■ 痛いスコアレスドロー第39節を終えて、3位の横浜FCと勝ち点差「7」の仙台が、ホームでコンサドーレと対戦した。仙台は、ロペスとチアゴ・ネーヴィスの欠場が響いて、攻撃力を欠き得点は奪えず。札幌も後半に、何度か決定機を迎えたが、決められずスコアレスドローに終わった。
■ 来シーズンの躍進を感じさせる札幌とフッキ来シーズンのJ1昇格を目指していたものの、昇格がかなり厳しくなってきた両チーム。順位的には、仙台が上だが、来シーズン以降の可能性を感じたのは、コンサドーレ札幌だった。
札幌の攻撃は、FWのフッキが中心。抜群のキープ力・突破力・シュート力、さらにはパスセンスも兼ね備えるこの怪物フォワードは、常に仙台のDFを2枚・3枚を引きつれている。必然的に、周りの選手はフリーになりやすい。同じような経歴と境遇から、カタールリーグ所属の元レッズのエメルソンと比較されるが、体の強さとパスセンスは、エメルソンをはるかに凌ぐ。この選手は、大変な逸材だ。彼は、J1・J2に所属する、全ての選手の中で、最もポテンシャルを秘めた選手だと思う。
「ボールを持ちすぎる」という批判もあるが、周りにフッキとイメージを共有できるだけの選手がいれば、ボールを持ちすぎることもなく、「もっとも自分が生きる方法は何か」「自分の仕事エリアはどこか」を感じ取ることだろう。”フッキとイメージを共有できる選手が出てくれば”、”フッキが来シーズンも札幌にとどまるのなら”、”出場停止が少なくなれば”、来シーズンこそ、札幌は、J1昇格レースのトップを独走できるだろう。
札幌で期待できるのは、ボランチの鈴木智樹。コンサドーレユース出身の北京世代のレジスタ。気の利いたポジショニングと、センスのあるパスは、今後の札幌を背負って立つだけの可能性を秘める。
■ ホームで圧倒されたベガルタ仙台仙台は、ボルジェスにボールを集めたが、共通意識が感じられたのは、そこまでだった。ロペスがいれば、ロペスが局面を打開してくれたかもしれないが、この試合でロペスはいなかった。ホームのユアテックで、これだけ押される展開というのは、ベガルタ仙台クラスのチームになれば、恥ずかしいことだ。
■ 勝ち点を取れないのは何故?両チームがコンスタントに勝ち点を取れない理由は、札幌の場合は、単純に、いいサッカーと悪いサッカーの差が激しいことが原因で、若さもあって、出来不出来の差が非常に激しいから。一方の仙台は、いいサッカーをしなければ勝ち点を獲得できない → 普通以下の出来だと、したたかに勝つことができないことが原因だと思う。
仙台は、ジーコジャパンに似た症状で、みんなが80点以上の出来の日は素晴らしいサッカーを披露するが、調子が悪くてみんなが60点の日は、勝ち点を取ることが難しい。ある程度の約束事があるチームならば、不調の日には、選手の出来の悪さを補う何か(組織力であったり、監督の采配だったり)があるのだが、仙台には、それがない。
だから、調子が悪い日には、勝ち点を取ることができない。J1で戦うには仙台のやり方も悪くはないが、したたかに勝ち点を取る必要のあるJ2では、不向きな戦法といえる。
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