■ J1第22節再開後、2連敗スタートとなったFC東京が、ホームの味スタで柏レイソルと対戦。
FC東京は、前節の磐田戦の大敗を受けて、先発メンバーを6人変更。GKに塩田を起用し、DF徳永・今野・藤山・金沢。ダブルボランチで、浅利・梶山。右サイドに川口、左サイドにリチェーリ。前線にルーカスと赤嶺。
対する柏は、<4-2-3-1>。GK南。蔵川・古賀・小林祐・大谷。アルセウ・山根・太田・菅沼・李の中盤で、フランサが1トップ。
■ PKで決勝点試合は、前半は柏が右サイドの太田圭輔を生かしたワイドな攻めで主導権を握るが、FC東京も右サイドの徳永のオーバーラップから、何度かチャンスを作るなど、一進一退の展開。
スコアレスで折り返した後半7分、柏は、中盤でMF梶山からボールを奪ってカウンターアタック。その攻撃から、ペナルティエリア内でMF菅沼が倒されてPKを獲得すると、FWフランサが決めて先制。
その後、FC東京は、MF馬場、FW平山、MF福西を投入し、猛攻を開始するが、不可解な判定にも悩まされて、同点ゴールは奪えなかった。結局、1対0で柏が勝利し、FC東京は、3連敗スタートとなった。
■ 見せた戦う姿勢ホームで敗れたことは残念だが、この試合のFC東京の戦う姿勢は、評価できる。塩田・藤山・浅利・川口・リチェーリ・赤嶺という6人を新しく先発で起用し、彼らは懸命に戦った。幸か不幸か、今のFC東京には、バックアップメンバーに気持ちを出して戦える選手がそろっている。
FC東京のサッカーの基本となるのは、戦う気持ちであり、それは、監督が誰であろうと失われてはいけない要素である。そういう姿勢が見せられれば、例え、思うような結果が残せなかったとしても、サポーターは、一定の評価はするだろう。
■ 初スタメンの赤嶺リーグ戦では、初スタメンを飾ったFW赤嶺は悪くなかった。
もともと、赤嶺は、サイドに流れて仕事をしようとするタイプではなく、あくまでゴール近辺で勝負しようとするフォワードである。したがって、あまり余計な動きをせずに、中央にどっしり構えてプレーしてくれるので、味方の意識ターゲットになりやすく、「前線の赤嶺のところをうまく使って攻めていこう」というチーム全員の共通イメージが描きやすい。
能力を考えると、ルーカスの1トップという選択肢も有りだが、ルーカスは、中盤に下がってきたり、サイドに流れたりと、広範囲に動くので、相手DFのターゲットにはなりにくくマークはされにくいが、肝心なときにゴール近辺にいないことがあって、味方にとっても、プレーしにくい部分があるかもしれない。
■ 好調を維持する平山前節は途中出場で1ゴール1アシストという結果を残したFW平山だが、この試合も、1点ビハインドの後半20分から出場。非常にいいプレーを見せた。
現状では、FC東京でがリードを許しているときのパワープレー要因の域を出ないが、逆に、その限定的な起用方法が、平山の良さを引き出している。この試合でも、柏のCB古賀を相手に、巧みなキープと圧倒的な高さで、完全に制空権を握った。
五輪代表でも見られる現象ではあるが、平山が入ると、どうしても、ロングボールが多くなって、攻撃が単調になる。したがって、平山のプレーバリエーションの少なさを批判する向きもあるが、とはいっても、平山がゴール前に存在するということは、それだけで相手DFにとってはやっかいな要素になっており、イーブンのボールであっても、ほとんどのボールに競り勝つことができるので、その結果、多くのチャンスを作り出す。
もちろん、パワープレー要因という現状を、平山自身が満足しているはずもなく、90分プレーできるようなるためには、チャンスに絡むだけではなく、明確な結果を残さなければならないし、ゴール前以外での仕事もしなければならないし、毎試合、安定したプレーを見せなければならない。
■ 殻を打ち破るべく戦う梶山確かに、今シーズンの梶山は、苦しんでいる。FC東京でもそうだし、五輪代表でも、そうである。梶山は、試合中に、難しいプレーを選択することが多い。その難しいプレーを、いとも簡単にこなすことも多いが、その一方で、そのプレーには、リスクを伴うので、ボールを失われた瞬間、ピンチにつながる。
このあたりは、評価が非常に難しい。シンプルにプレーしなければならないのは、現代サッカーの鉄則ではあるが、あまりにもシンプルさを求めすぎて、梶山の持ち味を消してしまっては意味がないし、トリッキーなプレーが出来なくなったら、梶山ではなくなる。
ボランチの選手に対して、「ミスをするな。」というのは簡単である。実際、梶山のような代表クラスの選手に対して、そういう指示を与えれば、忠実にプレーをこなすだろう。だが、全くパスミスをしないボランチというのも考え物である。
■ 大きい太田圭輔の加入柏では、中断期間に加入した、右サイドハーフの太田の加入が、予想以上に効果的であると感じた。前半戦の柏は、サイド攻撃の数値に関しては、リーグ最低レベルであったが、太田の加入で、大きく改善されるかもしれない。
この試合では、劣勢の時間が長かったため、右サイドバックの蔵川のオーバーラップというシーンはほとんどなく、まだ、コンビネーションも確立できていない状況かもしれないが、太田と蔵川の右サイドは、新しい脅威になりそうだ。
そうなると、中央のフランサのテクニックや、左サイドからの菅沼のドリブルが、よりいっそう効果を発揮するはずである。1人の選手の加入が、チームを劇的に変えるかもしれない。
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確かに、現状では、トップ下では得点力や突破力という点で物足りないし、ボランチとしては、書かれている様な部分で物足りない感じもしますね。
ただ、まだ若いので、あまり考えすぎずに、ミスを恐れずに、プレーしていって欲しいものです。
>全くパスミスをしないボランチというのも考え物である。
>
チャレンジパスをしないのは問題ですが、パスミスをしないボランチは素晴らしい存在ですよ。
梶山くんの問題は相手の意表を突くような難しいリスクを冒すプレーが得意なのに起用されるポジションが低い位置なので得点には直結しないことと
あの位置で起用されていながら自分の得意なプレーをするのみで、周りの武器を引き出すという感覚に欠けることですね。
今のままだと面白いセンスを持った素材で終わってしまいそうで……一皮むけてくれると嬉しいのですが。
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