■ 日本人で№1の監督は誰?「日本代表が一定のレベルに達した時、そのときには外国人監督では勝てない。日本人監督でないと引き出せない部分があるはずだ。」という言葉。これは、ワールドカップで指揮した経験のある監督が発した言葉である。
中田英寿がペルージャに移籍して以降、海外に進出する日本人プレーヤー選手は増えたが、海外に進出する日本人監督は稀である。元ベルマーレの上田栄治氏が、マカオ代表監督を務めた例もあるが、日本人監督の国際舞台での実績は皆無といっていいほどである。前述の言葉の通りであるならば、(日本人のことをよく知るはずの)日本人監督のレベルが向上しない限り、日本代表も一定以上レベルアップを果たせないことになる。
しかし、幸いにも、Jリーグのチーム数が増えた影響で、日本人が監督を務めるチャンスは大きくなっている。Jリーグだけでなく、今シーズン、元日本代表の相馬直樹氏がFC町田ゼルビアの監督に就任したように、チャレンジの場は急速に広がっているといえる。
個人的には、以下の10名が、現在の日本人では、トップレベルの実績・経験・可能性を持つ監督だと思う。あなたは、日本人で№1の監督は誰だと思いますか?
・岡田武史 (日本代表監督) → ワールドカップで指揮した経験のある唯一の日本人監督。フランス大会後、コンサドーレ札幌でJリーグ昇格と残留を果たし、2003年に横浜Fマリノスの監督に就任。2003年、2004年と2年連続でチームを年間王者に導いた。2008年に日本代表の監督に再就任し、南アフリカ行きの切符を獲得する。
・反町康治 (湘南ベルマーレ) → 2001年にアルビレックス新潟の監督に就任。2003年にJ2で優勝を果たしJ1に昇格する。2006年の夏に、北京五輪代表監督に就任し、北京五輪の切符を獲得する。本大会では3連敗に終わったが、2009年に湘南の監督に就任し、11年ぶりの昇格を成し遂げた。
・西野朗 (ガンバ大阪) → MF前園、FW城、GK川口らを中心に、1996年のアトランタ五輪の出場権獲得する快挙を成し遂げる。1998年に柏の監督に就任し、2000年にナビスコカップを制する。2002年からガンバ大阪の監督に就任し、2005年にリーグ制覇、2008年にアジア制覇を達成する。選手起用に関しては柔軟性を欠く部分もあるが、攻撃的な精神を貫いて、多くのタイトルを獲得している。
・長谷川健太 (清水エスパルス) → 2005年に古巣の監督に就任。初年度は15位だったが、4位、4位、5位、7位と安定した結果を残している。タイトルこそ無いが、FW岡崎、MF藤本、MF兵働、DF青山、GK山本海らをチームの中心にまで育て上げた実績を持つ。「名選手は名監督にあらず。」を否定する元日本代表プレーヤーである。
・城福浩 (FC東京) → 2006年にU-16の日本代表監督としてアジア制覇を達成する。本大会では1勝2敗でグループリーグ突破はならなかったが、満を持して、2008年にFC東京の監督に就任。リーグ戦では6位、5位とあと一歩のところでACL出場権を逃しているが、2009年のナビスコカップを制し、久々のタイトルを奪取。FW平山、MF米本、DF長友、GK権田ら若手を抜擢し、代表選手にまで育て上げた。
・関塚隆(前川崎フロンターレ) → 2004年に川崎Fの監督に就任し、J1昇格を果たすと、2005年はJ1で8位。翌2006年には2位となり、ACL出場権を獲得する。タイトル獲得こそならなかったが、就任当時、J2だったクラブを短期間でアジアでも有数のクラブに育て上げた実績は高く評価できる。今後、フロンターレF以外のチームを率いた時に、どれだけの成績が残せるかは興味深い。
・石崎信弘 (コンサドーレ札幌) → 山形、大分、川崎F、清水、柏で監督を務めて、現在は、コンサドーレ札幌の監督を務める。J2で、何度もあと一歩のところで昇格を逃した経験を持つことから、「悲運の名将」とも言われるが、人情味があって、選手やサポーターに慕われる監督である。激しいプレッシャーをかけるプレスサッカーが持ち味である。
・三浦俊也(ヴィッセル神戸) → 独特の「ゾーンディフェンス」を武器に、守備組織の構築においては、日本でもトップクラスの指導者である。
2007年にはそれほど下馬評の高くなかった札幌を6年ぶりのJ1に導いた。トップクラスの戦力を持つチームを率いた経験はなく、攻撃に関する評価は高くはないが、2010年の神戸でどんな成績を残すのか?
・小林伸二 (モンテディオ山形) → 大分、C大阪、山形で監督を務めた経験を持つ。2002年にJ2で優勝を果たし、大分のJ1昇格に貢献。2004年にC大阪の監督に就任すると、史上まれにみる混戦となった2005年ではリーグの主役となって、初のリーグ制覇にあと数分にまで迫った。さらに、2008年に山形の監督に就任すると、誰も予想しなかった夢のJ1昇格を果たす。攻撃よりも守備を重視した手堅いサッカーで勝ち点を拾うタイプ。
・木山隆之(水戸ホーリーホック) → 36歳の若さで2008年に水戸の監督に就任。監督デビュー戦のC大阪戦で退場処分になる波乱のスタートだったが、低迷していた水戸を11位、8位にまで引き上げた。若さゆえに指導者としての経験は乏しく、立て直し能力に課題を残すが、若い監督には珍しく、現実的なサッカーをピッチ上で表現させることが出来る。
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いつも楽しく拝見させていただいています。
水戸の木山さんがリストに挙げられていて、思わずニヤリとしてしまいました。限定された戦力の範囲内でなんとか最大の効用を追求するという点においては、なかなかの才能の持ち主だと思います。
ところで、じじさんは、前鳥栖、現横浜FCの岸野さんについては、どのように評価されますか?木山さんとは対照的な印象も受けますが、ある意味では似たもの同士のようにも思えます。
岸野さんは、モチベーターとしては、日本人の指導者の中では類い希な存在のような気がします。
こうしてみると、攻撃より守備戦術構築の得意な監督のほうが今は評価が高いような気がしますねーやはり良いチームにはまず守備が必要不可欠というところでしょうか。個人的印象では西野氏、城福氏が攻撃的な監督で評価を得ている方でしょうか。関塚氏は次のチームで私もみてみたい……選手交代は非常に好きですが。
個人的には戸塚氏のこれからに注目したいです。今年とうとうS級をとるとのことなので
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