■ 運命の初戦オーストラリア戦。日本のスタメンは、GK川口能活、DF坪井慶介、DF宮本恒靖、DF中澤佑二、MF駒野友一、MF三都主アレサンドロ、MF福西崇史、MF中田英寿、MF中村俊輔、FW柳沢敦、FW高原直泰という予想通りの<3-5-2>の布陣。
対するオーストラリアは、GKシュウォーザー、DFニール、DFムーア、DFチッパーフィールド、MFクリーナ、MFウィルクシャー、MFエマートン、MFグレッラ、FWブレッシャーノ、FWキューウェル、FWビドゥカ。
■ 幸運な先制点で・・・前半26分、中村俊輔が右サイドでキープして、ゴール前にクロス。そして、そのボールは、飛び込んだ高原と柳沢と相手キーパーの誰にも触られることなく、そのままゴールイン。日本は、相手キーパーの判断ミスというラッキーな形で先制した。
このシーンは、ファールを取られてもおかしくはない場面だったが、リプレーを見ると、キーパーが柳沢に突っ込んできて、勝手に倒れただけであって、ファールでもなんでもないようにと思う。慣例として、ペナルティーエリア内でキーパーが相手と衝突したら、攻撃側のファールをとることが多いが、このプレーについては、レフェリーはいい判断をしたのではないかと思う。オーストラリアの選手と監督が抗議をする気持ちは分からないでもないが、リプレーを見れば、まあ納得するだろう。
前半の日本は、高原と柳沢の2トップが素晴らしいプレーを見せて、前線で基点になり続けた。国際試合で、ここまで前線でボールがおさまるのは珍しい。
しかしながら、後半は・・・。
84分までは、何とかリードを保っていたが、立て続けにまさかの3失点。残念ながら、日本代表は1対3で敗れた。
■ 妥当な結果さて、全体的な流れを見れば、オーストラリアが3対1で勝利したのは、順当な結果だと思う。それくらい、この試合の日本代表のパフォーマンスはグタグタだった。
ここまで、中盤でプレスがかからずに、相手の長身FWにダイレクトにボールを当てられれば、最後に押し込まれるのは必然。コンディショニングの失敗なのは明らかで、戦術がどうのとか、采配がどうのとか、それ以前の問題だった。この内容で、勝利するのはおこがましいといったところか。
悔やまれるのは、やはり、ジーコの采配ということになる。坪井の怪我というアクシデントがあったのは分かるが、後半15分以降、疲れの見える前線に、玉田や大黒といったフレッシュな選手がいれば、何度もあったチャンスを一度くらいは生かせたのではないかと疑問に思う。
■ もっともふさわしくないカードそして、後半30分過ぎに切った2枚目のカードは、MFの小野伸二だった。
おそらく、1点リードを守りきるのに最もふさわしくないカードを切った。いったい、何を期待して小野を投入したのだろうか?
ボクは、ジーコが、小野と玉田(or 大黒 or 遠藤)を間違えて、コールしてしまったのだと思う。そうではければ、普通ではありえない采配である。
結果論ではなく、テレビを見ていたほとんどの人が、「小野かよ。」と思ったはずである。選手のプライドを大切にするのは確かに大事であるが、監督には、時として、非情に徹することも必要である。結局、4年間、ジーコは非情にはなれなかった。
■ すべてジーコのせいではない。ただし、全てをジーコの采配ミスのせいにするのは、健全ではない。1対0の段階で、何度かあった突き放すシュートを決め切れなかったことが、最後に響いたのだ。
高原が、柳沢が、中田が、中村が、駒野が、最後のところで、正確なプレーを心がけていれば、そして、もっと大胆に仕掛けていれば、問題はなかったはずだ。オーストラリアに勝てなかったのは、チームみんなの問題である。決して、ジーコ1人のせいにしてはいけない。
■ 悔やまれる同点になってからの戦い方試合を振り返ってみると、同点に追いつかれたのは仕方がない面もある。ただ、そこで、もう一度落ち着いて、「勝ち点1」をしっかりと獲得するというプランに変更することも必要だったのではないか。
引き分けでもOKというサッカーは、ジーコのサッカー哲学ではないかもしれないが、事前に、そういったシミュレーションをしていたとは思えない。初戦で、引き分けであれば、まだ、先は広がるが、初戦に敗れると、ほとんど、グループリーグの突破の可能性はなくなるのだ。
■ 彼らはできるはずなんだ・・・ジーコとはどういう監督だったのか、それを考えるのは、まだ先にしよう。ボクは、この大会では、勝ち負けよりも、日本らしいサッカーをして、世界にアピールして欲しかった。だけど、この試合で、その日本らしいサッカーかけらも見られなかったのが悲しかった。
このチームなら、そして、この選手達なら、普段の力を発揮すれば、きっと世界に衝撃を与えることもできるんだよ。それは、4年間、ずっと見てきた、ボク達が一番よく分かっているんだよ。
ワールドカップがそんなに甘いものではないことは良く知っている。試合中に、リードしているときも、このまま行くとは思えなかった。この結果に、一番悔しい思いをしているのは、選手とスタッフであるのは間違いない。最後まで信じよう。いろいろなことを考えるのはそれからだ。
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