■ 3強に続くチームはどこか?川崎F・鹿島・C大阪の「3強」は軸となる選手はおそらく変わらない。なので安定した戦いを見せる可能性は高い。一方、「3強」に続くチームはいずれも不確定要素が少なくないので「第2集団に加わるチーム」を予想するのはなかなか難しい。柏・横浜FM・磐田・浦和・鳥栖・神戸・G大阪・札幌・FC東京・広島あたりが「第2集団の候補」と言えるがいずれも決め手に欠ける。現時点では「3強との差」は小さくない。
その中で、比較的、不確定要素やマイナス要素が少ないのは磐田だろう。2017年は34試合で50得点/30失点。J1最少だった守備陣に関しては「(2017年は)出来過ぎ感」はあるが最大の懸念材料だった「MF川辺が退団した穴をどう埋めるのか?」については元日本代表のMF田口(名古屋)の加入が決定。MF川辺→MF田口というスイッチで大きなプラスになることは考えにくいが同レベルに近い活躍は十分に期待できる。
2017年はほぼフルで働いたMF中村俊に関しては年齢の不安はあるがU-20W杯の本大会で大怪我をして離脱した東京世代のエースのFW小川航の復帰、2017年の天皇杯で躍動した大学ナンバー1のストライカーのFW中野誠(筑波大)の加入など攻撃陣は̟プラスの要素がいくつかある。2017年は6位と名門復活を印象付けるシーズンになったが2018年は「ACLの出場権獲得」や「タイトル」といった結果を残したい。
■ ピンポイント補強になっている浦和レッズ2017年に期待を大きく裏切った浦和・G大阪・FC東京・広島あたりの名門クラブの復活なるか?も2018年の注目ポイントと言えるがこの4チームの中で最も高く評価できるのは浦和だろう。2017年は守備が崩壊する厳しいシーズンになったがそれでもJ1は7位。ACLを制覇してクラブW杯で勝利を手にした。DF岩波(神戸)ならびにMFマルティノス(横浜FM)の獲得は補強ポイントを補う効果的な補強になるだろう。
不安要素を挙げると堀監督になってから決定機の数が激減している点である。1試合平均の決定機の数はペトロヴィッチ監督時代は5.50回で、堀監督になってからは3.36回。被決定機の数は3.95回→3.21回になったので相手に決定機を作られる場面は少し減っているが被決定機の数も大幅に減ったわけではない。堀監督のやり方は「勝ちきれるサッカーなのか?」、「上位を目指せるサッカーなのか?」は疑問符が付く。
結局、途中就任ながら見事に2007年以来のアジア制覇を達成したが攻撃の部分は物足りなかった。優勝するためには高い攻撃力ならびに高い得点力が必要になってくる。加入が確実視されるMFマルティノスは起爆剤になる可能性は高いが優勝争いに絡むためには指導者としての堀監督の覚醒が必要になってくる。CBでプレーできる選手がたくさんいる最終ラインで誰が中心になるのか?も興味深いところである。
■ 退団や流出が目立つ柏レイソルC大阪が天皇杯を制したことでACL出場の出場権を獲得した柏はここまでは流出や退団が目立っている。FWディエゴ・オリヴェイラ(→FC東京)、MF小林祐(→湘南)、DF輪湖(→福岡)、MF大津祐(→横浜FM)の移籍が決定。MF武富の退団も濃厚と言われている。MF小泉慶(新潟)の加入が決定して、MF江坂(大宮)やDF亀川(福岡)やDFパク・ジョンス(横浜FM)の加入が噂されているが流れ的にはあまり良くない。
1月30日(火)にACLのプレーオフを戦うことになるが2015年の柏、2016年のFC東京、2017年のG大阪とACLのプレーオフに回った日本勢はJ1のリーグ戦で苦戦するケースが続いている。ACLのプレーオフにまず最初の標準を合わせなければいけないのは相当に大きな負担になる。ましてや今年のACLのプレーオフは例年と比べてもかなり早い時期に日程が組まれている。チーム作りは相当に難しくなる。
元オーストラリア代表のポステコグルー監督を招聘した横浜FMは天皇杯で決勝まで勝ち上がったのでオフに突入して間もない。MFマルティノス(→浦和?)の退団は濃厚。MF齋藤学もW杯の中断前までに復帰できるのか?否か?という状況なのでアタッカーの補強が急務だったがMF大津祐(柏)の加入が決定。復活に期待がかかるが全く十分ではない。ここからフロントが頑張って上位を目指せるように戦力を整えたい。
■ 高まりすぎた期待感注目したいのは札幌である。昇格1年目の2017年はJ1で11位。16年ぶりの「J1残留」を果たしたがペトロヴィッチ監督の招聘を決定。勝負に出た。四方田監督のままでも上位を目指すことが出来たと思うが「さらに上」を目指して勝負に出た。昨今のJリーグは降格を必要以上に恐れるチームが多くなってリスクレスのクラブ運営をするチームが主になっているので札幌のチャレンジ精神や心意気は大いに買える。
流出はほぼなし。DF福森晃やFWジェイやGKク・ソンユンやMFチャナティップといった2017年に評価を高めた主力選手はほぼ全員が残留濃厚 or 残留確定済み。その上でMF三好(川崎F)、MF白井(愛媛FC)などを獲得してMF駒井(浦和)とGK菅野(京都)の加入も確実視されている。オフの補強に関しては申し分ない。各ポジションにタレントを抱えており、上位争いに顔を出しても何ら不思議はないメンバー構成になった。
最大の不安要素は「高まりすぎた期待感」になる。2014年のC大阪、2016年の北九州、2017年の神戸が典型例に挙げられるが期待値が高まりすぎると大コケる可能性も高まる。例えば最初の10試合を3勝4敗3分けあたりの成績で乗り切ったとしても「不調」、「低調」、「期待ハズレ」という声が多くなって自分たちを見失いがちである。前評判が高くなりすぎると足元をすくわれて残念なシーズンになることは多い。
2018/01/04
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