コンサドーレ札幌 → やや苦戦中→ J2を制覇して2012年以来のJ1昇格を果たしたがオフの移籍市場では苦戦中。MF水沼(FC東京)とMF野津田(新潟)に興味を示していたがともに他クラブへの移籍が決定的となった。「タイのメッシ」の異名を持つMFチャナティプ(ムアントンU)の加入は決まったが札幌に合流するのは2017年の夏の予定。1.5列目や2列目タイプのアタッカーを探しているのは間違いなさそうだが現時点では収穫は得られていない。
ユース卒の2人(MF菅大輝とDF濱)以外で「加入が濃厚」と言われているのはCFのFW金園(仙台)とMFキム・ミンテ(仙台)の2人。FW都倉にかかる負担が非常に大きかったのでFW金園の補強は非常に効果的と言える。高さと強さが武器となるが前線からの守備でも頑張れる選手である。とにかく怪我の多い選手であるがFW都倉がいるのでフル稼働を期待する必要はない。加入が決まれば「いい補強」と言える。
一方のMFキム・ミンテは187センチの大型ボランチ。仙台に加入する前の時点では「守備力が高い大型ボランチのようだ。」という噂が流れていたが仙台で目立ったのは運動量の多さや攻撃力であり守備に関しては不安がある。ボールタッチも柔らかいのでボランチとしての潜在能力は極めて高い選手だと思うが現時点では経験不足は否めず。外国人枠の問題も絡んでくるので戦力としては計算しにくい選手である。
逆に流出が決まったのはMF堀米悠(→新潟)。2年連続でレギュラーの左WBとして活躍した生え抜きの若手がJ1復帰を果たしたタイミングで他クラブへの移籍を希望するとはなかなか予想しにくい出来事である。近年の札幌は高さ・強さ・スピードの3つがキーワードになっており、攻撃が一本調子になりやすい点が欠点だった。その中で非常にいいアクセントになっていたMF堀米悠が抜けるのは結構なダメージである。
怪我のDF増川は2017年の開幕には間に合わない見込みなのでCBも補強ポイントになって来るがDF櫛引の退団は決定的。期限付き移籍中のDF菊地直とDF福森晃を引き留めることが出来そうなのは朗報であるが即戦力として期待できるCBの補強は不可欠である。どのクラスのCBを獲得できるのか?は来シーズンの札幌の成績に大きく関係してくると思うが現時点ではベテランのDF近藤直(千葉)が最有力候補と言える。
ベガルタ仙台 → やや苦戦中→ 札幌と同様に苦しいオフになっている。最終ラインの要として活躍したDF渡部(→神戸)の移籍が確定。CBでありながらインターセプト数がリーグ2位となる24回。自陣での空中戦回数はリーグ1位で、90分あたりの自陣での空中戦回数がリーグ6位で、自陣での空中戦勝率もリーグ6位となる68.4%。エアバトルに関してはJ1のCBの中では最上位クラスの選手なので流出というのは大きなマイナスと言える。
「ハイボールを跳ね返す能力の高さ」はここ数年の仙台の特徴になっている。その中心的な存在だったDF渡部の穴をどのように埋めるのか?が目下の課題と言えるが代役候補としてDF増島(柏)の加入が決定した。経験豊富なCBを獲得できたのは良かったが近年は怪我や若手の台頭の影響もあって出場時間が減ってきている。DF大岩やDF石川直を左右のストッパーに置く3バックは選択肢の1つになるだろう。
GK六反の怪我の影響もあって固定しきれなかったキーパーは今シーズンはやや不安定だったが熊本と松本山雅で経験を積んでついに日本代表候補に選ばれたGKシュミット・ダニエル(松本山雅)が戻って来る。これは大きなプラスである。196センチの高さをクローズアップされる機会が多いがフィード力も高い。J1でプレーした経験はないが抜群の潜在能力を持つキーパーがJ1でどれくらいやれるのか?は興味深い。
攻撃陣は10ゴールを挙げたFWハモン・ロペスの退団が決定的。今シーズンは空中戦でも存在感を発揮するなどマルチな才能を持った選手なのでダメージは大きい。FWウイルソンの退団も確定しているのでフォワードの補強は急務だったがFW金園の札幌への移籍は濃厚。逆にFW平山(FC東京)とFW石原直(浦和)の加入が濃厚となった。FW平山は31歳、FW石原直は32歳。共にいつの間にかベテランになった。
FW平山に関しては今シーズンは15試合で5ゴール。短い時間で結果を残した。当然、潜在能力は高い。フォワードの軸として起用される可能性がある中、どういうプレーを見せるのか?は興味深いが、FW平山はずっと怪我に苦しんでいる選手で、FW石原直も2015年4月に右膝の怪我をしてから本来の動きを見せられていない。20歳のFW西村を含めたフォワード陣が不確定要素の多い構成になりそうなのは気になる。
鹿島アントラーズ → オフ期間も主役→ 鮮やかな逆転劇でCSを制覇して2009年以来の日本一に輝くとクラブW杯でも躍動。世界中に名前を売ることに成功しただけなく結構な額の賞金も手に入れることが出来た。クラブW杯が開幕する前の段階から精力的な動きを見せていたがFWペドロ・ジュニオール(神戸)とMFレオ・シルバ(新潟)とDF三竿雄(湘南)とMF金森(福岡)の加入は決定的。大型補強に成功してJリーグのオフ期間も主役になる可能性が高い。
大きいのはFWペドロ・ジュニオールである。今シーズンは29試合に出場して11ゴール12アシストと素晴らしい成績を残した。夏の移籍市場でMFカイオが抜けた後は左サイドハーフを固定しきれず、個で仕掛けることが出来るスペシャルな選手がいなかった。MFカイオの移籍は2ndステージで11位と低迷した大きな理由の1つに挙げられるので打開力を持ったFWペドロ・ジュニオールは補強ポイントに合った選手である。
ポジションが左SHになるのか?2トップの一角になるのか?は始まってみないと分からないが大きな戦力になるだろう。また、長年の悩みになっている左SBのレギュラー候補としてDF三竿雄(湘南)を獲得できそうなのも大きい。「3-4-2-1」を採用する湘南では主に左ストッパーで起用されたが一番合ったポジションは左SBである。左利きでキックの精度が高くて運動量も豊富。DF山本脩のいい競争相手になるだろう。
MFレオ・シルバ(新潟)がJ1屈指のボランチであることは言うまでもないがハイリスク・ハイリターンの補強と言える。自由にプレーできる環境を与えられたときに最大限の力を発揮する選手であるが鹿島のWボランチというと伝統的に周りの状況を的確に把握しながら冷静にプレーをし続けることが求められる。制約の多い役回りなのでMFレオ・シルバが新潟時代と同じようなプレーをした場合、浮く可能性がある。
当然、高年俸でもある。MF小笠原とMF柴崎岳とMF永木を中心にうまくバランスが取れるようになってきた中に強烈な個の力を持つ選手を組み込むのは怖い感じもある。DF山本脩のバックアッパーがいなかった左SBと並んで探し続けているGK曽ヶ端の後継者としてGKク・ソンユン(札幌)とGKキム・スンギュ(神戸)に興味を示したが失敗。今度はGKキム・ジンヒョン(C大阪)に関心を抱いているが果たしてどうなるか?
・【J1】 2016年-2017年 冬の移籍市場 中間評価 (コンサドーレ札幌・ベガルタ仙台・鹿島アントラーズ編)
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