■ 波紋を呼ぶ大住氏のコラム大住良之御大の「Jリーグを見殺しにしていいのか」というコラムが、少なくない反響を呼んでいる。日本サッカーを見続けてきた、御大のコラムは、さすがに説得力がある。
要点は、
「Jリーグ」のへの関心が低下すれば、そのつけは、最終的に各クラブに回り、日本サッカーのレベルの低下を招くことになる。代表絡みでしか、Jリーグの報道がされないのは問題だ。
という感じか。
■ Jリーグはステップアップを果たすべき時期である。まあ、ボクは、このままの状態でも、”Jリーグが死ぬ”ことはないと思うが、もう少し、ステータスを上げるチャンスはあるし、各クラブに、それなりに体力があるうちに、ステップアップを目指すべきというのは同意。
”サッカー文化を根付かせること”という最終目標はあるものの、結局、Jリーグの短期的な目標はどこにあるんだろうか?考えられるのは、
・スタジアムがいつも満員になること。
・アジアチャンピオンズリーグ制覇。
・ゴールデンタイムで高視聴率を取ること。
・世界に通用する選手を多く生み出すこと。
ということになるが・・・。
■ 現状打破のためにJリーグが取るべき道は?Jリーグ誕生のきっかけのひとつは、「プロ化しなければ、日本サッカーは世界に対抗できない。」というものだったので、2002年のワールドカップまでは、”日本代表を強化する”ためにJリーグが存在したという部分もあったが、2002年以後は、”何が何でも代表優先”という風潮ではなくなってきた。したがって、代表チームとは別に、Jリーグも単独で、存在価値を示さなければならない時期に入ってきている。
とはいっても、なかなか、すぐに、Jリーグが、世間の関心を引きつけようとしても難しい。出来ることから、徐々に改善していくのが望ましい。
以下で、”こんな風にすればいいのでは・・・”というのを挙げる。
① アジアチャンピオンズリーグに出場するチームにできるだけのサポートをする。問題点の多い大会だが、優勝すると、”アジアクラブチャンピオン”の称号が得られる。国内クラブ同士の試合では、現状、一般人の強い関心を得るのは難しいが、日本のクラブが、アジアチャンピオンの座を懸けて、敵国(中国?韓国?)のクラブと対戦することになれば、それなりに興味を引くことが出来るだろう。(予選リーグではかなり難しいが、準決勝や決勝というステージならば・・・。)
浦和レッズなり、ガンバ大阪なり、川崎フロンターレが、”アジア1”に輝ければ、潜在的なサッカーファンを、Jリーグに取り込むことが出来るのではないか。そして、日本のサッカーファンに、”Jリーグのチームはアジアでも強いんです”という事実を植えつけたい。
② ナビスコカップの改革ナビスコカップも、現状では、問題点が多い。とりあえず、J2のチームもナビスコカップに参戦させてほしい。かつては、J2のチームもナビスコカップに参加したシーズンがあった。この場合は、J2チームの試合数の多さがネックになるが、”J2チームのモチベーションのアップ”、”J1チームのマンネリ化を防ぐ”ためにも、検討してほしい。
③ ゴールデンタイムでのJリーグ専門番組の放送潜在的なサッカーファンが多いことは、日本代表の試合を見れば分かる。Jリーグを盛り上げるために、”代表サポ”、”海外リーグオタ”と呼ばれる層を取り込みたい。土曜日 or 日曜日の夜10時くらいから、Jリーグ専門番組を地上波で放送することは出来ないか?くだらないバラエティ番組と勝負するとしたならば、十分に視聴率でも対抗できるのではないか?
「Jリーグにもこんないい選手がいるのか。」とか、「Jリーグでも、こんないいゴールが見られるのか。」と、思わせることが出来れば成功。”Jリーグ プレビューショー”的な深い番組になれば理想だが、当面は、代表選手をクローズアップする内容でもOK。Jリーグのサポーターになる入り口になればと思う。
④ アジア№1のリーグになかなか、アジア制覇は出来ないが、環境・設備・観客動員・試合のレベルで、Jリーグがアジアトップクラスのリーグであることは間違いない。代表チームがアジアカップを、過去4大会中3大会で優勝していることもあり、「日本=アジアサッカーの雄」という認識は、アジア各国に広がっている。
こんな時期だからこそ、アジア人枠を撤廃して、アジア全域から、アジアのトップクラスの選手が集まるリーグになって欲しい。近年は、アジア内でも、各国のレベルアップが目覚しく、異文化で難しい環境とはいえ、Jリーグでも十分にプレー可能な選手はいるはず。(ただし、外国人枠を使ってまで起用したいと思う選手は、韓国人以外では、なかなかいないだろう。)
タイやマレーシア、インドやシンガポールといった国で、トップスターと言われる選手も、最終的な目標として、「欧州のクラブへ移籍したい。」と思っているだろうが、なかなか、直に移籍をするのは難しい。「Jリーグで活躍すれば、欧州への扉が開かれます。」ということをセールスポイントに、彼らを獲得するのも面白いと思う。
そして、現状では、なかなかJリーグの試合放送権を外国に売ることは難しいが、「わが国のトップスターは、Jリーグでどれくらいの活躍が出来るのだろうか?」という興味をもたせることができれば、アジア全域にJリーグを広めることが出来るはず。日本のサッカーファンも、南米やヨーロッパの選手とは一味違ったプレーを楽しむことが出来るだろう。
日本人が欧州リーグに憧れるように、アジアのサッカーファンに憧れるJリーグになって欲しい。各国リーグのトップ選手を引き抜くことに抵抗もあるが、将来的なことを考えると、双方にマイナスにならないはず。
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