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【J1】全18クラブの走行距離とスプリント回数をまとめてみた。(FC東京編) | | |　

■　14回目はスター軍団のFC東京編

14回目で取り上げるのは1stステージは11勝4敗2分けで2位と好成績を残したFC東京。チームの顔だったFW武藤嘉はマインツ移籍が決定したが、DF森重、DF太田宏、GK権田は現役の日本代表で、他にもFW前田遼、FW平山、MF羽生、MF高橋秀、MF米本、DF徳永、MF石川直など日本代表経験者がズラリ。五輪代表のエース格のMF中島翔やCBのDF奈良なども在籍しており、リーグでも屈指のタレント軍団と言える。

表1は試合ごとの走行距離とスプリント回数を示している。走行距離は11勝5敗。これは16戦全勝の松本山雅、15勝1敗の山形、14勝2敗の湘南に次ぐリーグ4番目。FC東京は中盤の選手に多くの運動量が必要とされるサッカーをしているが、相手チームを上回るケースが多い。スプリント回数は7勝9敗。自チームの1試合平均の走行距離と相手チームの1試合の平均の走行距離がちょうど同じで113.12キロとなった。

表1. 試合ごとの走行距離とスプリント回数 (1節から16節まで)

節	戦績			走行距離(キロ)				スプリント回数
節	勝敗	スコア	対戦相手	比較	自チーム	相手チーム	差	比較	自チーム	相手チーム	差
1	△	2対2	G大阪	○	115.98	115.01	0.97	×	168	189	-21
2	△	0対0	横浜FM	○	115.87	114.27	1.60	○	156	139	17
3	○	2対0	神戸	○	120.05	119.28	0.77	×	163	195	-32
4	○	1対0	甲府	○	114.42	113.56	0.86	○	159	142	17
5	○	1対0	湘南	×	109.68	116.39	-6.71	×	167	194	-27
6	×	1対2	広島	○	118.04	117.84	0.20	○	170	144	26
7	○	1対0	山形	×	110.74	114.64	-3.90	×	203	209	-6
8	○	1対0	新潟	×	111.26	114.88	-3.62	×	133	162	-29
9	○	2対1	川崎F	○	108.96	101.58	7.38	×	142	146	-4
10	○	3対2	仙台	○	114.58	114.26	0.32	○	159	158	1
11	×	0対1	鹿島	○	117.52	114.77	2.75	○	183	151	32
12	×	1対4	浦和	○	114.11	113.74	0.37	×	163	165	-2
13	×	0対1	名古屋	○	113.64	108.88	4.76	×	162	163	-1
14	○	2対1	柏	○	105.63	102.39	3.24	○	140	132	8
15	○	2対1	松本山雅	×	109.94	116.54	-6.60	×	144	171	-27
16	○	2対1	鳥栖	×	109.54	111.95	-2.41	○	121	115	6
17			清水
					113.12	113.12	0.00		158.31	160.94	-2.63

表2は個人別の1試合の走行距離のランキングである。目立つのは日本代表のFW武藤嘉。1位・7位・8位・11位・13位・14位・16位・19位と実に8回もランクインしている。他のクラブのランキングを見ると分かるとおり、フォワードの選手というのは走行距離を稼ぎにくいところがある。それにも関わらず、多くの試合でチーム1位の走行距離を記録しているFW武藤嘉の運動量はかなりのレベルにあることが分かる。

他には4位・6位・10位・12位のMF米本、4位・15位・18位のMF梶山も走行距離の多い選手である。MF米本の運動量が多いことはサッカーファンであれば誰でも知っている話と言えるが、意外とMF梶山も走行距離が多い選手である。今シーズンはアンカーの位置でプレーすることが多いが、アンカーのポジションも走行距離は伸びにくいポジションと言える。それにも関わらず、定期的に11.5キロを超えている。

表2.個人別の走行距離のランキング (1位から20位まで)

ランク	名前	節	対戦相手	PT(分)	実質PT	走行距離(キロ)	SP回数
1	武藤嘉紀	3	神戸	90	97	12.78	36
2	前田遼一	2	横浜FM	90	95	12.74	20
3	前田遼一	1	G大阪	90	95	12.40	25
4	米本拓司	3	神戸	90	97	12.37	21
4	梶山陽平	6	広島	90	95	12.37	12
6	米本拓司	11	鹿島	90	95	12.18	17
7	武藤嘉紀	2	横浜FM	90	95	12.17	26
8	武藤嘉紀	6	広島	90	95	12.11	21
8	高橋秀人	13	名古屋	90	95	12.11	13
10	米本拓司	2	横浜FM	90	95	12.00	11
11	武藤嘉紀	11	鹿島	90	95	11.94	32
12	米本拓司	12	浦和	90	96	11.81	26
13	武藤嘉紀	14	柏	90	98	11.80	24
14	武藤嘉紀	5	湘南	90	95	11.79	35
15	梶山陽平	3	神戸	89	96	11.75	2
16	武藤嘉紀	13	名古屋	90	95	11.63	22
17	石川直宏	4	甲府	90	95	11.61	26
18	梶山陽平	1	G大阪	90	95	11.60	7
19	武藤嘉紀	1	G大阪	90	95	11.57	21
19	前田遼一	10	仙台	87	89	11.57	19
19	高橋秀人	8	新潟	90	95	11.57	10

表3のスプリント回数でも目立つのはFW武藤嘉。「かなり凄い。」と言える30回オーバーが5回。ベスト20の中に10回もランクインしている。走行距離も多くて、スプリント回数も多くて、なおかつ、点も取れる。FW武藤嘉の穴を埋めるのは相当に大変である。いろいろな選手がスプリント回数の部門でランクインしているのがFC東京の特徴と言える。ベテランのMF石川直はさすがのスプリント回数を記録している。

表3.個人別のスプリント回数のランキング (1位から20位まで)

ランク	名前	節	対戦相手	PT(分)	実質PT	走行距離(キロ)	SP回数
1	武藤嘉紀	3	神戸	90	97	12.78	36
2	武藤嘉紀	5	湘南	90	95	11.79	35
3	武藤嘉紀	7	山形	90	96	10.53	34
3	武藤嘉紀	10	仙台	85	87	10.14	34
5	武藤嘉紀	11	鹿島	90	95	11.94	32
6	東慶悟	3	神戸	90	97	11.53	30
7	河野広貴	6	広島	84	86	11.52	28
7	武藤嘉紀	15	松本山雅	90	96	11.35	28
7	石川直宏	5	湘南	89	94	11.06	28
10	三田啓貴	7	山形	82	84	9.87	27
11	武藤嘉紀	2	横浜FM	90	95	12.17	26
11	米本拓司	12	浦和	90	96	11.81	26
11	石川直宏	4	甲府	90	95	11.61	26
11	太田宏介	13	名古屋	90	95	10.34	26
15	前田遼一	1	G大阪	90	95	12.40	25
15	武藤嘉紀	12	浦和	90	96	11.53	25
15	武藤嘉紀	9	川崎F	90	96	11.01	25
18	武藤嘉紀	14	柏	90	98	11.80	24
18	東慶悟	7	山形	90	96	11.10	24
18	河野広貴	7	山形	56	58	7.22	24

最後は個人成績を示している。FW武藤嘉が凄いことはこれまでに何度も触れたのでここでは省略する。FW武藤嘉以外で「これは凄い。」と思ったのは元日本代表のFW前田遼。なかなかチームにフィットしきれずにスタメンから外れる試合も多かったが、1節のG大阪戦(A)で12.40キロ、2節の横浜FM戦(H)で12.74キロを記録するなど、この手のタイプのフォワードとしては異例とも言える走行距離を記録している。

90分あたりの走行距離は12.41キロ。FW武藤嘉の11.57キロも優れた数字であるが、FW前田遼はこの数字をはるかに上回っている。FW前田遼は90分あたりのスプリント回数も20.78回と極めて優秀。新天地で本領発揮とは言い難いが、「さすがはザックジャパンのときにずっと1トップを張って来た選手は違う。」と言える数字を残している。ターゲットタイプでこれだけの数字を残している選手は他にはいなかった。

表4. 走行距離とスプリント回数の個人成績 (1節から16節まで)

名前	PT(分)	走行距離(キロ)	走行距離/90分	SP回数	SP回数/90分
権田修一	1440	66.17	4.14	8	0.50
武藤嘉紀	1396	179.44	11.57	426	27.46
太田宏介	1394	156.94	10.13	220	14.20
徳永悠平	1350	147.79	9.85	215	14.33
森重真人	1350	146.05	9.74	143	9.53
梶山陽平	1211	152.35	11.32	116	8.62
米本拓司	1126	144.63	11.56	218	17.42
吉本一謙	810	81.42	9.05	72	8.00
東慶悟	792	96.95	11.02	171	19.43
高橋秀人	768	103.08	12.08	100	11.72
河野広貴	686	88.37	11.59	201	26.37
羽生直剛	643	82.22	11.51	101	14.14
カニーニ	630	68.87	9.84	63	9.00
前田遼一	602	83.04	12.41	139	20.78
三田啓貴	500	64.93	11.69	100	18.00
林容平	315	41.25	11.79	65	18.57
石川直宏	287	38.09	11.94	90	28.22
丸山祐市	148	18.21	11.07	18	10.95
松田陸	108	12.70	10.58	19	15.83
橋本拳人	84	11.08	11.87	15	16.07
野澤英之	69	9.03	11.78	11	14.35
ラサッド	68	8.52	11.28	10	13.24
中島翔哉	63	8.94	12.77	9	12.86