■ カタール戦1月21日(金)にアジアカップの準々決勝のカタール戦が行われる。カタールとの過去の対戦成績は1勝2敗4分け。2敗しているが、ともに80年代のことなので負け越していることについては大きな意味を持たないが、ここ最近の試合でも、勝ちきれていない点は気になるところである。
一番、印象的なのは、2007年のアジアカップ。グループリーグの初戦で対戦したが1対1のドロー。試合終了間際にフリーキックを決められてしまった。また、1994年の広島アジア大会では同じくグループリーグで対戦し、ホームでの試合だったが、1対1のドローに終わっている。唯一の勝利は、2008年のワールドカップ予選。アウェーで対戦し、3対0で勝利している。この試合は岡田ジャパンのベストゲームの1つと言える試合で完勝だった。
ということで、合計7試合で1勝のみである。しかし、上記以外の残りの2試合は消化試合と呼べるシチュエーションでの対戦であった。2000年のアジアカップ(1対1)のときはグループリーグの3戦目で対戦したが、すでに日本は2連勝でグループリーグ突破を決めていた。また、2009年6月のワールドカップ予選(1対1)も、すでに日本のワールドカップ出場は決定していた。通算では1勝2敗4分けとはいえ、近年の真剣勝負の場での成績は1勝2分けであり、認識としてはこちらの方が適切である。
■ スタメンは?注目されるスタメンであるが、グループリーグ3戦目のサウジアラビア戦は、GK川島が出場停止で、MF本田圭とMF松井が怪我のため欠場。GK西川、MF柏木、MF岡崎の3人が起用された。
MF松井に関してはすでにチームを離れており、そのままMF岡崎が起用されることが濃厚で、MF本田圭は怪我が回復していれば、そのままMF柏木に代わってスタメンに入ってくるだろう。MF柏木が引き続いてスタメンに入り、FW前田を外してMF本田圭を1トップで起用することも考えられなくもないが、可能性は低いだろう。
唯一、頭を悩ませそうなのはGKのポジションである。サウジアラビア戦で無失点に抑えたGK西川の勢いを買って、そのままスタメンに起用することも考えられるし、GK川島に戻す可能性も考えられる。ザッケローニ監督のファーストチョイスがGK川島であることは間違いないだろうが、GK西川の実力をどの程度まで評価しているのか。ほとんど差がないと考えていれば、GK西川を使ってくる可能性もある。
ただ、これまでの選手の起用方法を見る限り、スタメンはGK川島になるのではないかと推測する。FW森本、FW前田、MF香川あたりの起用方法をみても、ザッケローニ監督は継続して使ってくるタイプのようであり、もし外された場合のGK川島の立場も考慮してくるような気はする。
■ アウェーゲームFIFAランキングを見ても明らかなように、日本が実力で上回っているのは間違いないが、注意すべきは、地元のカタールとの対戦ということである。
日韓ワールドカップを例に出すまでもなく、大きな大会ではホームチームにプレゼントPKが与えられたり、相手チームに不可解な退場者が出たり、相手チームのゴールがなぜか取り消されたりと、ホームチームが恩恵を受けることは少なくない。レフェリーが買収されるとは思わないが、ホームチーム有利になることはよくあることである。したがって、日本としてはとにかく中途半端なプレーをしないことが必要であり、特にペナルティエリア内では注意が必要である。
ただ、今大会のカタールのスタジアムは、どうしようもないくらいの「アウェー感」を感じるレベルには至っていない。もともとカタールという国は人口も少なく、純粋なカタール人でスタジアムが埋め尽くされるという訳でもないようである。他の国(例えば、イラン、イラク、UAEあたり)でのアウェーゲームとなると、ナーバスになるかもしれないが、必要以上に「アウェー」ということを意識する必要はないだろう。
■ キーマンは香川、本田決勝トーナメントのキーマンは、やはりMF香川とMF本田ということになる。当然、カタールも徹底マークしてくるだろうが、徹底マークされたとしても打ち勝っていかなければならないし、それだけの力のある選手である。
MF香川については、ドイツのドルトムントではずっと<4-2-3-1>のトップ下でプレーしていることもあって、「左サイドでのプレーに慣れていない。」という報道もあるが、セレッソ大阪では、<4-2-2-2>や<3-4-2-1>や<4-2-3-1>の左サイドでプレーすることがほとんどであり、おそらく、一度もトップ下(=真ん中)で先発したことはなかったはず。サイドでプレーすることに慣れていないということはない。
戸惑っているのでは、「中に入るタイミング」を十分につかめていないことであり、C大阪のときは自由にプレーできていたが、代表の場合、そうはいかず、MF香川の空けたスペースをDF長友やMF本田圭、MF遠藤あたりがうまく利用するシーンはほとんどなかった。ただ、初戦のヨルダン戦と比べると、試合ごとにコンビネーションは良くなってきており、「そろそろ。」という雰囲気はある。
ただ、結局のところ、MF香川が生きるのは、速い展開になったときであり、C大阪でも、ドルトムントでも「ショートカウンター」のときに、一番、力を発揮してきた。上記の「中に入るタイミング」というのも遅攻になったときの話であり、もともと、遅攻になってスペースがなくなったときに、スペシャルな力を発揮出来るタイプかというと、そういう訳でもない。ここまでの3試合で「香川の本来のプレーが見せられていない。」というのは間違いないが、ポジションの問題よりも、日本がボールを支配する展開になっていたことが大きくて、なかなかカウンターのシーンがなかったことの方が大きな要因であり、得意のプレーはほとんど見せられていない。
1トップなので、高い位置でボールを奪うチャンスも少ないが、サウジアラビア戦の後半に相手のセットプレーからDF長友→MF香川→FW前田とつないでビッグチャンスを作りかけた。このようなMF香川のドリブルが生きるシーンをいくつ作れるかも、決勝トーナメントの注目ポイントである。
一方、MF本田圭はサウジアラビア戦は欠場することになったが、「重症」という報道はないのでカタール戦はスタメンで出てくるだろう。前述のようにフォワードで起用される可能性もゼロではないが、ザッケローニ監督はポジションは動かさないような気はする。
結果として、サウジアラビア戦はベンチで見守ることになったが、(相手の出来が悪かったとはいえ、)流れはヨルダン戦やシリア戦よりもよくなっていた。タイプは違うが、代わりにトップ下に入ったMF柏木がいい流れを作っていたこともベンチで見て感じていたことだろう。FW前田、MF香川ら周囲との関係については、試行錯誤の段階であるが、MF柏木のプレーはヒントになったはずである。決勝トーナメントは、彼も真価が問われることになる。
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