピチ感を感じない。」などと批判を浴びたが、DF青山直晃、DF水本裕貴、GK西川周作ら守備陣が踏ん張って、最終予選のラストのサウジアラビア戦で北京行きを決めた。
このように、五輪予選を戦うたびに、新たなヒーローが生まれて、日本サッカー界を活性化してきたが、ロンドン五輪を目指した関塚ジャパンも同様で、柏のDF酒井宏樹、C大阪のMF山口螢とMF扇原貴宏、大宮のMF東慶悟といった選手たちがレギュラーポジションを確保し、次代を担う選手として、クローズアップされた。いずれの選手もチームが発足された当初は、「中心になる。」とは考えられていなかったが、Jリーグなどで試合経験を積んで、日本の力となった。
23歳以下の選手で構成される五輪代表は、若手選手にとっては登竜門になっているが、五輪予選で活躍して、一気にスターダムにのし上がった選手というと、やはり、横浜フリューゲルスのMF前園真聖の名前が真っ先に浮かんでくる。1996年3月に行われたアトランタ五輪の最終予選では、キャプテンとしてチームを引っ張るだけでなく、4試合に出場して4ゴールを挙げる大活躍を見せた。過去、彼ほど五輪予選でインパクトを残した選手はおらず、五輪予選を通して、「期待の若手の一人」から「日本サッカーの引っ張っていくことが期待される選手」へと進化した。
■ FW小倉の怪我とMF中田英の台頭当時は、サッカー界を取り巻く環境が、今とは違っていた。1996年というと、当然のことながら、W杯に出場した経験はなかった。最後に五輪に出場したのも、1968年のメキシコ五輪で、はるか昔の話である。五輪代表も、フル代表も、全く世界に縁がなかったので、ワールドユースを除くと、「世界大会の切符を勝ち取った。」という体験をした選手はおらず、「世界とはどういうものなのか」、「アジアを勝ち抜くためには、何が必要なのか」という疑問に誰も答えることはできなかった。そういう意味でも、未知との戦いが続いていた。
今、振り返ってみても、アトランタまでの道のりは、長くて、険しいものだった。1993年にJリーグが誕生して、Jリーグの舞台で揉まれた若手選手たちで構成される五輪代表チームに期待する声は大きかったが、3月のアジア最終予選を目前に控えた合宿中に、エースストライカーのFW小倉隆史を怪我で失うという悲劇を味わった。高さと強さと柔らかさを兼ね備えた大型ストライカーとして、将来を嘱望されていたFW小倉は、このチームの中心的存在で、得点源として大きな期待を集めていたが、予選まで1ヶ月半というところで、チームを離れることになった。
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◆ まとめ #187 MF前園真聖が輝いた日 (2012/4/28)
・ニューヒーローの誕生
・FW小倉の怪我とMF中田英の台頭
・城、前園、中田英のトライアングル
・守備的なサッカーで勝利をつかんだ西野監督
・時代の寵児
・相手ゴールをこじ開けられるタレント
→ 過去を振り返ってみると、五輪予選は、何人ものニュースターを誕生させていますが、その中でも、最大級のインパクトを残したのが、アトランタ五輪予選のときの前園真聖選手です。キャプテンとしてチームを引っ張るだけでなく、最終予選では、攻撃の軸として、4試合で4ゴールを挙げて、28年ぶりの五輪の出場権獲得に大きく貢献しました。サウジアラビアを下したあの日の彼のプレーは、これからも、ずっと、語り継がれることでしょう。
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