<関連エントリー>1883 2009/11/28
全36クラブの契約満了選手について感じること① (磐田・仙台・草津・東京V・鳥栖・熊本) 1888 2009/11/30
全36クラブの契約満了選手について感じること② (名古屋・札幌・栃木・岐阜・福岡) 1891 2009/12/03
全36クラブの契約満了選手について感じること③ (山形・柏・京都・神戸・徳島)
モンテディオ山形 ・財前宣之
・遠藤大志
・木村誠
・小原章吾
・木藤健太
・渡辺匠
・坂井将吾
→ J1で2年目となるシーズンに向けて、7人の選手との契約を更新しないことを発表。今シーズン、主力として働いた選手はいないが、MF財前、DF小原、MF渡辺といった選手はJ2時代のチームを支えていた選手。将来に向けて仕方のない決断ではあるが、さびしい発表が待っていた。
MF財前は2006年にベガルタ仙台から東北のライバルであるモンテディオ山形に電撃移籍。誰よりも、J1での「みちのくダービー」の舞台を待ち望んでいたはずであるが、あと一歩のところで、そのピッチに立つという夢は実現しないままとなった。小林監督の戦い方ではサイドハーフにタフな仕事が求められるので、MF財前のプレースタイルとの相性は良くなかったのが原因といえる。一瞬のひらめきは魅力で、フォワードでの起用も模索したが、なかなかうまくいかなかった。
センターバックのDF小原は昨シーズンまではレギュラー格であったが、今シーズンは14試合に出場したのみ。センターバックのポジションは移籍してきたDF西河に加えて、DF石井、DF園田といい選手が揃っていて、山形にとってはストロングポイントの1人である。この判断は仕方がないといえる。MF渡辺匠もJ2時代から中心としてプレーしてきたが、今シーズンは15試合の出場のみ。MF秋葉らの成長もあって出場機会に恵まれなかった。ただ、2008年のJ2の第41節の湘南ベルマーレ戦で決めた、J1昇格を決定的とするロスタイムでの決勝ゴールをサポーターはずっと忘れないだろう。
柏レイソル ・山根巌
・ポポ
・南雄太
・鎌田次郎
・柳澤隼
・ハモン
→ すでにJ2の降格が決定。予想通りというべきか、これまでチームを支えてきた選手の退団が発表された。
何と言っても、柏レイソル一筋で12年目のGK南雄太である。2008年に横浜FCからGK菅野が加入。シーズン序盤こそ、GK南がゴールを守ったが、シーズン途中で立場が入れ替わって、以後、GK南は第二GKとなった。ハイレベルなポジション争いはチームとしては好ましいことであるが、ずっとレギュラーとしていた選手にとってはつらいことである。黄金世代の1人で1999年のワールドユース準優勝メンバーであるので、ちょうど30歳。GKの寿命は長いので、まだまだ、やれる選手である。レギュラー待遇で獲得に興味を示すチームは間違いなくあるだろう。
また、J2時代の2006年から主力としてプレーしてきたMF山根も退団が決定。ここ2年は怪我のあって満足のいくプレー機会は得られていなかったが、石崎体制では中心になった選手。経験値は高い選手であり、J2で長いシーズンを戦うためには必要な選手ではないかとも考えられるが、33歳という年齢もあって、仕方のない決断といえるかもしれない。今後は、石崎監督との師弟関係を考えると、コンサドーレ札幌入りの可能性もあるのだろうか?
6人の中で最も意外だったのはMF鎌田。大卒のプロ2年目。レギュラー格ではなかったが、サブとしてコンスタントに出場機会を得ており、24歳という年齢を考えると、誰も予想の出来なかったチーム退団決定といえる。当然、引く手あまたとなるだろうが、柏と流通経済大学との今後の関係を考えても、どうだったのだろうか?と思わせるものである。
MFポポについては、能力は高い選手であるのは間違いないが、どうも、最後までかみ合わなかったという印象が残る。日本でのプレーを希望しているのかは分からないが、フィットするチームがいくつかあるように思う。計算の出来る選手なので獲得に興味を示すチームがあってもおかしくない。
京都サンガ ・シジクレイ
・林丈統
→ 2年連続でJ1残留を達成。3年目に向けて、MFシジクレイとFW林の2人との契約を更新しないことを発表した。
37歳となるMFシジクレイは2年前にガンバ大阪から加入。さすがにスピードの面での衰えがみられて、京都では主にボランチとしてプレー。2008年はレギュラー格であったが、今シーズンは開幕直後はベンチが続いた。シーズン途中からようやく出場機会を得るようになったが、やはり37歳という年齢がネックとなったのか、契約更新はならなかった。ただ、MFシジクレイをセンターバックではなくボランチで起用したというのは加藤久監督のヒットであり、MFシジクレイがボランチにいると、しっかりと中盤でのフィルターが掛かるので、非常に効果的なことは実証されて、MFシジクレイの選手としての寿命を伸ばすことになったかもしれない。すでに日本での生活も長く、リーダーシップも取れる選手である。年齢的な不安はあるもののが、多くのチームにとっては魅力的な選手だろう。
もう1人、FW林も退団が決定。ここ最近は非常にキレのあるプレーを見せており、出場機会も増えてきていただけに、こちらはやや残念な退団になった。キレのあるプレーを見せながらも、なかなかゴールという結果に結び付けることが出来なかったのが本人にとっては痛かったが、1トップに近い形で使われたり、サイドで使われたりと、起用方法が定まらなかったのもプレーが安定しなかった原因だろう。ここ数年は、キレを失っていたが、最近のコンディションの良さを見ると、周囲が生かしてくれそうなチームに行けば十分に活躍できると思われる。
ヴィッセル神戸 ・須藤大輔
・内山俊彦
・古賀誠史
・岸田裕樹
・松橋章太
・丹羽竜平
・土井康平
・上谷暢宏
・アラン バイーア
・石澤典明
・キム テヨン
→ 11人もの選手が未契約となった。シーズン途中に三浦監督が就任し、さらなる上を目指すためには、思い切った決断が必要な時期になっていて、大静粛も理解できるものである。
この中で主力といえるのはMF古賀。2007年途中に福岡から加入。以来、精度の高い左足を武器に左サイドからいくつものチャンスを演出し、チャンスメーカーとしてチーム内で確固たる地位を築いていたので、この中ではやや意外ともいえる名前である。準主力でいうと左サイドバックのDF内山も退団が決定。派手さはなかったが、堅実なプレーで左サイドを支えたが、三浦監督になってからは出番を失っており、年齢的な事を考えると仕方ないかもしれない。
その他の選手はなかなか神戸では出番に恵まれなかった選手であるが、一番のビッグネームはFW松橋。大分時代の2007年には日本代表候補にも召集されたストライカーであるが、ここ2年間はさっぱり。移籍の難しさを感じさせる結果になった。ただ、まだ十分にやれる選手であり、スピードは大きな魅力なので、獲得に乗り出すチームは多いだろう。完全に使われるタイプの選手なので、神戸では上手くいかなかったが、環境が変われば活躍できるポテンシャルはある。
徳島ヴォルティス ・高桑大二朗(引退)
・片岡功二(引退)
・藤田泰成
・石田祐樹
・林祐征
→ 引退したGK高桑とMF片岡を含めると、5人の選手の退団が決定。例年に比べると、選手の入れ替わりは静かである。
そんな中で、やや驚きであったのがFW石田。徳島に加入して4年目。レギュラーポジションを確保したわけではなかったが、主にスーパーサブとして、勝負どころで印象的なゴールを決めてきた選手である。純粋なストライカーというタイプではなかったが、天性の得点感覚を備えており、相手にとっては捕まえにくいタイプである。さらなる上を目指す過程で、チームの構想から外れた形になったが、ややもったいないような気はする。
まだ、サイドバックのDF藤田泰成も来シーズンの構想から外れた。今シーズンは15試合に出場したのみ。パフォーマンスは悪くはなかったと思うが、継続して試合に出場できなかったとなると、未契約となっても仕方がない。ある程度の攻撃力があって、計算の出来る選手なので、獲得したいと考えるチームはいくつかあるだろう。
3人目はFW林。187cmの長身で、アビスパ福岡時代の2003年に11ゴールを記録。20歳にしてこの数字をマークし、今後が期待されたが、その後は怪我が続いて満足なシーズンはなかった。2008年からは地元の徳島のクラブに入って心機一転といきたかったが、残念ながら出場機会はほとんどなかった。
投票※ 柏から戦力外となった南雄太選手はワールドユース準優勝メンバーです。GK南とFW永井の2人は1997年のマレーシア大会にも出場しています。同じ日に、3バックの中央でレギュラーだったDFの引退も発表されています。ちなみに、選択肢の数の上限の都合で、メンバー全員を選択肢にすることはできませんでしたが、1999年のナイジェリア大会の登録メンバーは18人なので、下の15人の選手のほかに、あと3人います。なお、GK曽ヶ端準はバックアップメンバーでした。注目のエントリー0724 2007/09/08
本当に「決定力不足」なのか? 0734 2007/09/15
「個の力」というフレーズにだまされるな!!! 0879 2007/12/26
もっともゴールを期待できるJリーガーは誰かをデータで検証する。 0935 2008/02/12
【Jリーグ】 データで見る最も空中戦の強いJリーガーは? 0936 2008/02/13
【Jリーグ】 データで見るスルーパスの名手は誰? 0938 2008/02/14
【Jリーグ】 データで見る「インターセプト」の得意なJリーガーは? 1219 2008/10/27
DF槙野智章が破壊する既成概念と常識 1305 2009/01/14
【問】 あなたは守備的なポジションの選手をきちんと評価できますか?1674 2009/06/01
快進撃を続けるベルマーレの数字上の矛盾1688 2009/06/17
【J1】 こぼれ球奪取数に注目してみる。1798 2009/09/30
データで見る最も空中戦の強いJリーガーは誰か? (2009年/J1編)1801 2009/10/02
データで見る最も空中戦の強いJリーガーは誰か? (2009年/J2編)
- 関連記事
-