■ J1は第5節が終了J1は第5節が終了した時点で3勝2分けで勝ち点「11」のFC東京と浦和が首位で並んでいる。続く3位は3連勝中と調子を上げてきたG大阪で、4位は2勝3分けの仙台で、5位は鳥栖で、6位は川崎Fで、7位は横浜FMと続いていく。「日本代表のFW武藤嘉を擁するFC東京が首位に立っている。」というのは序盤のJ1のトピックスの1つで、2節以降は4試合連続完封中とGK権田やDF森重を中心とした堅い守備も光っている。
仙台が2勝3分けで4位と好位置に付けている点も目に付く。オフにDF角田、MF太田吉、FW赤嶺など「替えが効かない。」と思われていた主力数名を失ったが、ここまでは負けなし。引き分けに終わった2節の柏戦(A)と5節の横浜FM戦(A)はともに後半の終了間際まで1対0とリードしていた。惜しくも勝ち点「3」を取り逃がしたが、うまく試合を締めくくっていたら、もっと勝ち点を稼ぐことができた。
下の表1はシーズン前に募集した順位予想バトル(J1編)の結果をまとめたものであるが、仙台の評価は14番目。126名(=41.4%)が「16位以下」に予想しているので前評判は低かったが、ここまでは予想を裏切る成績である。攻撃に関してはエースのFWウイルソンがいいところでゴールを決めてチームを助けているが、持ち味である守備の堅さはメンバーが代わっても変わらず。大崩れしそうな雰囲気は無い。
→ 2015/01/08
【J1】 順位予想バトル 2015年版 受付終了 (参加者:304名) → 2015/01/09
【J2】 順位予想バトル 2015年版 受付終了 (参加者:166名) → 2015/03/07
【J1】 2015年開幕直前 順位予想まとめ (参加者数:304名) → 2015/03/06
【J2】 2015年開幕直前 順位予想まとめ (参加者数:166名)表1. シーズン前の平均予想順位(304名)と5節終了時点での成績
ランク | クラブ名 | 平均順位 | 5節終了時点 | 3位以内 | 7位以内 | 16位以下 |
順位 | ± | 総数 | (%) | 総数 | (%) | 総数 | (%) |
1 | G大阪 | 2.77 | 3 | -0.23 | 226 | 74.3% | 297 | 97.7% | 0 | 0.0% |
2 | 浦和 | 2.93 | 1 | 1.93 | 210 | 69.1% | 296 | 97.4% | 0 | 0.0% |
3 | 鹿島 | 3.42 | 12 | -8.58 | 168 | 55.3% | 296 | 97.4% | 0 | 0.0% |
4 | 川崎F | 4.52 | 6 | -1.48 | 114 | 37.5% | 272 | 89.5% | 1 | 0.3% |
5 | FC東京 | 6.07 | 1 | 5.07 | 55 | 18.1% | 209 | 68.8% | 1 | 0.3% |
6 | 柏 | 7.62 | 8 | -0.38 | 31 | 10.2% | 154 | 50.7% | 4 | 1.3% |
7 | 名古屋 | 7.80 | 12 | -4.20 | 36 | 11.8% | 136 | 44.7% | 4 | 1.3% |
8 | 広島 | 8.19 | 10 | -1.81 | 12 | 3.9% | 123 | 40.5% | 2 | 0.7% |
9 | 神戸 | 8.67 | 9 | -0.33 | 19 | 6.3% | 101 | 33.2% | 1 | 0.3% |
10 | 鳥栖 | 8.97 | 5 | 3.97 | 15 | 4.9% | 91 | 29.9% | 4 | 1.3% |
11 | 新潟 | 10.32 | 14 | -3.68 | 9 | 3.0% | 55 | 18.1% | 7 | 2.3% |
12 | 横浜FM | 10.74 | 7 | 3.74 | 4 | 1.3% | 39 | 12.8% | 15 | 4.9% |
13 | 湘南 | 11.18 | 11 | 0.18 | 5 | 1.6% | 43 | 14.1% | 12 | 3.9% |
14 | 仙台 | 14.79 | 4 | 10.79 | 2 | 0.7% | 3 | 1.0% | 126 | 41.4% |
15 | 清水 | 14.99 | 15 | -0.01 | 1 | 0.3% | 4 | 1.3% | 144 | 47.4% |
16 | 甲府 | 15.37 | 18 | -2.63 | 0 | 0.0% | 1 | 0.3% | 154 | 50.7% |
17 | 松本山雅 | 15.79 | 16 | -0.21 | 2 | 0.7% | 6 | 2.0% | 194 | 63.8% |
18 | 山形 | 16.88 | 17 | -0.12 | 2 | 0.7% | 2 | 0.7% | 243 | 79.9% |
■ 15位が清水で、16位が松本山雅で、17位が山形で、18位が甲府「14番目の評価だった仙台が4位に付けている。」というのは予想外と言えるが、表1を見ていくと分かるとおり、開幕前に予想された順位どおりに位置するチームが多い。±で見ていくと、G大阪・柏・神戸・湘南・清水・松本山雅・山形の7チームが「±0.40以内」で、浦和・川崎F・広島の3チームが「±2.00以内」。大きく外れるのは-8.58の鹿島と+5.07のFC東京と-4.20の名古屋と+10.79の仙台の4チームだけ。
もちろん、J1のリーグ戦は始まったばかりであるが、ここまでのところ、大方の予想通りのポジションに落ち着いているチームが多い。『J1の順位予想は難しい。』とよく言われるが、今シーズンに関しては、上位候補・中位候補・下位候補が(例年と比べると)はっきりと分かれており、比較的、予想はしやすかった。そして、今のところ、「このチームは予想外だった。」というチームは少ない。
気になるのは5節を終えた時点で下位に位置する4チームである。表1を見ると明らかであるが、ほとんどすべての人が仙台・清水・甲府・松本山雅・山形の5チームの中から3チームをチョイスして「16位以下」に予想しているが、「15位が清水で、16位が松本山雅で、17位が山形で、18位が甲府」という5節終了時点でのJ1の順位表を見ると、『大半の人の見方は間違っていなかった。』と言えるだろう。
■ 結果は出ていないが内容はまずまずの山形この4チーム(清水・甲府・松本山雅・山形)のちょっと上に位置するのは鹿島・名古屋・新潟の3チームであるが、ここに来て鹿島は明らかに調子を上げてきている。「底力がある。」というのは間違いないところで、名門クラブが残留争いに巻き込まれる可能性は限りなく低い。名古屋に関しては攻撃陣がかみ合っておらず、危ういところもあるが、タレント力はリーグ随一。このままの位置で低迷するとは考えにくい。
「(4チーム以外で)残留争いに巻き込まれる可能性がある。」と言えるのは新潟か。2年目のFWラファエル・シルバが目覚ましい活躍を見せており、課題と言われた得点力不足が幾分かは改善されたが、ここまで1勝のみ。彼以外にも得点を期待できる選手が出てこないと引き込まれる可能性がある。ただ、FW指宿やFW鈴木武蔵やDF川口尚など能力の高い若手が多いのでチームとしての伸びしろは大きい。
ということで、開幕前から「降格候補」と言われて、実際に「スタートダッシュは成功しなかった。」と言える清水・甲府・松本山雅・山形の4チームは、当分の間、降格ラインを気にしながら戦わざる得ないが、この4チームの中で「チーム状態は別に悪くない。」と言えるのが山形である。プレーオフを勝ち抜いて昇格したチームは例年、J1の洗礼を浴びているが、ここまでのところ、山形は一味違うところを見せている。
もちろん、単純に成績だけを見るとイマイチである。1勝4敗で17位と降格ゾーンに位置するが、1節の仙台戦(A)と2節の浦和戦(A)と5節の鳥栖戦(A)はともに0対0のまま迎えた終盤に決勝ゴールを許した。浦和戦(A)は勝利の可能性は低かったが、仙台戦(A)と鳥栖戦(A)は勝ち点「3」を持って帰ることが出来るチャンスはあった。「負けはしたが、J1でもやれそうな手ごたえを感じることができた試合」が多い。
相手に退場者が出て10人になった後、点を取るために(山形が)前掛かりになった隙を付かれて2失点を食らって0対2で敗れた1節の仙台戦(A)の敗戦はかなり悔やまれるが、ここまでのところ、予想以上に健闘している。頑張っているのは間違いないが、なかなか勝ち点につながっていないのも事実で、「内容は悪くないのに結果につながらない。」という試合が続くのは宜しくない。6節の松本山雅戦(H)は大一番である。
■ 負け慣れていない松本山雅一方、1勝3敗1分けで16位の松本山雅のチーム状態は「普通」と言える。良くもないが、悪くもない。ある部分では手ごたえを感じる試合ができており、通用している部分と通用していない部分がある。気になるのは5試合で9失点と失点数が増えている点で、ロングボールなど(相手の)シンプルな攻撃からピンチを招くシーンが目立っている。「最終ラインはやや不安定である。」と言わざる得ない。
攻撃に関しては新外国人のFWオビナがチームにフィットしており、欠かせない選手になったのが一番の収穫と言える。松本山雅のサッカーにおいて、CFの重要度は高いので、彼が大ハズレに終わると「J1残留」の可能性が低くなったが、その点はクリアされた。2シャドーの一角(=MF岩上の相方)を誰にするのか?、そして、その選手がどれほどの活躍が出来るのか?がキーポイントと言える。
松本山雅の不安材料の1つはサポーターの存在である。地域リーグの頃からとんとん拍子でJ1に上がってきたチームである。もちろん、サポーターの数が少なかった時代は様々な面で苦労したと思うが、サポーターの数が拡大した後、基本的には幸せな期間ばかりである。「負け慣れていないチーム」と言えるが、今後、負けが込んできたときに「負けること」への免疫を持たないサポーターが足枷になる可能性がある。
■ もっとも苦しいのはヴァンフォーレ甲府Jリーグがスタートした1993年からずっと1部リーグで戦ってきた清水は開幕戦はホームのIAIスタジアム日本平で強豪の鹿島を相手に3対1で勝利した。MF大前とMF村田和を中心に躍動感あふれるサッカーを見せて、2節の新潟戦(A)もスコアレスドロー。1勝1分けといいスタートを切ったが、ここから公式戦はまさかの6連敗。ナビスコカップの3試合を含んでいるが、サポーターの我慢は限界地点に近付きつつある。
2月のニューイヤーカップで3戦全敗に終わった悪い流れはスーパーサブ的な存在だったMF村田和をスタメンに抜擢した決断がきっかけの1つになって振り払うことが出来たが、これだけ連敗が続くと、また嫌な雰囲気になってくる。チーム全体が自信を失いつつある中、早く連敗を止めなければならない。7連敗や8連敗と黒星がさらに続くようだと、フロントも何かしらの手を打たざる得なくなる。
4チームの中でもっとも心配されるのは甲府である。2節はホームで調子の上がっていなかった名古屋に1対0で勝利した。0対2で敗れた3節のG大阪戦(H)の前半の内容は非常に良かったが、1節の広島戦(A)、4節のFC東京戦(A)、5節の神戸戦(A)の3試合は勝ち点を獲得できそうな雰囲気はほぼ無かった。引き分けに持ち込んで勝ち点「1」を拾えそうな雰囲気も無かった。「完敗だった。」と言わざるえない。
絶対的な主力だったCBのDF青山直とDF佐々木翔の2人が抜けた最終ラインは34歳のベテランのDF山本英が何とか若手選手をまとめて持ちこたえているが、これだけチャンスを作れないと守備陣には大きなプレッシャーとなる。ゴールどころか、なかなかチャンスシーンも作れていない。5節の神戸戦(A)はここまで頑張ってきた最終ラインの選手にミスが頻発するという非常に嫌な形で1対4というスコアで大敗した。
「ある程度は慣れている。」とは言っても、フラストレーションがたまる試合ばかりである。「樋口監督を解任すべき。」という話が出てきてもおかしくない流れになりつつあるが、監督を代えたら状況が良くなるのか?というと明らかに「No」である。もちろん、監督を代えることでチーム状態が劇的に良くなるケースはあるが、今の甲府の場合、憂さ晴らしや気休めにしかならないだろう。監督交代にお金を費やすよりは夏の選手補強にお金を費やしたほうがはるかに有益で、現状を打破するための策としては悪手と言える。
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