■ こぼれ球奪取数のランキングサッカーダイジェストの今週号にJ1各クラブの個人データのランキングが掲載されていたが、その中で、「こぼれ球奪取数」という項目が非常に興味深いものであったので、拝借する。
50位までを取り出すと以下のようになる。J1は13節が終了しているが13試合のデータとなるが、ACL出場組は1試合少ない。
ランク | 選手名 | 所属 | 本数 |
1 | 松岡亮輔 | 神戸 | 63 |
2 | 鈴木啓太 | 浦和 | 60 |
3 | アレックス | 千葉 | 59 |
4 | 梶山陽平 | FC東京 | 57 |
4 | ミキッチ | 広島 | 57 |
6 | 小川佳純 | 名古屋 | 56 |
7 | 安藤淳 | 京都 | 55 |
8 | 細貝萌 | 浦和 | 53 |
8 | 柏木陽介 | 広島 | 53 |
10 | ポンテ | 浦和 | 52 |
10 | ジュニーニョ | 川崎F | 52 |
10 | 兵藤慎剛 | 横浜FM | 52 |
13 | 松下年宏 | 新潟 | 51 |
14 | 秋葉勝 | 山形 | 50 |
14 | 藤本主税 | 大宮 | 50 |
14 | 狩野健太 | 横浜FM | 50 |
14 | 遠藤保仁 | G大阪 | 50 |
18 | 山田暢久 | 浦和 | 49 |
18 | 長友佑都 | FC東京 | 49 |
18 | ジウトン | 新潟 | 49 |
18 | 山本康裕 | 磐田 | 49 |
22 | ジウシーニョ | 磐田 | 48 |
22 | 中村直志 | 名古屋 | 48 |
24 | 青木剛 | 鹿島 | 47 |
24 | 羽生直剛 | FC東京 | 47 |
24 | 青山敏弘 | 広島 | 47 |
27 | 石川竜也 | 山形 | 46 |
27 | 栗澤僚一 | 柏 | 46 |
27 | 矢野貴章 | 新潟 | 46 |
30 | 中村憲剛 | 川崎F | 45 |
30 | 森脇良太 | 広島 | 45 |
32 | 渡邉大剛 | 京都 | 44 |
32 | 角田誠 | 京都 | 44 |
34 | 野沢拓也 | 鹿島 | 43 |
34 | 本間勲 | 新潟 | 43 |
36 | 坂本將貴 | 千葉 | 42 |
36 | 徳永悠平 | FC東京 | 42 |
36 | 山本真希 | 清水 | 42 |
39 | ディエゴ | 京都 | 41 |
40 | 金沢慎 | 大宮 | 40 |
40 | 青木良太 | 千葉 | 40 |
40 | 菅沼実 | 柏 | 40 |
40 | 田中裕介 | 横浜FM | 40 |
40 | 中澤佑二 | 横浜FM | 40 |
40 | ペドロ・ジュニオール | 新潟 | 40 |
40 | ??? | 新潟 | 40 |
40 | 吉村圭司 | 名古屋 | 40 |
40 | 田中隼磨 | 名古屋 | 40 |
49 | 今野泰幸 | FC東京 | 39 |
49 | 枝村匠馬 | 清水 | 39 |
49 | 駒野友一 | 磐田 | 39 |
49 | レアンドロ | G大阪 | 39 |
49 | 服部公太 | 広島 | 39 |
■ トップは松岡亮輔ランキングの1位はヴィッセル神戸のMF松岡亮輔。彼のプレースタイルを考えると、十分に納得できるものである。こぼれ球を奪取するには、「運動量」、「ポジショニング」と「体の強さ」と「体の使い方」が要求されるが、MF松岡の場合は「ポジショニング」に秀でる。
試合中は目立たない存在であるが、神戸で非常に重要なポジションを任されており、監督の期待に十分にこたえている様子が数字からも判断できる。試合を見るときに、このタイプの選手の出来(パフォーマンス)を評価するのは非常に難しいが、それが出来れば、試合を見る楽しみが増すはずである。
■ 2位は鈴木啓太、3位はアレックス2位は浦和レッズのMF鈴木啓太。2008年は体調が万全ではなく不本意なシーズンを送り、日本代表からも外れているが、今シーズンは復調し、本来のプレーを見せている様子が分かる。
そして、3位は千葉のMFアレックス。本来はサイドプレーヤーであるが、千葉ではボランチでプレーすることが多く、運動量豊富に動き回っていることがよく分かる結果となっている。ただ、MFアレックスの場合、もっとゴールに絡む仕事が出来る選手であるので、逆に、後半戦はMFアレックスのボール奪取数が減ってもっと攻撃に関与できるようになった方が、ジェフ千葉としては、うまくいっている状態といえるのではないか。
■ 4位に梶山とミキッチ4位はFC東京のMF梶山と広島のMFミキッチ。
MF梶山の4位というのはやや意外であるが、体の使い方がうまいので、こぼれ球に対してもうまく反応して、これだけの結果を残しているのではないかと想像できる。
同数のMFミキッチはサイドプレーヤーとしてはトップの数値である。どうしても中央の選手が有利な項目であるので、MFミキッチの数字は異常な多さである。
驚きは10位に入っているFWジュニーニョ。フォワードではトップであるが、フォワードの選手は他に、FWジウシーニョ、FW矢野貴章、FWペドロ・ジュニオール、FWレアンドロがランクインしているだけであるが、FWジュニーニョの数字もフォワードというポジションを考えると異常な多さである。
■ 大分の不調の原因と山形の好調の原因このランキングの中で、唯一、50位以内に誰もランクインしていないのが大分トリニータである。
大分はここまで1勝11敗1分けとリーグ最下位であるが、「こぼれ球を拾うことが出来ていないから成績が出ていない。」という結論付けることも可能だが、実は、チーム総数で見ると、413回でリーグ11位とそれほど悪くはない。どちらかというと、中盤の選手に故障者が多過ぎて、中心選手で試合を欠場することなくフルタイムに近い時間、出場し続けている選手がほとんどいないことが原因だろう。
一方、チーム総数で見ると、意外だったのが18位がモンテディオ山形であったこと。ここまで4勝4敗5分けと予想以上の好成績を残しているが、試合を見ていると、チーム全員でハードワークし、球際に強くて、こぼれ球をよく拾っているかのようなイメージがあるが、数字だけで見るとその逆である。
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