■ 解任か?続投か?東アジア選手権で1勝1敗1分けの3位。岡田監督の去就が注目されたが、結局、日本サッカー協会は「続投」の意思決定を行った。犬飼会長は、「残り4か月で新しい監督が新しいやり方を始める方がリスクが大きい。」と語り、本大会も岡田監督のままで行くことを明言した。
「解任」を求める声は大きくなっているが、確かに、現状では、監督を変更するリスクは大きい。ワールドカップの本大会までは残り4ヶ月となっていて、新しいチームを作っている時間は残っていない。グループリーグ突破をノルマとするならば、後任の監督を招へいするのも難しいだろう。
■ 「岡田監督の続投」の判断①個人的な意見としては、現時点では、「岡田監督の続投」の判断を消極的ではあるが、支持したいと思う。その理由としては、
・本大会までまで残り時間が少ないこと。
・優秀な後任監督を招へい出来る可能性は高くないこと。
・代えることで失うものが小さくない。
ということが挙げられる。
(そもそもとして、個人的に南アフリカ大会の結果をそれほど重要視していないという理由もあるが、)いろいろな問題点もある岡田監督とはいえ、日本人監督の中では、経験と実績はトップクラスである。現実問題として、岡田監督以上に能力のある監督を後任に据えることは、かなりハードルの高い仕事であるといえる。
また、後任として、全く別のタイプの監督を招へいすれば、グループリーグ突破の可能性が、5%くらいはアップさせることが出来るかもしれないが、今の日本代表の戦力を考えると、どんな名将を連れてきても、劇的な変化を望むのは酷である。監督交代は一時的な起爆剤となり得るが、それは、本当に一時的なものであるように思う。
■ 「岡田監督の続投」の判断②一方で、新監督で失敗した時にダメージは計り知れないものがある。メンバー選考、戦い方が非常にオーソドックスで、意外性に乏しいのが第二次岡田ジャパンの特徴といえるかもしれないが、(十分に機能しているかどうかは別にして、)フィールド上に立っているイレブンは、それぞれのポジションで日本トップクラスの選手たちである。
組み合わせがイマひとつで、人のためにプレーすることが得意ではない選手を集めたことがマイナスに働いていて、集団としての相乗効果が生まれにくいのが現状であるが、「日本人でトップクラスの監督」が「トップクラスの選手たち」を集めて小細工なしに戦っているのが、今の日本代表であるように思う。その戦い方に面白みに欠けるのは間違いないところであるが、本大会で、真正面からストレートに戦うことで浮き彫りとなる問題点があるはずである。
2010年大会だけを考えるのであれば、このタイミングで解任することも1つの判断ではある。が、とりあえず、2年間、継続してやって来たことを捨てて、本大会を戦ったとしたら、敗れても得られる何かが、何も得られなくなる可能性がある。それは、日本サッカーにとっては、グループリーグで敗退すること以上に、大きな損失となる。
■ 目標設定の難しさそもそも、日本代表はワールドカップで何を目標に戦うのだろうか?
FIFAランキングでいうと、日本代表はだいたい40位くらいであるが、ランキングで40位のチームが、グループリーグを勝ち抜いて、ベスト16に入ったとすれば、それは「快挙」である。Jリーグに置き換えてみると、栃木SCやファジアーノ岡山といったJ2で下位のチームが、いきなり昇格をノルマに戦うようなものである。現実的とはいえない。
岡田監督は「ベスト4」を目標に掲げているが、2大会前の日韓ワールドカップではグループリーグを突破し、ベスト16に入っている。ただ、日韓大会は、「シード+ホーム」というアドバンテージがあった。「ベスト16」に入るというのも、今の日本には、少し、高い目標であるように思う。
個人的には、「グループリーグで3位以内に入ること」が、もっとも適当なノルマだと思うが、さすがに、代表監督が「グループ3位を目指して戦う。」とはいえない。今後の数大会は、「グループリーグを突破出来るかどうか?」に注目が集まるだろうが、それをノルマとするのは、あまり適当とはいえないし、楽しい見方とはいえないかもしれない。
■ 重要なバーレーン戦ということで、現時点では、「続投」を支持したいが、3月3日に行われるホームのバーレーン戦の結果と内容次第では、「解任」を考えるべきだろう。(正確に言うと、)何があるか分からないので、今すぐにも、後任監督についての調査はスタートさせるべきだろう。
もし、バーレーン戦でも、同じようなメンバーで、同じような戦い方に終始するようであれば、「解任した方がいいのではないだろうか?」という事態になるかもしれない。サッカーの世界では何があるかは分からない。
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たとえ新監督が着てもやることは限られてしまいますしね。
その点では続投して岡田監督が今の考えを改めてしっかりとした
やり方をやってくれるほうがまだ良いかもしれません。
ただ…彼の場合Jで結果を残したやり方をするとフィジカル重視となるので本番では全く通用しない場合の方が大きい
(理由はどうであれ城南程度に敗しているわけですし)
なので私は即刻解任を支持しますね
彼で解決出来ない事が多すぎる。
韓国相手にホームの公式戦で惨敗。これで責任を問われなかったら、今後は韓国に負けても何とも思わないメンタリティが定着して、コロコロ負け続けますよ。昔に逆戻りですね。
韓国には敗れ、中国も勝てない。この状態で解任出来なければ、今後監督を解任しなければならない時に、これより悪い失態でなければ大義名分が立たなくなりますよ。今回の留任は以降の監督人事に大きな禍根を残すと思いますがね。
4ヵ月後の結果なんて、どうでもいいですよ。今回クビを切れなかった事は、日本代表監督の鼎の軽重を問われたと思いましたがね。
世の中には【自分の強みを出す監督】と【相手の良さを消す監督】がいますが、岡田監督はどちらでもない監督だと思います(それが特徴の監督という意味です)。
『ブレた』と思われるかもしれないけど、どっちかに明確にして戦うべきだと思います。
自分の強み出せるようになるには練習時間が必要だけど、
相手の良さを消す戦い(同義ではないが、一般的には守備的に戦う(弱者の兵法で!))なら、まだ間に合うと思います。
守備的に戦い、得点はCKと敵陣深くのスローインからの攻撃に磨きをかける(攻撃的といっても、日本の攻撃がそもそも通じないでしょう)。
そして270分で2点取るイメージで戦い、勝ち点5を狙う。
こんなところでしょうか。。。
管理人さんの冷静な視点。いいですね。
ドイツW杯観戦記で書かれていた、人をワクワクさせるサッカーを見せながらも、監督業に徹しきれなかったジーコに関する考察も素晴らしいと思いました。
今度は是非、協会の体制や姿勢、そして彼らが負うべき責任に関する文章を読ませて頂けないでしょうか?
ここ数日、報道で見かける
『監督と会って頑張れと言いました』的なコメントに若干の違和感を感じるのと同時に、今後の数戦(数戦もないか!?)で変化がない場合への備えを真剣に考えている人がいるのかどうか凄く不安なのです。(備え=監督交代だけではなく様々な手法があると思います)
アジアレベルで結果残せないなら解任というのに賛成します。
ベタですが、じじさんならどんな代表がみたい又は組みたいですか?
私は長谷部、森本、米本などフィジカル重視で選びたい。
また、優勝予想とか期待のチームなど聞きたいです。
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