■ J2の第7節J2の第7節。3勝2敗1分けで勝ち点「10」のコンサドーレ札幌(7位)がホームの札幌ドームでファジアーノ岡山(4位)と対戦した。岡山は3勝3分けで勝ち点「12」。J2の22クラブの中で開幕6試合を終えた時点で無敗なのはC大阪と岡山の2チームのみ。岡山は申し分ないスタートを切っている。札幌も7位とまずまずの位置につけている。7位の札幌 vs 4位の岡山ということで調子のいいチーム同士の直接対決となった。
ホームの札幌は「3-4-1-2」。GKク・ソンユン。DF進藤、増川、櫛引。MF深井一、宮澤裕、上原慎、福森晃、菅大輝。FW都倉、ジュリーニョ。6節の町田戦(A)でJリーグデビューを飾った高校3年生のMF菅大輝がトップ下でプロ初先発となった。「98ジャパン」など年代別代表でも活躍している。6節の町田戦(A)は体調不良で欠場したFW都倉は2試合ぶりのスタメン。ここまでリーグ最多の6ゴールを挙げている。
対するアウェイの岡山は「3-4-2-1」。GK中林。DF篠原、岩政、竹田忠。MF矢島慎、島田譲、田中奏、片山瑛、藤本佳、伊藤大。FW赤嶺。同じく6節の東京V戦(H)で印象的なJリーグデビューを飾った大卒ルーキーのMF藤本佳がプロ初スタメンとなった。明治大学出身でMF和泉(名古屋)やDF高橋諒(名古屋)が同級生となる。今シーズンから左WBを主戦場とするMF片山瑛はここまで1ゴール3アシストと好調。
■ 1対0でホームのコンサドーレ札幌が勝利試合はホームの札幌ペースで進んでいく。前半13分にゴール右寄りのかなり距離のあるところで札幌がFKのチャンスを得るとMF福森晃が左足でゴール前に送った鋭いボールがそのまま決まってゴールイン。DF福森晃は5節の京都戦(H)でも直接FKを決めているので早くも今シーズン2本目の直接FKでのゴールとなった。GK中林にとっては処理の難しいシュートになった。前半は1対0と札幌がリードして折り返す。
1対0で迎えた後半も引き続いて札幌が主導権を握る。後半21分には右サイドの奥でボールを受けた17歳のMF菅大輝がドリブルで元日本代表のDF岩政をかわしてから右足で強烈なシュートを放つが惜しくもクロスバーに直撃してJリーグ初ゴールとはならず。一方の岡山は途中出場の選手が活躍。後半27分には五輪代表候補のMF豊川に決定機が訪れるが左足のシュートは枠をとらえることができない。
結局、前半13分のMF福森晃のゴールを守った札幌が1対0で勝利。ホームでは2連勝。通算では4勝2敗1分けとなった。次節は開幕から7試合勝ちなしと泥沼の山形とアウェイで対戦して、次の次はホームの札幌ドームでC大阪と対戦する。敗れた岡山は今シーズン初黒星。3勝1敗3分けとなった。大卒ルーキーのMF藤本佳をスタメンで抜擢したがあまり見せ場は作れず。MF押谷の穴を埋めることはできなかった。
■ まだ初ゴールが生まれないFW赤嶺真吾開幕から6戦無敗。好調の岡山についに土が付いた。途中出場したMF豊川、MF岡本英、MF関戸の3人がまずまずの動きを見せて後半の終盤は勢いよくゴールに迫ったがGKク・ソンユンの壁を破ることはできなかった。注目の大卒ルーキーのMF藤本佳は6節の東京V戦(H)はトリッキーなプレーを見せてチャンスに絡んだがこの日は不発。後半14分という早い段階でMF豊川と交代でベンチに下がることになった。
J2は年間42試合なのでちょうど1/6の日程が消化したことになるが、7試合で勝ち点「12」というのはまずまずのペースである。1試合平均の勝ち点は「1.71」。2015年のJ2で4位のC大阪は「1.60」。このペースを維持できると4位や5位くらいに入ることができる。J2の場合は区切りのいい6試合 or 7試合を1クールと考えて勝ち点の計算をしているクラブが多いが、岡山は第1クールは期待以上の勝ち点を獲得できた。
思っていた以上に点が取れているので今のところは大きな問題になっていないが新エースのFW赤嶺に初ゴールが生まれていないのは気になるところである。もちろん、2節の千葉戦(H)ではMF押谷のゴールをアシストするなどいくつかゴールシーンに絡んでいるがなかなか自身の決定機が巡ってこない。肝心のゴール前ではあまり仕事ができておらず、7試合で計9本のシュートにとどまっている。
もちろん、「守備でも貢献している。」、「前線で起点になる仕事はできている。」という見方はできるが、FW赤嶺クラスの選手になると守備でチームに貢献することや前線でボールを収める仕事を問題なくこなせるのは当たり前の話である。最低限のタスクをこなしつつ、ゴールを奪うことができるところにプレーヤーとしての価値があるので早く初ゴールを決めて本人のみならずサポーターも安心したいところである。
■ スタメン抜擢に応えた17歳のMF菅大輝一方の札幌はホームでいい試合を見せた。スコアこそ1対0だったが、岡山にはそれほどチャンスを作らせなかった。スコア以上に安心感があった。ヒーローになったのはMF福森晃。FWジュリーニョが非常にいいタイミングでゴール前に入ってきて相手キーパーを惑わす動きをしてくれたことにアシストされたところもあるが早くも今シーズン2本目の直接FKでのゴール。今シーズンは左足のキックが冴えている。
この試合に限った話ではないがこの日も若手選手が頑張った。右ストッパーで起用されている19歳のDF進藤は持ち味である積極性をいかんなく発揮した。サイズ的には181センチなのでCBとしては標準レベルであるが、現代のCBに必要とされる攻撃力を持っており、インターセプトも得意にしている。6節終了時点でインターセプト数はリーグ2位の6回。DF黒木晃(熊本)の7回に次ぐリーグ2位の数字を残している。
MF稲本が怪我で離脱していた時期にボランチで起用されて好プレーを見せてレギュラーポジションを確保しつつあるのが21歳のMF深井一である。怪我の影響も関係しているのか「安定感」が課題だったが、スタメンで起用されるようになってからは、ほぼ毎試合、アベレージ以上のプレーを見せている。ボールを奪いに行ってそのままの勢いでむしり取ることができる日本人のボランチはそれほど多くない。
もっとも注目されたのは17歳のMF菅大輝。怪我明けのMF小野伸や実績のあるFW内村がいる中でトップ下でスタメン起用されたが、前述のバー直撃のシュートなど要所でシュートチャンスに絡んできた。前半には決定機で力んでシュートを空振りする場面もあったが、基本的には試合の立ち上がりから落ち着いてプレーできていた。つい先日、高校3年生になったばかりとは思えないほど堂々とプレーした。
公称は171センチ/69キロ。がっちりした体格である。最大の武器は左足のキックであるが、ドリブルで相手をかわすこともできる。精度の高いパスを用いて味方の良さを引き出すことが出来る点が最大のウリだと思うが、フィジカルも強くて、左足はパンチ力もありそう。「左利きでドリブルもパスもできるアタッカー系の選手」というと日本代表のMF柏木(浦和)が代表格と言えるがMF柏木とはまたちょっと違う。
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